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第十七話 警戒

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 古城からは、そこまで離れていなかったので、15分ぐらいで到着した。

 サリラを連れて、中庭の東屋に向かった。

 東屋では、セレリアとリタが、お茶をしていた。

 そんなセレリアとリタは、私達に気が付き、驚きの表情を浮かべていた。

 私は、「サリラ、彼女達は、私の恋人達だ」

 「そうなのね。初めまして、私は、堕天使のサリラ。よろしく」と言い、サリラは、頭を下げた。

 「私は、ヴァンパイアのセレリア。よろしく」と言い、セレリアは、頭を下げた。

 「わ、私は、悪魔のリタです。よ、よろしくお願いします」と言い、リタは、少し深く頭を下げた。

 「ヴァンパイアに悪魔。うん?悪魔?何でこんなところに悪魔がいるの」と言い、サリラは、リタを睨んだ。

 サリラは、明らかに、悪魔のリタのことを警戒していた。

 「ヒイィ」と言い、リタは、セレリアの後ろに隠れた。

 そんなリタを見て、サリラは、困惑の表情を浮かべていた。

 「あ、貴方、本当に悪魔なの?」と、サリラは、まだ少し困惑しながら、リタに、聞いた。

 リタは、セレリアの後ろから、少しだけ顔を出した。

 「は、はい。リ、リタは、悪魔です。で、でも、悪いことしてないです」と、リタは、答えた。

 「証拠を見せてもらえる?」と、サリラは、リタに、聞いた。

 「は、はい」と答え、リタは、幻術の魔法具を取り外した。

 すると、リタの角と羽と尻尾が、現れた。

 それを見たサリラは、驚きの表情を浮かべていた。

 私は、サリラの方を向き、「サリラ。リタは、この気弱な性格のせいで、魔界を追い出されているんだ。だから、リタは、普通の悪魔とは違う」

 「え、ええ、確かにそうね。こんな気弱な性格なら、残忍な悪魔とは、違うわね」と言い、サリラは、納得の表情を浮かべた。

 それから、全員が、ここに来るまでの話をした。

 その時に、リタは、私の隣に座り、サリラから、距離を取っていた。

 サリラに、睨まれたから仕方ないな。

 後は、天使が、苦手なのだろう。

 天使と悪魔は、相反する存在だからな。

 私、セレリア、リタの順番で、この古城に来るまでのことを話した。

 サリラの番になった。

 サリラは、ぬるくなった紅茶を一口飲み、話し始めた。

 サリラは、天使の中でも優秀だったらしく、周りから期待されていたらしい。

 ある時に、身に覚えがない罪で、断罪され、この森に落とされたみたいだ。

 堕天使となった森を彷徨っていると、魔物を狩っていたシャドーソルジャーと遭遇し、戦闘になった。

 そして、最後に、サリラは、ライバル的な存在だった天使が、自分を追放する時に、醜く笑っていたと話した。

 最後の話が、本当なら、その天使が、罪を捏造し、サリラに、負わせたのだろう。

 取り敢えず、サリラは、行く宛が無いのだろう。

 かと言って、街に行ったら、聖職者達に、殺される運命が、待ち受けている。

 だから、話が通じる私についてきたのだろう。

 「私の話は、これで終わりだわ。色々と迷惑を掛けるかもしれないけど。改めて、よろしく」と言い、サリラは、頭を下げた。
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