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第三十四話 天使

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 闇の軍団を倒してから、1週間が経った。

 あれから、父上達は、忙しそうだった。

 色んな国の人達から、説明を求められていたからな。

 私が、1度、色んな国の人達の前で、説明したから、今は、収まっている。

 私達は、人類から、受け入れられた。

 元王子の私とヴァンパイアの元王女だったセレリアは、比較的早くに、受け入られた。

 だが、悪魔のリタと堕天使のサリラは、受け入れが、少し遅かった。

 だが、リタの気弱な性格と、サリラの身の覚えないが無い罪を着せられたことと、闇の軍団を倒した功績が、あったので、結局は、受け入れられた。

 今は、古城で、ゆったりと過ごしている。

 闇の軍団との戦いの時に作った影の魔物達に、仕事の振り分けをしていると、空から何かが近付いていると、空を警戒しているシャドーアーチャーから、報告が来た。

 ちなみに、最初の時よりもこの城の警護の数を増やしている。

 空から近付いてきている者には、真っ白な天使の輪っかと白い翼を持っているとも報告が来た。

 天使か。

 「手を出すなよ」と、指示を出した。

 その天使は、中庭に降り立った。

 私とサリラは、中庭に向かった。

 中庭には、セレリアにも引けを取らない美貌の持ち主の天使がいた。

 「天使長」と、サリラが、呟いた。

 「お久しぶりです、サリラ」と言い、天使長は、優しく微笑んだ。

 どうやら知り合いのようだ。

 それに、あの天使長は、見たことがあったな。

 確かに、闇の軍団との戦いの場に、いた筈だ。

 「取り敢えず、座って話しましょう」と言い、東屋の方を見た。

 サリラと天使長は、頷いて答えてくれた。

 私が、紅茶を3人分淹れ、それぞれの前に置いた。

 「今更、何をしに来たのよ?」と、サリラは、睨みながら、天使長に、聞いた。

 「まずは、謝らせて、サリラ。貴方を守りきれなくてごめなさい」と答え、天使長は、頭を下げた。

 どうやら、知り合いのようだ。

 サリラは、「ロザリオ。私は、貴方には、怒ってないわ。怒っていたのは、私が、大した証拠が無いのに、罪を犯したと決めつけた他の天使達よ。まぁ、今は、それも感謝しているわ」

 ロザリオは、顔を上げた。

 「感謝?どういう事?」ロザリオ嬢は、驚いた表情を浮かべながら、サリラに、聞いた。

 「そう、感謝よ。堕天使になったお陰で、素敵な恋人と、素敵な友人が出来たの」と答え、サリラは、私の方を向いて、微笑んだ。

 「恋人」と呟き、ロザリオ嬢も私の方を見て来た。

 「ええ、そうよ。ニースが、私の恋人よ。そして、セレリアもリタもニースの恋人よ」と言い、リタは、隣に座っている私の腕に抱きついた。

 「そうなのね、サリラ。貴方が、幸せそうで良かったわ」と言い、ロザリオ嬢は、優しく微笑んだ。

 その後は、サリラのことを聞いたり、サリラとどう過ごしているかなどを聞かれた。

 話し込んでいると、夕方になっていた。

 「話し込んでいたら、もう夕方だわ。楽しかったわ、サリラ。私は、そろそろ天界に帰るわ」と言い、ロザリオ嬢は、立ち上がった。

 「待って、ロザリオ。最後に1つだけ。私の罪を捏造した天使は、どうなったの?」と、サリラが、ロザリオ嬢に、聞いた。

 「裁判にかけられて、天界の追放を決まったわ。ちなみに、こことは、違う大陸に」と、ロザリオ嬢が、答えた。

 「そう、それなら、良かったわ。ロザリオ、私達の結婚式には、絶対に来てね」と言い、サリラは、微笑んだ。

 「ええ、もちろんよ。それまで元気でね、サリラ」と言い、ロザリオ嬢は、微笑み、白い翼を広げた。

 「ええ、ロザリオも」と言い、サリラも微笑んだ。

 そのまま、ロザリオ嬢は、天界に向かって、飛んで行った。

 

 
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