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獣人の国
26 忙しい1日/アラン(1)
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◆登場人物紹介(既出のみ)
・アラン…ニールの「冒険者の先生」をしているBランク冒険者
・ニール…主人公リリアンの友人で、冒険者見習いとして活動している自称田舎貴族の少年
・デニス…王都シルディスの西の冒険者ギルドに所属するAランクの冒険者
・マイルズ…西の冒険者ギルドのマスター。頭部の装甲が若干薄い。
・リリアン…主人公。前世の記憶を持つ、黒毛の狼獣人の少女。王都を離れ故郷に帰省中。
====================
このところ少し忙しい。今朝も早くに起き、ニールを置いて家を出た。
まずはニールの『爺様』の所に定期報告に伺った。
この御方も最近は忙しくしているらしい。朝の早い時間しか空けられなかった事を詫びられた。
それでも愛息の忘れ形見でもある、可愛い孫の話は直接で聞きたいらしい。最近は自主的に色々と頑張っている事をお伝えすると、その銀の長い顎髭を撫でながら満足そうに微笑まれた。
後で孫宛てに差し入れを届けると言われたが、ニールを甘やかし過ぎないようにしてほしいとは、思うだけにしておいた。
まだ昼には早い時間だったので、そのまま騎士団本部へ向かった。
副団長を訪ねるとデスクで書類の山と奮闘していたが、自分の姿を認めると快く迎え入れてくれた。来客を言い訳にして、書類の山から逃れたつもりだったようだが、自分の出した書類の束を見るとイカつい髭面がさらに渋くなった。
この書類の内容も決して快いものではない。市井より騎士団への苦情を集めてきたのだ。いや、集めてきたというのは、正確ではない。集めさせられた。
このところ騎士団員による娼館内での横暴が目に余るらしい。しかし場所が場所なのでそうそう表沙汰にする事も、被害者から騎士団への嘆願もできない。とはいえ放っておく事もできない。騎士団としても裏で余計な噂が広まる事も避けたいだろう。
まったく……あの人はどこで自分の事を知ったのか…… 確かに過去に騎士団に居たというのは嘘ではない。ただし、やめたとも一度も言ってはいない。
あの日は娼館に連れて行かれ、延々と女性陣からの愚痴……いや、報告を聞かされた。良い思いなんて全くしていない。軽食と飲み物だけは美味いものを出してもらったがそのくらいだ。
皆から話を聞き、騎士団員に関する問題は自分が、冒険者たちや他の問題はデニスさんが、まとめて対応する事となった。
こうやってデニスさんは、定期的にここに来て皆の話を聞いているのだそうだ。そしてここで仕事をしている女性たちの何人かは、デニスさんと同じ孤児院の出なのだと、何番目かに話を聞いた女性が教えてくれた。
話が終わった頃にはすっかり日も変わっていたし、こんな夜中に家に帰るのも迷惑だろうと思ったので、デニスさんと同じように空き部屋で仮眠を取らせてもらう事にした。女性を部屋に入れても良いとも言われたが、そんな気分にもなれなかった。デニスさんもいつも一人で休んでいるそうだ。
早朝に帰ると、ニールが私の顔を見られずに何やら狼狽えていたが、敢えて説明などはせずに流す事にした。
騎士団本部を出ると、昼を少し回っていた。
午後に西の冒険者ギルドに行く予定があるので、『樫の木亭』に寄ってみようと思ったが、残念ながら今日のランチ営業は休みだった。
少し離れたところにあるパン屋でもランチ提供をしていたのを思い出したので、そこに向かう事にした。以前にこの店のサンドイッチを食べてから気にいって、何度かパンを買いに来ている。
店主のロディさんは自分と同じくらいの年頃で、元々は冒険者をしていたそうだ。私の事も覚えていてくれて、義足の足を引きずりながら、わざわざ自分でランチプレートを運んで来てくれた。
奥様がこっそりと「あの人、冒険者の方がいらっしゃるととても喜ぶんですよ。冒険者を引退した自分が、今でも皆さんのお役に立てるのが嬉しいみたい」と教えてくれた。
昼過ぎの冒険者ギルドは朝夕の喧騒を思うと大分静かだ。
クエストに出る冒険者たちは朝早くに集ってここを出立し、帰るのは夕方なので、今の時間が一番落ち着いている。自分がこの時間に呼ばれたのもそれが理由だろう。しかし肝心の『自分が呼ばれた理由』については全く心当たりがない。
壮年のギルドマスターは人の好さそうな笑顔で出迎えてくれた。どうやら何か失態をした訳でもなさそうで、内心ほっとした。
階上にある応接室に通され、カナリア嬢が出してくれたお茶に口をつける。
「ちょっとアランに頼みがあってな」
ギルマスのマイルズさんはそう切りだした。
「少し前だが、貴族と称する者から探し人の話が来た」
そう言うとマイルズさんは、2通の書簡を取り出した。
「こちらが十日程前に来たもの。こちらは昨日届いた」
「……読んでも?」
マイルズさんが黙って頷いたのを確認して、書簡を手に取った。
どちらもほぼ似たような内容だが、1通目は広い対象に向けており、2通目の方はこの西の冒険者ギルドを名指している。読む限りでは、どちらの書簡もリリアンさんの所在を尋ねているように思える。
「1通目が来たときに、居ないと返事をしておいたんだがな……」
「リリアンさんに何か問題でもあったのでしょうか?」
「いや、そういった事であれば、騎士団なり自警団なりしかるべき所から連絡がくるだろう。念の為照会もしてみたが、そういう理由ではないようだ」
そこまで話すと、マイルズさんは顎に手をあてて考え込むような風を見せた。
「まぁ、貴族の坊っちゃんだかが、町中で見かけた女性を気に入って探している時にこんな照会が来る事もある。しかし今回は対象が獣人だ。種族絡みの特殊なスキルを入手したい貴族様から、こういった照会が来るというのもたまにある事だ。ただどちらも大抵は良い結果にはならない」
先日『樫の木亭』で獅子獣人のラーシュさんから聞いた話を思い出した。
「この手紙の主がどんな切っ掛けで彼女に目を止めたかはわからん。ただ2度も照会がくるとはなかなかご執心のようだし、用心に越したことはないだろう」
つまり、数日中に旅先から帰るであろうリリアンさんの身辺を気にしてほしいという事だ。
====================
(メモ)
騎士団(#7)
ロディ(#4)
書簡(#16)
種族がらみの特殊なスキル(#16)
・アラン…ニールの「冒険者の先生」をしているBランク冒険者
・ニール…主人公リリアンの友人で、冒険者見習いとして活動している自称田舎貴族の少年
・デニス…王都シルディスの西の冒険者ギルドに所属するAランクの冒険者
・マイルズ…西の冒険者ギルドのマスター。頭部の装甲が若干薄い。
・リリアン…主人公。前世の記憶を持つ、黒毛の狼獣人の少女。王都を離れ故郷に帰省中。
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このところ少し忙しい。今朝も早くに起き、ニールを置いて家を出た。
まずはニールの『爺様』の所に定期報告に伺った。
この御方も最近は忙しくしているらしい。朝の早い時間しか空けられなかった事を詫びられた。
それでも愛息の忘れ形見でもある、可愛い孫の話は直接で聞きたいらしい。最近は自主的に色々と頑張っている事をお伝えすると、その銀の長い顎髭を撫でながら満足そうに微笑まれた。
後で孫宛てに差し入れを届けると言われたが、ニールを甘やかし過ぎないようにしてほしいとは、思うだけにしておいた。
まだ昼には早い時間だったので、そのまま騎士団本部へ向かった。
副団長を訪ねるとデスクで書類の山と奮闘していたが、自分の姿を認めると快く迎え入れてくれた。来客を言い訳にして、書類の山から逃れたつもりだったようだが、自分の出した書類の束を見るとイカつい髭面がさらに渋くなった。
この書類の内容も決して快いものではない。市井より騎士団への苦情を集めてきたのだ。いや、集めてきたというのは、正確ではない。集めさせられた。
このところ騎士団員による娼館内での横暴が目に余るらしい。しかし場所が場所なのでそうそう表沙汰にする事も、被害者から騎士団への嘆願もできない。とはいえ放っておく事もできない。騎士団としても裏で余計な噂が広まる事も避けたいだろう。
まったく……あの人はどこで自分の事を知ったのか…… 確かに過去に騎士団に居たというのは嘘ではない。ただし、やめたとも一度も言ってはいない。
あの日は娼館に連れて行かれ、延々と女性陣からの愚痴……いや、報告を聞かされた。良い思いなんて全くしていない。軽食と飲み物だけは美味いものを出してもらったがそのくらいだ。
皆から話を聞き、騎士団員に関する問題は自分が、冒険者たちや他の問題はデニスさんが、まとめて対応する事となった。
こうやってデニスさんは、定期的にここに来て皆の話を聞いているのだそうだ。そしてここで仕事をしている女性たちの何人かは、デニスさんと同じ孤児院の出なのだと、何番目かに話を聞いた女性が教えてくれた。
話が終わった頃にはすっかり日も変わっていたし、こんな夜中に家に帰るのも迷惑だろうと思ったので、デニスさんと同じように空き部屋で仮眠を取らせてもらう事にした。女性を部屋に入れても良いとも言われたが、そんな気分にもなれなかった。デニスさんもいつも一人で休んでいるそうだ。
早朝に帰ると、ニールが私の顔を見られずに何やら狼狽えていたが、敢えて説明などはせずに流す事にした。
騎士団本部を出ると、昼を少し回っていた。
午後に西の冒険者ギルドに行く予定があるので、『樫の木亭』に寄ってみようと思ったが、残念ながら今日のランチ営業は休みだった。
少し離れたところにあるパン屋でもランチ提供をしていたのを思い出したので、そこに向かう事にした。以前にこの店のサンドイッチを食べてから気にいって、何度かパンを買いに来ている。
店主のロディさんは自分と同じくらいの年頃で、元々は冒険者をしていたそうだ。私の事も覚えていてくれて、義足の足を引きずりながら、わざわざ自分でランチプレートを運んで来てくれた。
奥様がこっそりと「あの人、冒険者の方がいらっしゃるととても喜ぶんですよ。冒険者を引退した自分が、今でも皆さんのお役に立てるのが嬉しいみたい」と教えてくれた。
昼過ぎの冒険者ギルドは朝夕の喧騒を思うと大分静かだ。
クエストに出る冒険者たちは朝早くに集ってここを出立し、帰るのは夕方なので、今の時間が一番落ち着いている。自分がこの時間に呼ばれたのもそれが理由だろう。しかし肝心の『自分が呼ばれた理由』については全く心当たりがない。
壮年のギルドマスターは人の好さそうな笑顔で出迎えてくれた。どうやら何か失態をした訳でもなさそうで、内心ほっとした。
階上にある応接室に通され、カナリア嬢が出してくれたお茶に口をつける。
「ちょっとアランに頼みがあってな」
ギルマスのマイルズさんはそう切りだした。
「少し前だが、貴族と称する者から探し人の話が来た」
そう言うとマイルズさんは、2通の書簡を取り出した。
「こちらが十日程前に来たもの。こちらは昨日届いた」
「……読んでも?」
マイルズさんが黙って頷いたのを確認して、書簡を手に取った。
どちらもほぼ似たような内容だが、1通目は広い対象に向けており、2通目の方はこの西の冒険者ギルドを名指している。読む限りでは、どちらの書簡もリリアンさんの所在を尋ねているように思える。
「1通目が来たときに、居ないと返事をしておいたんだがな……」
「リリアンさんに何か問題でもあったのでしょうか?」
「いや、そういった事であれば、騎士団なり自警団なりしかるべき所から連絡がくるだろう。念の為照会もしてみたが、そういう理由ではないようだ」
そこまで話すと、マイルズさんは顎に手をあてて考え込むような風を見せた。
「まぁ、貴族の坊っちゃんだかが、町中で見かけた女性を気に入って探している時にこんな照会が来る事もある。しかし今回は対象が獣人だ。種族絡みの特殊なスキルを入手したい貴族様から、こういった照会が来るというのもたまにある事だ。ただどちらも大抵は良い結果にはならない」
先日『樫の木亭』で獅子獣人のラーシュさんから聞いた話を思い出した。
「この手紙の主がどんな切っ掛けで彼女に目を止めたかはわからん。ただ2度も照会がくるとはなかなかご執心のようだし、用心に越したことはないだろう」
つまり、数日中に旅先から帰るであろうリリアンさんの身辺を気にしてほしいという事だ。
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(メモ)
騎士団(#7)
ロディ(#4)
書簡(#16)
種族がらみの特殊なスキル(#16)
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