勇者と妖精の恋と冒険

ヨッシー

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フラナ

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オレは椅子をどかして、ショーンの胸を踏み付けた

アレス「オレに刃を向けたからには、お前も死ぬ覚悟があるんだよな?」
ショーン「ぐっ…や、やめ…かはっ」
アレス「いい加減、まともに答えられねえか?…ブス」
ショーン「ああああ!!!…やめ…て…グス…い、いたいい」
アレス「死ぬ覚悟もないくせに、決闘を挑むなんて百年早いよ…世の中そんな甘くねえぞ?…てめえはガキだから死なないと思ってるのか?…ブス!!」
ショーン「あああ!!…い、いたいいたいー!!…ガクガク」
アレス「お前さ、最後になんか言っとけよ…おじさんおばさんに、感謝の言葉とかさ」
ショーン「…ハァ…ハァ…い、いやだ…ブルブル…こ、殺さないで…グス…」
アレス「泣けば許してもらえると思うか?…戦いを挑んできたのはお前だぞ?…グサ」
ショーン「ぎゃああああ…あ…あ…すい…ません…ハァハァ…ゆ、許して…く、くだ…さい…」
アレス「お前、自分がいかに力も覚悟も勇気も忍耐も足りてないかわかったかよ?」
ショーン「は、はい…グス…ご、ごめんなさい…」
アレス「この剣は大事なもんか?」
ショーン「それは…父の…ハァハァ…か、形見です…グス」
アレス「そうか…これ持ってれば父ちゃんみたいに強くなれると思ってるのか?」
ショーン「……」
アレス「…バキ!」
ショーン「ああ!!…か、形見が!」
アレス「やっぱすぐ折れるじゃねえか」
ショーン「くそ…グス」
アレス「あ?…ギリギリ」
ショーン「が…あ…ビクビク」
アレス「…パァァァ」
ショーン「あ…き、傷が…」
アレス「立て」
ショーン「……」
アレス「立てっつてんの…ドゴ!」
ショーン「ぎゃ!!…は、はい!」
アレス「その床についた血を拭け」
ショーン「はい…」
アレス「オレはおばちゃんとおじちゃんに迷惑かけたくないからさ…この家の中では殺さないよ…それ拭いたら、外に出るぞ?」
ショーン「こ、殺すの?!」
アレス「ドカ!…口の利き方知らねえんか?」
ショーン「うぶ…す、すいません…グス…許してください…こ、殺さないでください…グス…ガタガタ」
アレス「知らんよ…決闘を挑んできたのはお前だろ?…決着は殺すのが礼儀だ…それにお前はオレのメシを邪魔したからな」
ショーン「ほ、ほんとにすみませんでした…ブルブル…な、何もわかってませんでした…ごめんなさい…ブルブル」
アレス「さっさと床拭けよ…おじさんとおばさんに感謝の言葉を言う最後のチャンスだぞ?」
ショーン「…グス…いやだ…死にたくないぃ…ブルブル」
アレス「お前も男なら、最後の最後くらい男らしく覚悟を決めたらどうだ?…世話になった人に感謝も出来ねえのか?…ゲシ」
ショーン「う…う…グス…じ、じいちゃん…ばあちゃん…い、今まで…面倒見てくれて…あ、ありがと…ブルブル」
アレス「ありがとうございましただろ?…ゲシ」
ショーン「う!…ありがとうございました!…迷惑かけて…ごめんなさい…す、すいませんでした…」
アレス「お前さ…ムキになって、後先考えずカッとなるのがどんだけ愚かかわかったかよ?」
ショーン「はい…グス」
アレス「『死ぬ』って事の怖さがわかったか?」
ショーン「はい…グス」
アレス「お前はさっき、そんな事も知らないくせに、オレを殺そうとしたんだよ…自分が死ぬ覚悟もないくせに、死ぬ痛みも苦しみも恐怖も知らないくせに、他人に平気で『死ぬ』って恐怖を与えようとしたんだよ」
ショーン「…ご、ごめんなさい…グス…すいませんでした…」
アレス「自分がどれだけ愚かで、非力な存在か思い知ったか?」
ショーン「はい…」
アレス「…パァァァ…じゃあ、許してやるよ」
ショーン「え?…ほ、ほんと?…ですか?!」
アレス「ああw…さっさとおばちゃんの美味いメシ食えよ」
ショーン「は、はい!」
アレス「その前に、おばちゃんとおじちゃんに、心配させたのと、オレとミリアのメシを邪魔したのをもう一度心から、誠心誠意謝れ」
ショーン「はい…ご心配、ご迷惑をおかけして…すいませんでした…」
アレス「…わかった、許す…ミリアも許す?」
ミリア「へ?…モグモグ…うん!…許すぅ!」
アレス「あははw…お兄ちゃんの膝座りな?…そこはショーンが座るから」
ミリア「うん!」
アレス「ほら座れよ」
ショーン「はい…いただきます…」
老婆「ああ…すっかり冷めちまったがね」
爺「アレスさん、ありがとね…殺さないでくれて」
アレス「うんw…ガキはしっかりしつけてやらねえとなw」
爺「全くです…ワシらはだいぶ甘やかしてました」
老婆「アレスさんは強いねえ…」
アレス「まあねw…ショーン」
ショーン「はい…」
アレス「お前さ、何するにしても、まずは実力をつけてからにしろ…何の力もないやつの言葉なんか、誰も聞いてはくれないぞ?…そんなに世の中甘くないからな」
ショーン「はい…ごめんなさい…」
アレス「ミリア、もっとパン食べる?」
ミリア「もうだいじょぶなのよ」
アレス「じゃあこれ食べたら行こうか」
ミリア「うん!」
老婆「良かったら泊まっていってくださいな」
爺「狭いけど、寝るくらいなら出来るから」
アレス「…じゃあ今日だけお邪魔させてもらいます」
爺「良かったw」
老婆「じゃあ、少しここで待ってておくれ…部屋を片付けてくるからね」
アレス「ああ、いいよ、おばちゃんw…オレとミリアとショーンでやるからw…な?」
ミリア「やる!」
ショーン「はい!」
老婆「そうかえ?w…じゃあショーン、あんたの隣の部屋に連れてってあげておくれ」
ショーン「うん…アレスさん、こちらです」
アレス「ああ」

ショーンは形見の折れたレイピアを拾って、オレたちを案内した

ショーン「こ、この部屋は普段、物置みたいにしてて…でも、寝る場所は作るから…」
アレス「おう…一緒にやればすぐだよ」
ショーン「あ、はい!」
アレス「それ…剣さ…折って悪かったな…形見なのに…」
ショーン「…あ…いえ…」
アレス「そいつな…持ってたらさ…お前は徴兵されに行くだろ?…お前はマジで弱いからさ…魔物と戦ったら死ぬだけだ…お前が独り身でそれを望むんなら止めやしねえけど…じいじやばあばに悲しい思いはさせたくなかったんだよ…許せ」
ショーン「…アレスさん…グス…はい!…ありがとうございます!」
アレス「…ほら」
ショーン「え?…こ、これは…1000の金貨…」
アレス「鍛冶屋持ってきゃ、直してもらえるよ…それに使えよ」
ショーン「…いえ…いいです!…お返しします!…折れても形見なのは変わらないし、これがこうなったはアレスさんの優しさの形だと思って、大事にします!」
アレス「…わかったw…お前、たった少しの間に成長したなw…ナデナデ」
ショーン「…えへへ///」
アレス「でもやるよ…これ…痛い思いさせたからさ…小遣いだと思って受け取っときな」
ショーン「こ、こんな大金…良いのですか?」
アレス「気にするなw…ただし、使い道は考えるんだぞ?…お菓子だのなんだのでくだらない使い方はするなよ?…お前の進学とか、習い事とか、じいじばあばにプレゼントとか、そういう大切な事に使えよ?…金も力も、使う奴の心次第で良くも悪くもなる…間違えるなよ?」
ショーン「…はい!!…ありがとうございます!!」
アレス「よし、じゃあ掃除すっかw」
ショーン「はいw」

ショーン「ア、アレスさん…これ、その上に乗せられますか?」
アレス「おうw…いやあ、ずいぶんはじに寄せたなw」
ミリア「ほこりがすごいのよ…フキフキ」
ショーン「今、お布団持ってきます…」
アレス「いや、いいよ…」
ショーン「でも、布団ないと寝れないよ…」
アレス「だいじょぶ…ゴソゴソ…」
ショーン「それは?…小さくてかわいいです」
アレス「まあ、見てな…ミリアお願い」
ミリア「はーい」
ショーン「うわ!…お、大きくなった…」
アレス「これはオレたちの家だ…見てみ?」
ショーン「わあ、かわいいw…ほんとに家みたいになってる!…だけどこれじゃ小さいんじゃ…え?え?」

オレたち3人は小さくなった

ショーン「え?!…オレ…小さくなってる」
アレス「ああ…ミリアの魔法でな」
ミリア「ここから入れるのよ」
ショーン「うわぁ…すごい…ほんとに家みたいだ…しかも、この家より全然豪華だ」
アレス「ああ…でも、部屋貸してくれるのはありがたいんだ…コイツを出す場所とか見つけるのも面倒だからさ」
ミリア「ね!」
ショーン「そっか…」
アレス「ミリア、さっき買い物したやつ、冷凍宝箱にしまう」
ミリア「うん!」
ショーン「冷凍宝箱?」
アレス「ああ、これな…」
ショーン「わ…こんなかだけすごく寒い」
アレス「これに入れておくと、長持ちするんだ」
ショーン「すごい…魔法ですか?」
アレス「ああ」
ショーン「この街には魔法使いはあんまり居ないから、見れて嬉しいです!」
アレス「そうなのか?…ほとんどはその銃士隊ってやつか?」
ショーン「はい…いつも魔物から守ってくれます…とても強いんです…オレは弱いけど」
アレス「でもレイピアじゃ、魔物はキツいけどな…」
ショーン「だけど、銃も使うから…」
アレス「なるほどね…」
ショーン「アレスさんは魔法使いなんですか?」
アレス「魔法を使って、身体で戦う魔法拳士ってやつだよ…オレは武器がなくちゃ戦えないとか嫌だからな」
ショーン「すごいなあ…」
アレス「さて、じゃあミリアとゆっくりしたいから、出てってくれるか?」
ショーン「あ、はい」

ショーンは元の大きさに戻った

アレス「言っておくけど、オレがこのサイズでも、お前は勝てねえからな?」
ショーン「は、はい」
アレス「おばちゃんたちにはなるべく秘密にしといてくれ」
ショーン「わかりました!」

ショーンは部屋を出ていった

オレはバスケットに結界を張り、中に入った

アレス「ミリア…今日買ったこのお碗見ろよ」
ミリア「これ?」
アレス「これならここに、2人で一緒に寄り添って寝転がれると思ってさ」
ミリア「おお~!…早速入ろうよ!」
アレス「うんw…じゃあこれ大きくして?」
ミリア「うん!」

お碗を大きくし、水魔法で水をはり、温度上昇の魔法でぬるま湯にして、2人で寝転がってみた

ミリアはオレの胸に頭を乗せて、甘えている

ミリア「これいいねえ…もうここで寝れそう」
アレス「たしかにw…ナデナデ」

オレはミリアの方に向いて、寒くないようにタオルをかけて、ギュッと抱きしめて、肩や背中をポンポンとしたり、撫でたりしてた

ミリアはオレの身体に左腕をギュッと回して、顔を擦り付けて甘える

いつも寝る時とかもこんな感じにしてるけど、こうしてる時はエッチな気持ちよりも、愛おしい気持ちが上回って、心穏やかになる

ミリアもこうされるのは大好きで、とっても幸せだそうだ

いつもすぐに寝てしまう

オレも幸せでウトウトしてきたけど、ここは風呂だから寝たらまずいなあとか思ってたら、外が騒がしくなってきた

アレス「ミリア…なんかヤバい感じする…オレは起きて服着て元に戻る」
ミリア「あう…うん」
アレス「ミリアは秘密基地に入ってね」
ミリア「うん!…裸でいい?」
アレス「いいけど、一応服は持って?」
ミリア「はーい」

オレは元に戻って、ミリアを秘密基地に入れると、おじちゃんが来た
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