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第五話 進化

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 私に向かって、ブラックドラゴンが、爪で攻撃してきた。

 それを紙一重で回避し、剣で、反撃した。

 ブラックドラゴンの手に擦り傷を作った。

 ブラックドラゴンは、その巨体のいかして、私を踏みつぶそうとした。

 私は、最初に、尻尾を回避した方法と同じ方法で、回避した。

 私は、剣を構えた。

 ブラックドラゴンは、咆哮を上げていた。

 ブラックドラゴンの手につけた擦り傷は、再生し、もう消えていた。

 ここまでは、埒があかない。

 ブラックドラゴンの攻撃は、避け続けているが、私の攻撃は、ほぼ無意味だ。

 私の攻撃は、当てることは、出来ているが、殆どかすり傷で、直ぐに、再生されてしまう。

 この方法しかないか。

 私は、剣をしまった。

 ブラックドラゴンの方に、手を向けて、目を閉じた。

 私は、集中した。

 今なら、分かる。

 私は、目を開けた。

 ブラックドラゴンの口からは、黒い光が、漏れていた。

 ブレスで攻撃しようとしていた。

 ブラックドラゴンは、黒い炎をブレスした。

 私の目の前には、黒い炎が、迫っている。

 これで、決める。

 「ウォーター」と、唱えた。

 一雫の水が現れた。

 一雫の水は、ブラックドラゴンの方に向かって、飛んだ。

 一雫の水は、黒い炎を突き抜けた。

 黒い炎は、突き抜けられ、消えた。

 一雫の水は、ブラックドラゴンの体を貫通した。

 傷は、小さかったが、治ることは、無かった。

 これが、水魔法の始まりか。

 魔法には、始まりと呼ばれる魔法がある。

 始まりを使えるのは、賢者と呼ばれる者だけだ。

 私は、ブラックナイトだから、使えたのだ。

 私は、魔法の天才と言われ、始まりの魔法以外は、使うことが出来た。

 だが、アンデッド、いや、ブラックナイトになった私は、素の能力が、強化されたのだ。

 そして、あの戦いの日々が、私を成長させ、水魔法の扱いも成長させたのだ。

 だから、水魔法の始まり、ウォーターを使うことができた。

 後は、トドメだ。

私は、剣を抜いて、ブラックドラゴンに、トドメを刺すために、近付いた。

 ブラックドラゴンは、私を近づけないために、無差別に攻撃を始めた。

 地面が、床が、ブラックドラゴンの攻撃で、粉砕された。

 私は、その攻撃を掻い潜り、ブラックドラゴンの懐に潜り込んだ。

 私は、剣を強く握り、左下から、右上に、切り上げた。

 ドラゴンは、深く傷をつけた。

 ドラゴンは、咆哮を上げ、龍核を残し、消えた。

 ハァ、ハァ、倒した。

 倒したぞ。

 これで、私は。

 あれ?

 視界が、薄れて。

 私は、地面に倒れ込んでしまった。

 私が、次に目が覚めると、周りの風景は、変わってなかった。

 私は、自分の体を確認してみた。

 私の鎧は、黒い鎧では無く、漆黒の鎧に変わっていた。

 どういうことだ?

 私は、自分の体をよく確認してみた。

 私の腰には、1本の刀身が黒い剣では無く、漆黒の大剣が2本携えていた。

 そして、兜も変わっていた。

 私の全てが、変わっていた。
 
 これは、進化か。

 魔物は、進化するものと聞いていたが、今進化するとは。

 まぁ、ブラックドラゴンを倒した影響だろう。

 試しに、兜を取ってみるか。

 すると、兜が取れた。

 私は、驚きを隠せなかった。

 ブラックナイトの時は、外せなかったのに。

 鎧も外すことができた。

 これなら、街に行くことも出来る。

 良かった。

 装備を外せるようになって。

 でも、ダンジョンボスのブラックドラゴンを倒したのに、外に出れないんだ?

 取り敢えず、この辺を見て回ってみるか。

 見て回っていると、入り口の扉とは、違う扉を見つけた。

 私は、それ以外に道が無かったので、その扉を開け、入った。
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