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第三話 出会い

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 遂に、この時が来た。

 クロエに会う日が。

 俺は、このゲームが、好きだったから、公式ファンブックを読み込んでいた。

 公式ファンブックには、ゲーム開始前の出来事が、書かれていた。

 クロエは、10歳の頃に、住んでいた場所から、森に追放された。

 追放されてからもクロエは、黒い翼を持っているという理由で、迫害された。

 そして、元々住んでいた場所でも、迫害されていた。

 クロエは、そこで悟ったのだ。

 自身は、世界に愛されていないと。

 クロエは、全てを呪った。

 呪った結果、魔王になった。

 魔王になったのが、主人公が、11歳の時だ。

 そして、今日が、クロエが、森に追放された日なのだ。

 公式ファンブックには、追放された時間、追放された森の場所、日付、時間が、書かれていた。

 僕は、魔法袋から、漆黒の刀を取り出し、帯刀した。

 そして、魔法袋を持ち、真夜中に、家を出た。

 もう、俺は、この家には、戻ってこない。

 俺には、クロエだけが、居ればそれで良いからな。

 魔法袋から、転移石を出し、クロエが追放された森に向かった。

 次に、気がつくと、森の中にいた。

 さて、クロエを探すか。

 森の中を歩いていると、音が聞こえた。

 森を歩く音が。

 足音的に、少女だな。

 俺は、その方に向かった。

 その方を向かうと、見つけた。

 ゲームよりも若い、クロエを。

 ゲームと同じように、黒い髪を腰まで伸ばし、黒い瞳をしていて、背中からは、黒い翼が、生えていた。

 よく見てみると、クロエが着ている黒いドレスは、所々、汚れていた。

 このドレスは、見たことがある。

 確か、ゲーム内で、クロエが、大切な品とか言っていたやつか。

 俺を見たクロエは、怯えていた。

 まぁ、怯えるような。

 今のクロエは、追放されたばかりだからな。

 俺は、クロエを安心させるように、微笑んで、「安心してくれ。俺は、偶々、ここを通った旅人だ」

 「そ、そうなんだ。私は、クロエ。貴方は?」と、クロエは、可愛らしい声で、聞いてきた。

 「俺は、リク・バレリクという」と、答えた。

 それを聞いたクロエは、何かを言う前に、大人の声が、聞こえてきた。

 聞こえてきた大人の声の中には、忌子という言葉が聞こえた。

 その言葉に、クロエは、体を震わせた。

 どうやら、恐怖を感じているようだ。

 クロエの追っ手か。

 今は、ここを離れるのが、得策か。

 「すまん、クロエ」と言い、クロエをお姫様抱っこした。

 クロエは、突然のことに、驚いていた。

 僕は、クロエをお姫様抱っこしたながら、この場を離れた。

 20分ぐらいすると、洞窟を発見した。

 俺は、そこで、止まった。

 洞窟の中に入り、クロエを下ろした。

 
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