システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

発表します！

　何故かなし崩し的に、ボーディとひよこ達が食堂にやって来た。
　確かに我が家の食堂はそこそこの広さを誇っている自慢の部屋ではあるが、こう薄黄色いひよこがずらりと並ぶと、何かがちょっと違うと感じちゃうんだよね。
　んで、結局食堂で何をしているのかというと、俺の毎日のスケジュールを嫁ーずを交えて組んでいた。
　俺の意思などは完全に無視した形で、それは進行している？　いや、俺の意見など一切取り入れずに進行していると言った方がニュアンス的にも正しいかな？
　俺にだって、領地や商会に関する雑多な仕事が日々山積みになると言うのに、それをガン無視なんて、絶対何処かに不都合が出ると思うんだが？

「これで一日の予定は大丈夫でしょう。後はこれを組み合わせて週間の予定と、月間の予定を組めばいいかと思います。突発的な事柄に関しましては、ひよこAさん、マチルダ、２人に調整は任せますね？」
　話し合いも終盤に掛かり、どうやら俺の夏休み…じゃ無かった、毎日毎週の俺の行動予定は半ば強制的に決められたらしい。
「なかなか良く出来ておるの。では、この様定評を元に、トールヴァルド伯爵覚醒計画を発動しようかの」
　どっかで見た事ある様なお花の絵が書かれている自由帳って。ジ〇ポニカ学習長じゃないだろうな？　
「あとは、ひよこ達の指導の順番じゃな。これはお主等で決めるが良い」
ここでボーディが面倒事を全部ひよこ達に落押し付けたぁ！

「順番？　んなの、Aから順番でいいんじゃね？」
「だが、得意分野という物もあろう？」
「なら、こうすれば…」
「いやいや、それならばこうした方が…」
「みなさん、それでは休みが取れません！　この日は断固休日です！」
「ふむ、奥方の言う事にも一理あるな」
「叩き続ければ良いという物でも無いと言う事だな？
「でも、その休日も私達が別の意味で叩きまくるんですけどね…」
　かくして、ひよこと嫁ーずによる白熱した議論は、その日の昼過ぎまで続いた…。

「では、今後のトールさまの予定を発表します！」
　マチルダの発表を待ちに待っていた食堂に集まっていた一同は、
『おぉー！』
　大声援と、
　パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ
　盛大なる拍手で迎え入れた。
　俺の今後のスケジュール決めという、複雑であり難解にして非常に高度な問題は、俺の意見を一切汲み上げないで、嫁ーずとひよこ達だけの議論で決定した。
「まず、月曜日の担当はAさんです！」
　パチパチパチパチパチ
「火曜日の担当はDさんです！」
　パチパチパチパチパチ
「水曜日はGさんで、木曜日はHさん。そして金曜日はJさんです！」
　パチパチパチパチパチ
「そして、土日は私マチルダと、ミレーラ、イネスが担当します」
　パチパチパチパチパチ
「今後、トールさまの覚醒への道の進捗具度合いにより、ひよこの皆様のローテーションやメンバー入れ替わり等があるかも知れません。現在、担当から外れた皆さまも、いつ声がかかるか分かりませんので、パンゲア大陸にて待機をお願いします」
　パチパチパチパチパチ
「では、本日の議論はここまでとします。みなさま、お疲れさまでしたー！」
『おつかれっしたー！』
　…なに、この体育会系のノリは？
　メンバー入れ替えとかあるの？
　えっと、そんでもやっぱ週末が一番きつい気がするのは、俺の気のせいなんでしょうか…？