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第十一話 異世界のメイド

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 まずは、宝石などが、オークションにかけられた。

 希少な宝石が、出品されていた。

 次は、美術品が、オークションにかけられた。

 驚いたことに、少し前に窃盗団に盗まれた絵画が、出品されていた。

 しかも、それなりに価格で、落札されていた。

 人身売買も行なっているのかよ。

 「皆様。今回から、これがついてきます」と言い、司会が、何かの首輪を取り出した。

 俺は、それを見て、驚きのあまり、固まってしまった。

 あ、あの首輪は、奴隷首輪だ。

 何故、あれが、ここにあるんだ。

 もしかして、元クラスメイトが、裏の組織の中にいるのか?

 もし、それなら、スキル錬金術を持っているあいつだろう。

 色々と考えているうちに、最後の商品の紹介になってしまった。

 司会は、少し興奮したような様子で、「次が、最後の商品で御座います。そして、今回の目玉商品で御座います」

 その言葉と共に、ステージに出てきた。

 少し汚れたメイド服を着た女性が。

 メイド服を着た女性の髪は、薄紫色で、瞳は、紫色だった。

 明らかに、この世界の人間では無かった。

 な、何故ここにいるんだ彼女が?

 き、帰還者のせいか。

 あいつか。

 司会は、少し興奮した様子で、「皆様ご存知だと思いますが、帰還者という者達が、行っていた異世界が御座います。このメイドは、その世界の者です。つまり、異世界人です。しかも、このメイドは、あちらの世界の第1王女の専属従女」

 ご存知だと?

 知っていたのか?

 ま、待って、今は、そこではない。

 今は、すべき事をするべきだ。

 既に、多くの人間が、落札しようと手を挙げて、金額を提示していた。

 俺も手を挙げ、今提示されたいる倍の額を提示した。

 それで、殆どの者が、諦めたが、1人が、俺に対抗して、更に倍の値段を提示させた。

 俺も対抗して、倍の値段を提示した。

 手を挙げながら横目で、チラリと見てみたら、変態親父だった。

 なんとしても競り落とさなければ。

 それからは、俺と変態親父との戦いだった。

 途中で、倍ではなく、少しだけ増やした値段を提示してきたので、俺は、その倍の額を提示してやった。

 これが、俺の限界だ。

 これ以上は、難しい。

 流石に、高額だったのか変態親父は、諦めた。

 「そちらのお客様。落札で御座います」と、司会が、俺のことを指してきた。

 良かった。

 彼女を競り落とせて。

 彼女の名前は、ソニア。

 そして、異世界で俺のことをバカにせず、庇ってくれた人物だ。

 「コージ。今は、100万ドルしか手持ちがない。残りは、後でいいか?」と、聞いた。

 「モチロン。ガクガガクダ。ヒャクマンドルハ、マエキントシテウケタル」と、コージが、答えてきた。

 俺は、「そうか。それと、彼女に偽の戸籍を作ってくれ金も追加で払う」

 コージは、「カネハ、ヒツヨウナイ。タカイネダンデ、オトシテクレタカラ。サービス」

 「助かる、コージ」と言い、コージに、軽く頭を下げた。

 その後、オークションは終わり、彼女を引き取るために、オークション会場を後にした。
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