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第三十七話 包囲
しおりを挟む私は、「取り敢えず、外に出ましょう」
エスリス嬢とクリメ嬢は、頷いて、答えてくれた。
私は、エスリス嬢とクリメ嬢を連れて、この洞窟の出口に向かった。
出口に向かっている時は、私が、先頭に立ち、警戒をしている。
一応、後方に、シャドーアサシンを出し、後方の警戒をさせている。
10分ぐらいで、洞窟の出口に到着した。
私が、洞窟の出口から出て、外に出ようとすると、至る所から、炎の魔法で攻撃された。
「ウォーターウォール」と、唱えた。
すると、私の前に、水の壁が現れ、炎の魔法から、私達を守った。
クリメ嬢は、瞬時に、エスリス嬢を守るように抱き締めた。
「ほぉ、簡単に片付けられると思ったが、魔導士を雇っていたのか」と、崖の上から、声が聞こえて来た。
私は、崖の上を向いた。
崖の上には、豪華な服を着た太った男が立っていた。
「な、なんで、ここが」と、クリメ嬢が、呟いた。
クリメ嬢の呟きから、察するに、あれが、自分の国の王家を裏切った公爵家の当主。
反逆者か。
「だが、たかが1人に何が出来る。今、ここを包囲しているのは、我が国最強の騎士団だ。お前達に、逃げ道なんて、無いんだよ」と言い、反逆者は、醜く笑った。
影属性は、使わない方がいいな。
全て、水属性で、片付けるか。
「ウォーターマシンガン」と、唱えた。
すると、多数の水の雫が、私の周りに浮かぶ上がった。
私は、「自慢な騎士達を蜂の巣にしてやれ。ただし、反逆者は、残しておけ」
すると、多数の水の雫は、この国で最強の騎士団に向かって、飛んで行った。
最強の騎士団は、水の雫で、蜂の巣にされ、命を落とした。
一瞬の出来事だった。
エスリス嬢とクリメ嬢は、驚きの表情を浮かべ、反逆者は、唖然の表情を浮かべでいた。
「こ、こんなことあり得ない。い、いや、まだだ。あの騎士団が、役に立たなかっただけだ」と言い、反逆者は、何故か、後ろを向いた。
すると、黒いローブを被った男が、出て来た。
その黒いローブを着た男からは、邪悪な雰囲気を感じた。
「念には念を入れて良かった。この魔道士は、大金を雇った闇属性の使い手だ。多少魔法が出来るお前には、勝てない存在だ」と言い、反逆者は、優越感に浸っていた。
その闇属性の魔法使いは、魔法を唱えて来た。
これは、ダークハンドか。
警戒して損したな。
この程度のダークハンド、サリラと比べたら、脅威にもならない。
普通の水属性でも良いが、反逆者の優越感に浸っている表情が気に食わないから、始まりを使うか。
「ウォーター」と、唱えた。
すると、一雫の水が現れた。
一雫の水は、ダークハンドを撃ち破り、闇属性の魔法使いの眉間に穴を開けた。
そして、そのまま、頭から血を流しながら、地面に倒れた。
反逆者は、動揺しながら、「は、始まりの魔法だと?な、なぜ、そんな魔法を使うことが出来る魔導士が、逃げることしか出来なかった王女の味方に付いている?」
「さぁ、反逆者。お前の番だ」と言い、反逆者の方を向いた。
「ウォーターマシンガン」と、唱えた。
すると、私の周りに、多数の水の雫が浮かび上がった。
反逆者は、醜く命乞いを始めた。
私は、一切の感情が、動かなかった。
私は、醜い反逆者に、指差し、「醜い。頭を以外、全てに攻撃せよ」
多数の水の雫は、反逆者の体に吸い込まれた。
反逆者の頭以外は、ボロボロになっていた。
その後、反逆者を追っていた王家派の人間達が、やって来た。
私は、その者達にエスリス嬢とクリメ嬢を預けた。
クリメ嬢は、頭を下げ、「ありがとうございました、ニース様」
エスリス嬢も頭を下げ、「ありがとう、ニースさん」
私は、「いえ、気にしないでください。私が、したくてしたことですから」
その後、私は、その場を離れてから、シャドートラベリングを使って、古城に帰った。
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