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良いセリフだ!
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鍛錬の日々は楽しい!
特に金曜日の八極拳の使い手のひよこ師匠との鍛錬は、この世界に転生してから味わった事が無い程に充実感で満たされていた。
この世界は、剣と剣と剣と、ごく稀にちょびっとの魔法とダンジョンの異世界。
格闘技として系統だった徒手空拳の技なんて無かった。
剣に関しては、何とか流とかって流派があるってのは聞いた事がある。
聞いた事はあるが、実は見た事は無いんだ。
あんだけ騎士や衛士と大勢顔合わせした事があるはずなのに、誰も『私は何とか流の剣士です!』っていう人が居なかったんだから、仕方ない事…だよね?
そもそも父さんやイネスを見てたら分かると思うけど、この世界では剣技が何派とか何流だとかってのは、あんま強さに関係ないと思われている。
剣で戦うには、筋肉だ! パワーだ! スピードだ! っていう考えが根強すぎて、技ってのが軽視されがちなんだ。
なので、長い年月同じ技を磨き続けようなんて考えは、かなり珍しく少数派。
騎士や衛士といった職業軍人であれば、儀礼的な剣の扱いは当然習得せねばならないが、それ以外にも最低限の剣技、剣術、剣法と呼ばれる物を一通り習うらし。
それは言ってみれば剣を始めて持ったド素人の為の手引きだ。
それらを身に付けたら、あとはただただ筋肉を付けて剣を振りまわすだけ。
こうしてパワー至上主義の礼儀正しい脳筋剣士が大量増殖していくのだ。
前述したように、こうした脳筋剣士だけでなく、ごく稀に剣技を極めんと、きちんと技を磨き続ける人も居るらしいが…まあ、世間的に見たら変人だな。
なので、俺の空手の型練習を始めて見た時に、イネスが驚いていたのも当然の事。
ま、あん時は『姫様の婚約者は変人だ』とでも思ったのかもしれない。
だから、ずっと俺の鍛錬の間中、ずっと俺の横で剣を振ってたんだろう。
んで、素での俺と違って、巨大な両手剣を軽々扱う父さんに憧れたのか、同じ様な巨大な剣を使う様になったのも仕方ない事かもしれない。
今は、技という物が何のために有り、それを磨く事がいかに重要かという事に気が付いた様だが…まあ、脳筋な所は変わって無いかも知れない。
長々と語ったが、つまりはそれだけ剣であろうと徒手空拳であろうと、この世界では流派ってのが少数派ってこった。
だから、こうした他流で技を磨き続けた達人と呼ばれる方との手合わせは楽しい!
道半ばの俺の拳技なんて、ひよこ師匠からしたら児戯に等しいのかもしれない。
それでも前世からずっと信じて全力で鍛錬し続けて来た空手道の技を全力で出せる相手なんてこれまで居なかった。
だからこそ、持てる力と技を全部出し切る!
力と技…ん? 技と力だったら、1号と2号だな。
そこに団結が入ったら、秘密の戦隊の5人のレンジャーじゃね?
桃色のスーツの人が、イヤリングをむしり取って『いいわね、いくわよ!』って言ったら爆弾になったり?
あ、そうじゃ無い…あの銀色のバレーボールって、毎回どっから桃色のスーツの人は取り出すんだ? んで、何で全員で蹴ったりヘディングしたりして回すんだろう?
ずっと疑問に思ってたけど、最後に絶対に赤い人が『フィニッシュ!』って言ってボールを敵に向かって蹴るけどさ…それってバレーボールだぞ? サッカーボールじゃ無いんだぞ? バレーボールなら、『アタック!』何じゃ無いだろうか?
アタックと言えば、やっぱNo.1のやつかな?
あれって少女漫画だけど、かなりスポ根な内容だったし、イジメとかの表現が酷かったから、きっと再放送は難しいだろうなあ。
前世でも懐アニとかで紹介されて、若いゲストとかの笑い物になってたしなぁ。
笑いものって言えば、やっぱエースを狙う奴とか、読売ジャイアンツの星を目指すのも懐かしい!
懐かしいって言えば、明日はどっちだ? の漫画やアニメもスポ根だったなぁ。
でも、あのアニメの内容って暗すぎだったよなぁ…。
暴力団とか乱闘とか、鑑別所とか少年院とか、改めて考えたら倫理的にこれも再放送は難しそうだな…。
ボクシングと言えば、母子家庭で釣り船屋の一人息子のいじめられっ子が、プロボクサーを目指してはじめての1歩を踏み出したあの漫画もなかなか面白かった。
『強いって… 一体どんな気持ちですか?』って…くぅ~~~! 良いセリフだ!
「考え事をしてていいのか?」
前世の思い出に浸っていた俺に、ひよこ師匠の冷たい声が掛かったと思ったら、目の前にいたはずのひよこ師匠の姿が消え…た!?
「ハッ!」
俺の視界の外、ほぼ真下から、強烈な一撃を顎にくらって、俺は吹っ飛んだ。
「どうせ…アホな事を…考えて…いた…んだろう…少し…は…頭…を…」
薄れゆく意識の中で、ひよこ師匠の説教染みた声が聞こえた気がした…。
特に金曜日の八極拳の使い手のひよこ師匠との鍛錬は、この世界に転生してから味わった事が無い程に充実感で満たされていた。
この世界は、剣と剣と剣と、ごく稀にちょびっとの魔法とダンジョンの異世界。
格闘技として系統だった徒手空拳の技なんて無かった。
剣に関しては、何とか流とかって流派があるってのは聞いた事がある。
聞いた事はあるが、実は見た事は無いんだ。
あんだけ騎士や衛士と大勢顔合わせした事があるはずなのに、誰も『私は何とか流の剣士です!』っていう人が居なかったんだから、仕方ない事…だよね?
そもそも父さんやイネスを見てたら分かると思うけど、この世界では剣技が何派とか何流だとかってのは、あんま強さに関係ないと思われている。
剣で戦うには、筋肉だ! パワーだ! スピードだ! っていう考えが根強すぎて、技ってのが軽視されがちなんだ。
なので、長い年月同じ技を磨き続けようなんて考えは、かなり珍しく少数派。
騎士や衛士といった職業軍人であれば、儀礼的な剣の扱いは当然習得せねばならないが、それ以外にも最低限の剣技、剣術、剣法と呼ばれる物を一通り習うらし。
それは言ってみれば剣を始めて持ったド素人の為の手引きだ。
それらを身に付けたら、あとはただただ筋肉を付けて剣を振りまわすだけ。
こうしてパワー至上主義の礼儀正しい脳筋剣士が大量増殖していくのだ。
前述したように、こうした脳筋剣士だけでなく、ごく稀に剣技を極めんと、きちんと技を磨き続ける人も居るらしいが…まあ、世間的に見たら変人だな。
なので、俺の空手の型練習を始めて見た時に、イネスが驚いていたのも当然の事。
ま、あん時は『姫様の婚約者は変人だ』とでも思ったのかもしれない。
だから、ずっと俺の鍛錬の間中、ずっと俺の横で剣を振ってたんだろう。
んで、素での俺と違って、巨大な両手剣を軽々扱う父さんに憧れたのか、同じ様な巨大な剣を使う様になったのも仕方ない事かもしれない。
今は、技という物が何のために有り、それを磨く事がいかに重要かという事に気が付いた様だが…まあ、脳筋な所は変わって無いかも知れない。
長々と語ったが、つまりはそれだけ剣であろうと徒手空拳であろうと、この世界では流派ってのが少数派ってこった。
だから、こうした他流で技を磨き続けた達人と呼ばれる方との手合わせは楽しい!
道半ばの俺の拳技なんて、ひよこ師匠からしたら児戯に等しいのかもしれない。
それでも前世からずっと信じて全力で鍛錬し続けて来た空手道の技を全力で出せる相手なんてこれまで居なかった。
だからこそ、持てる力と技を全部出し切る!
力と技…ん? 技と力だったら、1号と2号だな。
そこに団結が入ったら、秘密の戦隊の5人のレンジャーじゃね?
桃色のスーツの人が、イヤリングをむしり取って『いいわね、いくわよ!』って言ったら爆弾になったり?
あ、そうじゃ無い…あの銀色のバレーボールって、毎回どっから桃色のスーツの人は取り出すんだ? んで、何で全員で蹴ったりヘディングしたりして回すんだろう?
ずっと疑問に思ってたけど、最後に絶対に赤い人が『フィニッシュ!』って言ってボールを敵に向かって蹴るけどさ…それってバレーボールだぞ? サッカーボールじゃ無いんだぞ? バレーボールなら、『アタック!』何じゃ無いだろうか?
アタックと言えば、やっぱNo.1のやつかな?
あれって少女漫画だけど、かなりスポ根な内容だったし、イジメとかの表現が酷かったから、きっと再放送は難しいだろうなあ。
前世でも懐アニとかで紹介されて、若いゲストとかの笑い物になってたしなぁ。
笑いものって言えば、やっぱエースを狙う奴とか、読売ジャイアンツの星を目指すのも懐かしい!
懐かしいって言えば、明日はどっちだ? の漫画やアニメもスポ根だったなぁ。
でも、あのアニメの内容って暗すぎだったよなぁ…。
暴力団とか乱闘とか、鑑別所とか少年院とか、改めて考えたら倫理的にこれも再放送は難しそうだな…。
ボクシングと言えば、母子家庭で釣り船屋の一人息子のいじめられっ子が、プロボクサーを目指してはじめての1歩を踏み出したあの漫画もなかなか面白かった。
『強いって… 一体どんな気持ちですか?』って…くぅ~~~! 良いセリフだ!
「考え事をしてていいのか?」
前世の思い出に浸っていた俺に、ひよこ師匠の冷たい声が掛かったと思ったら、目の前にいたはずのひよこ師匠の姿が消え…た!?
「ハッ!」
俺の視界の外、ほぼ真下から、強烈な一撃を顎にくらって、俺は吹っ飛んだ。
「どうせ…アホな事を…考えて…いた…んだろう…少し…は…頭…を…」
薄れゆく意識の中で、ひよこ師匠の説教染みた声が聞こえた気がした…。
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