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第十三話 幻術の魔法具
しおりを挟むその後、私は、シャドートラベリングを使って、古城に戻った。
セレリアは、リタを最初に見たときは、警戒を露わにしていた。
まぁ、悪魔だから仕方ない。
リアの事情と、リタと話して、気弱な性格を知り、セレリアは、リタのことを受け入れた。
いや、受け入れたというよりは、守らなくては、いけないと思ったみたいだ。
セレリアは、リタを抱きしめていた。
悪魔という種族は、珍しい。
悪魔の殆どが、魔界に住んでいるからだ。
もし、悪意がある人間達に見つかったら、人身売買されるか、実験台にされるだろう。
そこまで、珍しいのだ。
悪魔は。
まぁ、それは、セレリアも同じだろう。
セレリアの見た目は、殆ど人間と変わらないが、ヴァンパイアだとバレたら、狙われるだろう。
もう、この世界には、ヴァンパイアは、もうセレリアしかいないからな。
取り敢えず、今は、リタに、悪魔の角や羽や尻尾をどうにかしなければいけない。
今、リタは、セレリアに抱きつかれていた。
リタは、最初に、セレリアから、睨まれていたので、震えていた。
抱きついているのは、庇護欲を掻き立てられたのと、安心させるために。
リタは、困惑した表情を浮かべていた。
まぁ、リタからしたら、睨まれた相手から、抱きつかれているからな。
「リタ。その尻尾とかは、隠せないのか?」と、聞いた。
「この尻尾をですか?隠すことは、出来ませんよ」と、リタは、答えてくれた。
「もし、この尻尾とかを隠せなかったら、何か起こるんですか?」と、リタが、自分の尻尾の先を触りながら、聞いてきた。
私は、実験台か人身売買にされると、答えようとしたが、リタが、怖がると思って、言葉を飲み込んだ。
「色々と不都合なことが起きてしまう。だから、隠しておいた方がいい」と、答えた。
リタは、「そうなんですか。何かいい方法が、あれば良いんですけど」
リタに抱きついていたセレリアは、私の方を向き、「なら、幻術の魔法具を使えば良いんじゃない」
幻術の魔法具か。
変装に使うことが出来る魔法具だ。
その魔法具を使えば、リタの尻尾とかも隠せるだろう。
「確かに、そうだな」と言い、納得な表情を浮かべた。
「じゃあ、私は、早速買ってくるよ。セレリアは、リタと一緒にいてくれ」と言い、シャドートラベリングを使った。
街に行き、幻術の魔法具を購入さ、街を出て、シャドートラベリングを使って、古城に戻った。
古城に戻ると、リタは、セレリアとお茶をしていた。
どうやら、仲良くなったようだ。
良かった。
私は、優しい表情を浮かべ、2人に近付いた。
「リタ、これを付けてみてくれ」と言い、幻術の魔法具を渡した。
「あ、はい」と言い、リタは、幻術の魔法具を受け取ってくれた。
そして、リタは、幻術の魔法具を付けてくれた。
すると、リタの角が、翼が、尻尾が消え、普通の人間と変わらない姿に変わった。
「何も問題ないか?」と、聞いた。
「あ、はい。少し違和感は、ありますが、特に問題は、ありません」と、リタが、答えてくれた。
「良かったね、リタ」と言い、セレリアは、リタに微笑んだ。
「はい、セレリアさん」と言い、リタは、セレリアに微笑んだ。
本当に仲良くなったんだな。
リタは、私の方を向いた。
「ありがとうございました、ニースさん」と言い、リタは、笑顔を浮かべた。
その笑顔に、私は、セレリアという恋人がいるのに、見惚れてしまった。
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