第1王子だった私は、弟に殺され、アンデットになってしまった

竹桜

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第二十七話 海に

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 元弟が、脱走してから、1週間が経った。

 今、私達は、海に来ている。

 海に来たのは、セレリアとリタに、海を見せるためだ。

 この世界では、海に入る専用の服が無い。

 なので、海を見て回ったり、足だけ浸かったりするのが普通だ。

 セレリアは、膝ぐらいまで丈がある真っ白なワンピースを着ていた。

 リタは、ふくらはぎぐらいまで丈がある真っ白なワンピースを着ていた。

 後ろには、リボンがついていた。

 サリラは、真っ白なキャミソールと呼ばれているワンピースを着ていた。

 そして、サリラは、真っ白な帽子を被っていた。

 セレリアとリタは、初めて見る海に、目をキラキラさせていた。

 私とサリラは、そんな2人を見て、和んでいた。

 「本当に海を見たことが無いのね」と、サリラが、呟いた。

 私は、「セレリアは、国から出ることが出来なかったからな。そして、リタは、魔界に住んでいたからな」

 サリラは、納得したような表情を浮かべ、「確かに、それなら、海を見たことが無いのも納得ね」

 サリラと話していると、セレリアとリタは、結構海に近づいていた。

 セレリアとリタは、恐る恐る海の水に触った。

 海の水に触れたセレリアは、驚いた表情を浮かべていた。

 海の水に触れたリタは、「ひゃあっ」と、可愛らしい悲鳴を上げて、後ろに下がってしまった。

 「冷たい」と、セレリアは、驚いた表情のまま呟いていた。

 「つ、冷たくてびっくりしました」と言い、リタは、本当に驚いていた。

 セレリアは、海の水を掬い、それを飲んでしまった。

 「し、しょっぱい」と言い、セレリアは、舌を出していた。

 私は、水をセレリアに渡した。

 「ありがとう」と言い、セレリアは、私から、水を受け取った。

 水を受け取ったセレリアは、水を飲み、

 「ニースさん。こ、これは、何ですか?」と、リタが、少し怖がった声で、聞いてきた。

 リタの方を向いてみると、漂着していた木の棒で、透明な魔物の死体を突っついていた。

 私は、リタに近付いた。

 リタが、突っついていたのは、ポイズンジェリーフィッシュの死体だった。

 私は、「リタ、安心してくれ。これは、ポイズンジェリーフィッシュの死体だ」

 「ポイズンジェリーフィッシュ?」と、リタが、聞いてきた。

 「C級の魔物だよ。毒が強いだけで、そこまで強くないよ。それに、もう死んでるから大丈夫だよ」と、答えた。

 「そ、そうなんですね」と言い、リタは、木の棒で、突っつき続けた。

 リタの方から、視線を外し、セレリアの方を見た。

 セレリアは、少しスカートを上げ、海の中に入っていた。

 とても楽しそうな表情を浮かべていた。

 そんなセレリアの後ろから、サリラが、忍び寄っていた。

 そして、サリラは、セレリアに水を掛けた。

 水を掛けられたセレリアは、驚いた表情を浮かべていた。

 「油断し過ぎよ、セレリア」と言い、サリラは、笑顔を浮かべた。

 「やったね」と言い、セレリアは、サリラに、水を掛けた。

 それからは、セレリアとサリラは、水を掛け合っていた。

 そんな2人を見ていると、リタが、近づいてきた。

 リタが、微笑みながら、「楽しそうですね。セレリアさんとサリラさん」

 私は、リタの方を見て、「リタも参加してきたら」

 「私は、いいです。見ているだけで、楽しいですから」と言い、リタは、嬉しそうに微笑んだ。

 1時間ぐらい水を掛け合ってから、セレリアとサリラが、私達の方にやってきた。

 合流してからは、シートを引き、海を見ながら、昼食を食べた。

 昼食後は、海を楽しんだ。
 
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