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完結後おまけコンテンツ
◆イメージイラスト&ミニ後日談(※少し大人向け)
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昔のように、風呂上がりにリリアンの髪を乾かす。
昔の、アッシュと同じ、黒くて長い髪。でも今の彼女の髪からは黒い狼の耳が覗いている。髪を乾かす為の温風が当たるたびに、その耳がぴくりと動く。
可愛い。
アッシュとは違った魅力が、リリアンにはある。
でも洗い髪から上がってくる匂いはあの時のままで、また胸がドキリとした。
今、この家には俺と彼女と二人きりだ。
先日、彼女から告白された。
そして彼女と俺は番になるのだと。
好き合った相手と夜に同じ部屋にいて、彼女からは風呂上がりの良い匂いがしていて、二人の傍らにはベッドがあって……
この状況で、何かを気にしねえ男はいないだろう。
やけに緊張して喉が渇く。彼女に聞こえないように、そっと唾を呑み込んだ。
「よっし、終わったぜ」
「シアさん、ありがとうございます」
確認するように、髪に手をやる彼女。でもこちらを振りむこうとはしない。
彼女も緊張している。でも俺とは違う緊張なのかもしれない。
……いや、そうだよな。
「じゃあ、俺も風呂に入ってくるわ」
そう言い訳をして、そそくさと彼女の部屋を後にした。彼女の顔を見ないようにして。
* * *
アニーは俺の好みをよく知っていて、俺が風呂に入る前には湯を足して温度も高めにしておいてくれる。
その熱い湯船に首まで浸かると、ふぅーーと長めに息を吐き出した。
こんな風に毎晩彼女の部屋から逃げて、もう五日になる。
俺だって男だ。そういう欲望は人並みにある。
好きな女がいれば、その女と肌を合わせたくなるのは当然だろう。
でも、リリアンはアッシュなんだ……
俺が……ひどい事をさせてしまった女性だ。
彼女は俺を助ける為、仲間を助ける為に、自分の身を男に抱かせた。
その事が彼女の心に、汚れた歪な楔の様に深く深く差し込まれていて、彼女は自分で自分を責め続けていた。
そしてリリアンとして生まれ変わった彼女は、その事を「思い出したくない記憶」として自ら封印した。
それほどに、彼女は傷ついていたのに…… いくら俺を好きだと思ってくれていても、男に抱かれることを彼女は望むだろうか。
俺が彼女を抱く事で、彼女をまた傷つけてしまうんじゃないだろうか。
彼女がどう思っているかがわからなくて、これ以上が踏み出せずにいた。
* * *
風呂から上がって、その足で台所に向かった。
コップを手にして氷を入れ、保冷庫に入っていた果実水を注ぎ、一気に飲み干す。
洗ったコップを片づけて、自分の部屋に向かおうと居間に入ると、そこにリリアンが立っていた。
「あ、ああ…… どうした? リリアンも喉が渇いたのか?」
風呂場でようやく気持ちを落ち着けてきたところだったのに、今彼女に近づいてしまったら、ヤバい。
「え…… う、うん……」
「俺はもう寝るわ。じゃあな、おやすみ」
そのまま彼女の横を通り抜け、階段の方に向かう。
と、シャツの後ろが何かに引っ掛かった。
「うん?」
咄嗟に振り向く。見ると、リリアンが俺のシャツの端を掴んでいた。
「あ、あのっ…… シアさん」
「な、なんだ??」
リリアンは何かを言いそうに口をぱくぱくとさせている。
一度俺から目を逸らせると、はーーっと息を吐いて、また俺を見た彼女の顔は真っ赤になっていた。
「い、一緒に……寝ません……か……?」
「……え?」
その言葉に、頭ん中でぐるぐるといやらしい妄想が駆け巡る。
一緒に寝るって…… 今一緒に寝たら、俺は我慢できないぞ? それをわかってるのか?
っていうか、そう言う意味なのか? いやまさか、彼女がそんな事を口にするわけは……
「わ、私…… シアさんと一緒に、寝たいです。シアさんは、私が相手じゃ、嫌ですか……?」
その言葉で、そういう意味だとわかった……
……情けねえ……
彼女を大事にしようとするあまりに、彼女の気持ちを確かめようともしないで逃げてばかりで、結局こうして彼女の方から誘わせて。
彼女はこうして、一生懸命俺に気持ちを伝えようとしてくれているじゃないか。
って言うか、もう無理だ。耐えられん。
そのまま彼女を居間のソファに押し倒した。
昔の、アッシュと同じ、黒くて長い髪。でも今の彼女の髪からは黒い狼の耳が覗いている。髪を乾かす為の温風が当たるたびに、その耳がぴくりと動く。
可愛い。
アッシュとは違った魅力が、リリアンにはある。
でも洗い髪から上がってくる匂いはあの時のままで、また胸がドキリとした。
今、この家には俺と彼女と二人きりだ。
先日、彼女から告白された。
そして彼女と俺は番になるのだと。
好き合った相手と夜に同じ部屋にいて、彼女からは風呂上がりの良い匂いがしていて、二人の傍らにはベッドがあって……
この状況で、何かを気にしねえ男はいないだろう。
やけに緊張して喉が渇く。彼女に聞こえないように、そっと唾を呑み込んだ。
「よっし、終わったぜ」
「シアさん、ありがとうございます」
確認するように、髪に手をやる彼女。でもこちらを振りむこうとはしない。
彼女も緊張している。でも俺とは違う緊張なのかもしれない。
……いや、そうだよな。
「じゃあ、俺も風呂に入ってくるわ」
そう言い訳をして、そそくさと彼女の部屋を後にした。彼女の顔を見ないようにして。
* * *
アニーは俺の好みをよく知っていて、俺が風呂に入る前には湯を足して温度も高めにしておいてくれる。
その熱い湯船に首まで浸かると、ふぅーーと長めに息を吐き出した。
こんな風に毎晩彼女の部屋から逃げて、もう五日になる。
俺だって男だ。そういう欲望は人並みにある。
好きな女がいれば、その女と肌を合わせたくなるのは当然だろう。
でも、リリアンはアッシュなんだ……
俺が……ひどい事をさせてしまった女性だ。
彼女は俺を助ける為、仲間を助ける為に、自分の身を男に抱かせた。
その事が彼女の心に、汚れた歪な楔の様に深く深く差し込まれていて、彼女は自分で自分を責め続けていた。
そしてリリアンとして生まれ変わった彼女は、その事を「思い出したくない記憶」として自ら封印した。
それほどに、彼女は傷ついていたのに…… いくら俺を好きだと思ってくれていても、男に抱かれることを彼女は望むだろうか。
俺が彼女を抱く事で、彼女をまた傷つけてしまうんじゃないだろうか。
彼女がどう思っているかがわからなくて、これ以上が踏み出せずにいた。
* * *
風呂から上がって、その足で台所に向かった。
コップを手にして氷を入れ、保冷庫に入っていた果実水を注ぎ、一気に飲み干す。
洗ったコップを片づけて、自分の部屋に向かおうと居間に入ると、そこにリリアンが立っていた。
「あ、ああ…… どうした? リリアンも喉が渇いたのか?」
風呂場でようやく気持ちを落ち着けてきたところだったのに、今彼女に近づいてしまったら、ヤバい。
「え…… う、うん……」
「俺はもう寝るわ。じゃあな、おやすみ」
そのまま彼女の横を通り抜け、階段の方に向かう。
と、シャツの後ろが何かに引っ掛かった。
「うん?」
咄嗟に振り向く。見ると、リリアンが俺のシャツの端を掴んでいた。
「あ、あのっ…… シアさん」
「な、なんだ??」
リリアンは何かを言いそうに口をぱくぱくとさせている。
一度俺から目を逸らせると、はーーっと息を吐いて、また俺を見た彼女の顔は真っ赤になっていた。
「い、一緒に……寝ません……か……?」
「……え?」
その言葉に、頭ん中でぐるぐるといやらしい妄想が駆け巡る。
一緒に寝るって…… 今一緒に寝たら、俺は我慢できないぞ? それをわかってるのか?
っていうか、そう言う意味なのか? いやまさか、彼女がそんな事を口にするわけは……
「わ、私…… シアさんと一緒に、寝たいです。シアさんは、私が相手じゃ、嫌ですか……?」
その言葉で、そういう意味だとわかった……
……情けねえ……
彼女を大事にしようとするあまりに、彼女の気持ちを確かめようともしないで逃げてばかりで、結局こうして彼女の方から誘わせて。
彼女はこうして、一生懸命俺に気持ちを伝えようとしてくれているじゃないか。
って言うか、もう無理だ。耐えられん。
そのまま彼女を居間のソファに押し倒した。
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