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第五話 愚行

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 [ブレイグ視点]

 俺様の名前はブレイグ・アナリアだ。

 アナリア侯爵家の次男で次期当主だ。

 聞いて驚け、俺様の職業は聖騎士だ。

 あの希少職の聖騎士だ。

 つまり、俺様は選ばれた人間だ。

 俺様には無能な兄がいた。

 無能な兄は能力が高いが、職業が料理人だった。

 俺様の聖騎士と比べると雑魚の職業だな。

 貴族社会は能力よりも職業の方が優先される。

 それを知っている俺様は策略を練り、実行し、無能な兄を追い出し、アナリア侯爵家の次期当主になった。

 次期当主になった俺様は父上に頼み、愚民共にあることを流した。

 すると、愚民共はそれに馬鹿みたいに反応し、俺のことを英雄と言い、崇め始めた。

 そして、愚民共の声を無視できなくなり、アナリア侯爵家が公爵家になることが出来た。

 たまには役立つではないか、愚民共。

 そんな俺様がクソみたいな街を訪れたなのには理由がある。

 この街の近くには陸の神獣と呼ばれているベヒーモスが眠っているとされている。

 俺様は街を回った後に、ベヒーモスが、眠っているとされている場所に向かった。

 その場所でベヒーモスを従者達に探させた。

 高貴な俺様が探すわけないだろう。

 探すのは愚民共に任せるに限る。

 探してから3日が経ったが、探しても見つからない。

 俺様は苛立ちを近くの岩にぶつけた。

 ぶつけた瞬間、地面が揺れたのだ。

 地面の揺れは時間が経つごとに強くなっていく。

 揺れが完全に収まると周りの景色が変わっていた。

 俺様は地面から離れた場所にいたのだ。

 下を確認してみると、それは地面では無く毛皮だった。

 ま、まさか、俺様はベヒーモスの上にいるのか。

 こんなデカイなんて、聞いてないぞ。

 ま、まぁ、所詮はただの獣だ。

 俺様の敵では無い。

 俺様は聖騎士の装備を付けた。

 全てが純白の装備だ。

 俺様に相応しい装備だ。

 そこまま俺様は聖騎士の剣をベヒーモスに突き刺した。

 すると、ベヒーモスは何も反応しなかった。

 全く効いていないのだ。

 獣如きが俺様を無視とはいい度胸だ。

 俺は聖騎士の剣で突き刺し、聖騎士の盾で殴った。

 その攻撃を10分ぐらい続けた。

 それで、やっとベヒーモスは自分の背中に何かいると気がついた。

 ベヒーモスは興味なそうに見てから体を揺らし、背中にいる何かを振り落とした。

 俺様はベヒーモスに突然揺らされ、地面に向かって、落下してしまった。

 そんな俺様は地面に叩きつけられた。

 聖騎士の鎧のお陰でそこまでのダメージはなかった。

 だが、従者達は違う。

 従者達は地面に強く叩きつけられ、命を落とした。

 俺様がふっとベヒーモスの方を見てみると、3日前までいた街に向かって、進んでいた。

 お、俺様の所為ではない。

 そ、そう、これは偶然なのだ。

 だから、俺様には関係無い。

 自分にそう言い訳をしながら、この場を離れた。

 死体に変わった従者達を置いて。
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