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王都を離れて
98 何処にいるの?(3)
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◆登場人物紹介(既出のみ)
・リリアン…主人公。前世の記憶を持つ、黒毛の狼獣人の少女。転生前は前・魔王討伐隊、『英雄』のアシュリー
・カイル…リリアンの兄で、灰狼族の若き族長。銀の髪と尾を持つ。ややシスコン
・タングス…現在リリアンたちが世話になっている、仙狐(3本の尾を持つ白毛の狐、九尾の未成体)の兄妹の兄
・シャーメ…仙狐兄妹の妹。二人とも今は20歳程度の人狐の姿で過ごしている。
・シアン…前・魔王討伐隊の一人。アシュリーとは討伐隊になる前からの付き合いがあり、ずっと彼女に想いを寄せていた。
・デニス…Sランクの実力を持つAランクの先輩冒険者。リリアンに好意を抱いている。
・ギヴリス…リリアンを転生させた神。『黒の森の王』と呼ばれる獣人たちの神
====================
『獣人の国』の東方の山奥に住まう九尾の一族が、灰狼族の集落に訪ねてくるなんて前代未聞だ。
今の僕は高位魔獣たちが、獣人たちの神「黒の森の王」――ギヴリスに直接仕える者たちだと言う事を知っている。
妹のリリアンはギヴリスとは知り合いのようだし、僕も成り行きで一緒にお茶をした事がある。それに仙狐たちと旅をした仲だとか、古龍に稽古をつけてもらっているとか、そんな事があってもあくまでも僕個人の話であって、灰狼族の問題ではない。
タングスは名前しか名乗らなかったし、人狐の姿に化けているので普通の獣人に見える。気になるとしたら、この辺りでは珍しい白毛の人狐だってくらいだ。
突然の来訪者に、集落の者は一度は警戒したそうだが、彼が武器も防具も持っていない全くの丸腰な姿だったので、すぐに僕に話を通してくれた。
四日に一度は会っているので、別に久しぶりって訳じゃない。でもわざわざ彼がここにまで来るという事は何か大事があったのだろう。
「タングス、リリに何かあったのか?」
そう尋ねると彼は、ここには来ていないんだねと、さっぱりとした表情で言った。
つまり、リリアンが居なくなったという事だ。
「僕も連れて行ってくれ」
タングスの雰囲気からすると、さほど心配するような長い時間ではないのだろう。でもわざわざここに来たのは、リリアンが僕を頼るだろうと思える事があったからだ。
古龍の爺様に送ってもらって仙狐の住処に着くと、なにやら少し騒がしい。
タングスと騒ぎの方へ行ってみると、ベッドの下から獣化した狼の姿のリリアンが出てきたところだった。
耳も尻尾も可哀想なくらいにショボくれている。
また妹は耐えている……
なんで…… なんで……
「リリアン、なんでまたそんなに我慢をしているの?」
咄嗟に口から出た。
リリアンは可哀想なくらいに弱っていた。
手を差し出すと、可愛い妹はそっと僕に身を預けた。
まだ獣化を解こうとしないリリアンと、皆も交えてしばらく話をしてみたけれど、全く埒が明かなかった。
皆……というか、タングス以外の3人が何を言っても、リリアンは首を横に振る。
でも首は項垂れたままだし、耳もこれ以上無いくらいに垂れている。
やっと聞き出したのは、
「私が我儘を言いたいだけなの……」
と、その一言だけだった。
それを聞いたシアンさんとデニスが、少し首を傾げたのが見えた。
「ちょっと疲れているだけだから、もう少し一人にさせて」
そう言うリリアンを残して、皆で部屋を出た。
居間のソファーを借りて、シアンさん、デニス、シャーメと向き合う。さっきのリリアンの様子からしても、やっぱりこの3人が理由なのだろう。
「……おおよそだが、どんな事があったかはわかった」
腕を組みながら言うと、横でタングスが首を傾げた。
「リリアン、わがままを言いたいって言ってたよね。遠慮しないで言えばいいのにね」
「わがままとか……ちょっと驚いたな。アッシュらしくねえ……」
「ああ。アシュリーさんのイメージからは、わがままなんて程遠いもんな……」
シアンさんとデニスが互いにぼそりと話したのが耳に入った。
「なあ…… 二人とも、なんでリリアンって呼ばないんだ?」
「へ? だって、アッシュはアッシュだろう? リリアンの前世は……」
「いや、それは知ってるよ。でも前世はそうかもしれないが、今はリリアンだろう?」
僕の言葉を聞くと、シアンさんは何かに思い当たったように口を結んだ。
「リリアンは『英雄』の生まれ変わりなんだろうけど、その前にたった15歳の女の子なんだよ」
デニスの方を向くと、彼は少し焦ったように弁解を口にする。
「そ、そりゃ、わかっちゃいるけどさ…… 知っちゃったら今までみたいには思えなくて…… それだけ俺にとって、アシュリーさんの存在も大きいんだ」
「前世の記憶があるだけの15歳の女の子だ。それにリリアンはデニスの後輩なんだろう?」
「……ああ…… そう……だよな……」
シアンさんとデニスさんは、苦い顔をして項垂れた。二人とも何か身に覚えがあるのだろう。
「シアンさんにも、リリアンは自分から前世の事を言ったのか?」
「……いや、違う…… ふとした事で…… 俺が気付いちまったんだ…… そうだ。本当は隠してたはずだ。だからそれまで、俺は気が付かなった」
「僕はリリアンが話してくれた事しか知らない。でも、リリアンが前世の話をする時には、いつも悲しそうにしていた。多分リリアンにとって前世の事は嬉しい事じゃないんだろうなって、そう思ってた」
多分、デニスに知られたのも同じような経緯なんだろう。
「本当はリリアンは、二人に前世の事を知られたくなかったんじゃないか?」
「やっぱり、私の所為だ~~~~」
それを聞いたシャーメが、今にも泣きそうな顔になった。
====================
(メモ)
神とお茶をした(#17)
通信の魔道具(#38)
知られた経緯(#69、#72、#96)
・リリアン…主人公。前世の記憶を持つ、黒毛の狼獣人の少女。転生前は前・魔王討伐隊、『英雄』のアシュリー
・カイル…リリアンの兄で、灰狼族の若き族長。銀の髪と尾を持つ。ややシスコン
・タングス…現在リリアンたちが世話になっている、仙狐(3本の尾を持つ白毛の狐、九尾の未成体)の兄妹の兄
・シャーメ…仙狐兄妹の妹。二人とも今は20歳程度の人狐の姿で過ごしている。
・シアン…前・魔王討伐隊の一人。アシュリーとは討伐隊になる前からの付き合いがあり、ずっと彼女に想いを寄せていた。
・デニス…Sランクの実力を持つAランクの先輩冒険者。リリアンに好意を抱いている。
・ギヴリス…リリアンを転生させた神。『黒の森の王』と呼ばれる獣人たちの神
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『獣人の国』の東方の山奥に住まう九尾の一族が、灰狼族の集落に訪ねてくるなんて前代未聞だ。
今の僕は高位魔獣たちが、獣人たちの神「黒の森の王」――ギヴリスに直接仕える者たちだと言う事を知っている。
妹のリリアンはギヴリスとは知り合いのようだし、僕も成り行きで一緒にお茶をした事がある。それに仙狐たちと旅をした仲だとか、古龍に稽古をつけてもらっているとか、そんな事があってもあくまでも僕個人の話であって、灰狼族の問題ではない。
タングスは名前しか名乗らなかったし、人狐の姿に化けているので普通の獣人に見える。気になるとしたら、この辺りでは珍しい白毛の人狐だってくらいだ。
突然の来訪者に、集落の者は一度は警戒したそうだが、彼が武器も防具も持っていない全くの丸腰な姿だったので、すぐに僕に話を通してくれた。
四日に一度は会っているので、別に久しぶりって訳じゃない。でもわざわざ彼がここにまで来るという事は何か大事があったのだろう。
「タングス、リリに何かあったのか?」
そう尋ねると彼は、ここには来ていないんだねと、さっぱりとした表情で言った。
つまり、リリアンが居なくなったという事だ。
「僕も連れて行ってくれ」
タングスの雰囲気からすると、さほど心配するような長い時間ではないのだろう。でもわざわざここに来たのは、リリアンが僕を頼るだろうと思える事があったからだ。
古龍の爺様に送ってもらって仙狐の住処に着くと、なにやら少し騒がしい。
タングスと騒ぎの方へ行ってみると、ベッドの下から獣化した狼の姿のリリアンが出てきたところだった。
耳も尻尾も可哀想なくらいにショボくれている。
また妹は耐えている……
なんで…… なんで……
「リリアン、なんでまたそんなに我慢をしているの?」
咄嗟に口から出た。
リリアンは可哀想なくらいに弱っていた。
手を差し出すと、可愛い妹はそっと僕に身を預けた。
まだ獣化を解こうとしないリリアンと、皆も交えてしばらく話をしてみたけれど、全く埒が明かなかった。
皆……というか、タングス以外の3人が何を言っても、リリアンは首を横に振る。
でも首は項垂れたままだし、耳もこれ以上無いくらいに垂れている。
やっと聞き出したのは、
「私が我儘を言いたいだけなの……」
と、その一言だけだった。
それを聞いたシアンさんとデニスが、少し首を傾げたのが見えた。
「ちょっと疲れているだけだから、もう少し一人にさせて」
そう言うリリアンを残して、皆で部屋を出た。
居間のソファーを借りて、シアンさん、デニス、シャーメと向き合う。さっきのリリアンの様子からしても、やっぱりこの3人が理由なのだろう。
「……おおよそだが、どんな事があったかはわかった」
腕を組みながら言うと、横でタングスが首を傾げた。
「リリアン、わがままを言いたいって言ってたよね。遠慮しないで言えばいいのにね」
「わがままとか……ちょっと驚いたな。アッシュらしくねえ……」
「ああ。アシュリーさんのイメージからは、わがままなんて程遠いもんな……」
シアンさんとデニスが互いにぼそりと話したのが耳に入った。
「なあ…… 二人とも、なんでリリアンって呼ばないんだ?」
「へ? だって、アッシュはアッシュだろう? リリアンの前世は……」
「いや、それは知ってるよ。でも前世はそうかもしれないが、今はリリアンだろう?」
僕の言葉を聞くと、シアンさんは何かに思い当たったように口を結んだ。
「リリアンは『英雄』の生まれ変わりなんだろうけど、その前にたった15歳の女の子なんだよ」
デニスの方を向くと、彼は少し焦ったように弁解を口にする。
「そ、そりゃ、わかっちゃいるけどさ…… 知っちゃったら今までみたいには思えなくて…… それだけ俺にとって、アシュリーさんの存在も大きいんだ」
「前世の記憶があるだけの15歳の女の子だ。それにリリアンはデニスの後輩なんだろう?」
「……ああ…… そう……だよな……」
シアンさんとデニスさんは、苦い顔をして項垂れた。二人とも何か身に覚えがあるのだろう。
「シアンさんにも、リリアンは自分から前世の事を言ったのか?」
「……いや、違う…… ふとした事で…… 俺が気付いちまったんだ…… そうだ。本当は隠してたはずだ。だからそれまで、俺は気が付かなった」
「僕はリリアンが話してくれた事しか知らない。でも、リリアンが前世の話をする時には、いつも悲しそうにしていた。多分リリアンにとって前世の事は嬉しい事じゃないんだろうなって、そう思ってた」
多分、デニスに知られたのも同じような経緯なんだろう。
「本当はリリアンは、二人に前世の事を知られたくなかったんじゃないか?」
「やっぱり、私の所為だ~~~~」
それを聞いたシャーメが、今にも泣きそうな顔になった。
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(メモ)
神とお茶をした(#17)
通信の魔道具(#38)
知られた経緯(#69、#72、#96)
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