33 / 77
第三十三話 叔父上の養子に
しおりを挟むマリナが屋敷に来てから1ヶ月が経った。
マリナにはメズイタチのぬいぐるみと最高の品質の化粧品と予備用として作っていた魔法具をマリナに似合うように加工して渡している。
突然だが、私は最近困っていることがある。
それはマリナがあまり私と離れようとしないことだ。
お風呂や食事の時以外大体私の隣にいる。
しかも、それに対抗してアメリアも私の隣にいるようになってしまった。
だから、ここ最近は私の隣にはアメリアとマリナがいる。
そして、今日も私の隣にはアメリアとマリナがいた。
だが、昼ぐらいから用事があったので、アメリアとマリナから離れたのだ。
用事を済ますと夕方ぐらいになってしまった。
私は寄り道をせずに屋敷に帰ったのだ。
私が屋敷に帰ると叔父上の馬車が止まっていた。
私が帰ったことに使用人が気づくと私を応接室に案内し出来たのだ。
応接室に通されると父上と母上とアメリアとマリナと叔父上がいた。
「えっと、どうしたのですか?」と
私の問いに父上が答えてくれた。
父上の答えを纏めると叔父上はマリナのことを養子に迎えたいらしい。
叔父上は父上の弟で伯爵家の当主である。
そして、結婚していて、息子が2人いるが娘がいない。
義叔母上は娘が昔から欲しかったらしいが生まれることが無かった。
そのため、マリナのことを養子に迎えたいらしい。
私はその話を聞き、迷ってしまった。
確かに、最近のマリナは私に依存している節がある。
これを機に私離れをすることが出来るからもしれない。
一方で私はマリナのことを救った責任を持っている。
だから、最後まで私が面倒を見る義務があるのだ。
「マリナはどうしたいと思っているの?」
「私はレイグお兄様と離れたく無いと思っています。でも、私はレイグお兄様に頼っている節があります。ですから、この話を受けようと思います」
「そうか、マリナが決めたことだ。私は反対しない。どうか頼むぞ」
そう言い、父上は叔父上に頭を下げたのだ。
「私からもマリナのことをよろしくお願いします」
そう言い、私も叔父上に頭を下げた。
「頭を上げてくれ、お兄上、レイグ。私はマリナに何一つ不自由にさせないことをここに約束する」
当事者同士が納得した為、マリナの養子の件は直ぐに進んだ。
マリナに渡した物は全て持って行ってもらう事にした。
そして、今日、マリナは叔父上の屋敷に行く日になったのだ。
私と父上と母上とアメリアはマリナにお別れを言っていた。
「レイグお兄様、これからもレイグお兄様のことをお兄様と呼んでも良いですか?」
「もちろん、良いよ」
「ありがとうございます、レイグお兄様。偶に私の所まで来て遊ぶに来て下さいね」
「ああ、絶対に遊ぶに行くよ」
その後は父上、母上、アメリア、私の順番でマリナとハグをした。
ハグを終えたマリナは馬車に乗り込んだ。
マリナが乗り込むと馬車が叔父上の屋敷に向けて、進み始めた。
マリナは馬車から私達の方に手を振ってくれたのだ。
私達は馬車が見えなくなるまで手を振り続けた。
1
お気に入りに追加
381
あなたにおすすめの小説
狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
追放された幼女(ロリ)賢者は、青年と静かに暮らしたいのに
怪ジーン
ファンタジー
魔王倒すべく結成された勇者パーティーを、ワガママという理由から追放された幼女。冒険者ギルドのパーティーが国から公式に認定されるSランクになった途端に追い出された青年。
二人が出会う時、パーティーを見返す為に魔王を倒しに──出かけない。
「魔王? それより、お菓子はまだか!」
「今用意してますからお皿を並べておいてください」
二人は異世界スローライフを目指す!
毎日0時、投稿予定。
「ついロリ」をよろしくお願いします。
完結しました。第二部、4/15スタート予定
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢は逃げることにした
葉柚
恋愛
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢のレイチェルは幸せいっぱいに暮らしていました。
でも、妊娠を切っ掛けに前世の記憶がよみがえり、悪役令嬢だということに気づいたレイチェルは皇太子の前から逃げ出すことにしました。
本編完結済みです。時々番外編を追加します。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
その幼女、最強にして最恐なり~転生したら幼女な俺は異世界で生きてく~
たま(恥晒)
ファンタジー
※作者都合により打ち切りとさせて頂きました。新作12/1より!!
猫刄 紅羽
年齢:18
性別:男
身長:146cm
容姿:幼女
声変わり:まだ
利き手:左
死因:神のミス
神のミス(うっかり)で死んだ紅羽は、チートを携えてファンタジー世界に転生する事に。
しかしながら、またもや今度は違う神のミス(ミス?)で転生後は正真正銘の幼女(超絶可愛い ※見た目はほぼ変わってない)になる。
更に転生した世界は1度国々が発展し過ぎて滅んだ世界で!?
そんな世界で紅羽はどう過ごして行くのか...
的な感じです。
『特別』を願った僕の転生先は放置された第7皇子!?
mio
ファンタジー
特別になることを望む『平凡』な大学生・弥登陽斗はある日突然亡くなる。
神様に『特別』になりたい願いを叶えてやると言われ、生まれ変わった先は異世界の第7皇子!? しかも母親はなんだかさびれた離宮に追いやられているし、騎士団に入っている兄はなかなか会うことができない。それでも穏やかな日々。
そんな生活も母の死を境に変わっていく。なぜか絡んでくる異母兄弟をあしらいつつ、兄の元で剣に魔法に、いろいろと学んでいくことに。兄と兄の部下との新たな日常に、以前とはまた違った幸せを感じていた。
日常を壊し、強制的に終わらせたとある不幸が起こるまでは。
神様、一つ言わせてください。僕が言っていた特別はこういうことではないと思うんですけど!?
他サイトでも投稿しております。
いつもの電車を降りたら異世界でした 身ぐるみはがされたので【異世界商店】で何とか生きていきます
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
電車をおりたら普通はホームでしょ、だけど僕はいつもの電車を降りたら異世界に来ていました
第一村人は僕に不親切で持っているものを全部奪われちゃった
服も全部奪われて路地で暮らすしかなくなってしまったけど、親切な人もいて何とか生きていけるようです
レベルのある世界で優遇されたスキルがあることに気づいた僕は何とか生きていきます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる