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第十九話 戦艦

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 俺は左手を耳に当てた。

 「艦隊、目標、クラーケン撃ちまくれ」

 すると、海上にはクラーケンを囲むように緑色の霧で構成された艦隊が現れた。

 駆逐艦や軽巡や重巡は搭載されている全ての武器を撃ち始めた。

 潜水艦は海面に浮上し、攻撃を始めた。

 空母は航空機を発進させ、自らも全ての武器を撃ち始めた。

 地上部隊の攻撃が駆逐艦に当たることはなく、そのまま攻撃はすり抜けていく。

 どうやら、兵士達は本当の霧で構成されているようだ。

 クラーケンに銃弾が、砲弾が、ロケットが、ミサイルが、魚雷が、爆弾が吸い込まれた。

 そして、クラーケンは少しずつだが傷を作った。

 やがて、クラーケンは攻撃に耐えれなくなり、海に潜った。

 そして、艦隊に向かって、8本の足で攻撃してきた。

 先程と同様に緑色の霧で構成された艦隊には攻撃はすり抜けていく。

 それを確認した俺は新たな指示を出した。

 「攻撃ヘリ隊、上空で待機しろ。そして、全隊攻撃準備」

 すると、攻撃ヘリ隊が上空に現れ、攻撃ヘリ隊含む全隊が攻撃準備をした。

 さて、クラーケン。

 そろそろ決めさせてもらう。

 俺は左手を耳に当てた。

 「航空隊と艦隊に告ぐ。海中に潜ったクラーケンを海面に引きずり出してやれ」

 すると、航空隊と艦隊は海中に攻撃を始めた。

 航空隊は爆弾やミサイルなどの攻撃を始めた。

 艦隊はミサイルや機雷など攻撃を始めた。

 潜水艦は潜航し、魚雷で攻撃を始めたのだ。

 その攻撃にクラーケンはやがて耐え切れ無くなり、海面に出て来た。

 だが、クラーケンの傷は全て塞がっていた。

 どうやら、再生能力があるらしい。

 再生能力があるなら、短期間で決めてやればいい。

 取り敢えず、今の兵力の火力を集中させよう。
 
 「クラーケンが海面に出て来たぞ。全隊撃ちまくれ」

 すると、展開している兵士達が撃ち始めた。

 だが、少しずつしか傷をつけることしか出来なかった。

 さて、本命の登場だ。

 俺は右手を上げてた。

 「戦艦。目標、クラーケン。撃ち方用意」

 すると、海上に戦艦が現れた。

 そして、搭載されている主砲がクラーケンに向けられた。

 俺は右手を勢いよく下げた。

 「撃て」

 すると、戦艦は主砲を撃った。

 撃たれた砲弾はクラーケンの2本の足を吹き飛ばした。

 それに続き、副砲や機銃も撃ち始めた。

 クラーケンの足を吹き飛ばすほどの威力は無いが確実に傷を作っている。

 攻撃を受けているクラーケンは残りの8本の足で戦艦を攻撃したが、すり抜けるだけだった。

 戦艦は反撃として、装填が終わった主砲でクラーケンの2本の足を吹き飛ばした。

 クラーケンは身の危険を感じたのか、海の中に潜ろうとした。

 だが、潜水艦や艦隊や航空隊が許さなかった。

 潜る前に一斉攻撃を加え、潜るのを阻止したのだ。

 クラーケンが潜るのを諦めると同時に戦艦の主砲の装填が終わった。

 戦艦の主砲はクラーケンの頭に狙いを定めた。

 そして、撃った。

 発射された砲弾はクラーケンの頭を吸い込まれた。

 クラーケンはそのまま飛沫を上げて、海に倒れた。

 頭から青色の血を流しながら、海に浮かんでいる。

 そして、クラーケンはもう2度動くことは無かった。

 死んだか。

 部隊を撤収させよう。

 そう考えた俺は兵士達の方を向き、敬礼をした。

 「全隊、ご苦労だった。直ちに帰還せよ」

 すると、兵士達は霧のように消えた。

 俺は驚いた表情を浮かべているツキミの手を取って、ホテルに向かった。
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