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第七話 人でなし
しおりを挟む下に高校があり、そこにまだ人がいることを伝えると自衛隊は救助するために動き始めた。
ちなみに、私の力については伝えている。
疑われたが、それ以外説明もつかないし、実際に見せた。
最終的には信じられたのだ。
救助は自衛隊に任せ、私は避難者、いや、臆病者達を迎え入れる準備を始める。
タッチパネルを操作し、合いそうな建物を探していると良いものを見つけた。
そして、それをタッチした。
すると、全ての過程を飛ばし、大きな建物が建築されたのだ。
建築された建物がは大きな学生寮だ。
食堂もあり、大浴場もある。
これで充分だろう。
誰かを犠牲にし、あの安全な場所から動かなかった者達には。
さて、ポイントはまだ余裕がある。
なら、あれを作るべきだ。
だが、その前に。
「有咲。家に戻ってくれ」
「はい、先輩」
そう答え、有咲は古民家に戻ったのだ。
「貴方方もだ。これから壁を建ててから、来る者達の対応をする」
避難者達は頷いて答え、各々の家に戻ったのだ。
それを確認した私はタッチパネルを操作し、あるものを選択した。
すると、全ての過程を飛ばし、壁が現れたのだ。
臆病者達と私達を隔てる壁を。
壁は高いだけだが、私の信頼が表れている。
信頼が低いということが。
そんなことを思いながら、私は壁を触ってみた。
うん。
普通に破壊することは出来ない。
よし、これでいい。
だが、全てを見て回るか。
そう思い、全てを確認したが、特に問題は無かった。
私は学生寮の前に立っていると足音が聞こえてきた。
来たか。
そんなことを思っていると自衛隊に護衛されながら、やってきたのだ。
臆病者達が。
冷たい視線を向けていると見つけてしまった。
ここまで命懸けで護衛してくれた自衛隊隊員達に文句を言い続けている者達を。
本当に人でなしだな。
心底軽蔑する。
私の視線は冷たいものではなく、ゴミを見るような視線を向けている。
「いい加減、黙ってくれないか?人でなし共」
その言葉に反応し、否定してくる。
思わず、私は笑ってしまった。
「人でなしじゃない?随分面白いことを言うな。あ、いや、後輩のことを追放しておいて。教師なら、守るべき生徒じゃないのか?」
私の言葉に黙ってしまった。
「教師じゃない者達も人でなしであり、臆病者だぞ。それは変わらない事実だ」
興味が無くなり、私は自衛隊隊員達の方を向いた。
「自衛隊の方々はあちらの場所を使って下さい。必要な物があれば、私に伝えて下さい。出来るだけ、準備致します」
「感謝します」
「感謝を申し上げるのはこちらです。このような者達の為にここまで命懸けで護衛してくれたことを」
その言葉に自衛隊隊員が私だけに分かるように苦笑いを浮かべていた。
その後、必要なものを伝えられたのだ。
うん。
ポイントも大丈夫だ。
「直ぐに準備しますね」
「感謝します。それでは、私達は防衛に戻ります」
そう言い終えると自衛隊隊員は防衛に戻ったのだ。
さて、タッチパネルに向かうか。
あ、一応。
顔だけを人でなし達に向けたのだ。
「そこにある寮は好きに使ってくれ。もし、要望があるなら、要望箱に入れてくれ。採用するかは私次第だが」
そう言い残し、私はこの場を後にしたのだ。
直ぐにタッチパネルまで移動し、要請された施設を建てた。
自衛隊の駐屯地に。
兵舎等を。
ポイントの確認をしたが、何とか耐えきれた。
人が増えたから、ポイントが溜まるのも早いだろう。
さて、確認も終わった。
有咲のところに向かうか。
そう思い、私は古民家に戻ったのだ。
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