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出せよぉぉぉ!
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何だろう…やけに今日は嫁ーずが、めっちゃ優しい…。
食堂で夕飯を食べているときも、何故か俺を見る目が慈母の様だ。
何かあったんだろうか?
時折、そう訊ねてみたのだが、誰も何も教えてくれない。
それどころか、そっと俺を抱きしめて、「大丈夫です。私たちが付いていますから…」とか言われた。
本当に、一体何があったんだ?
夜の寝室も、きちんと約束通りに誰の強襲も無かったんだけど…ちょっと気持ち悪いぞ?
まあ、ゆっくり眠れるから…これでいいのだ? いや、やっぱどうにも腑に落ちないんだけど…。
翌朝も、何だか心の片隅にもやもやした物を抱えたまま日課の鍛錬に勤しむ。
そういや、まだリリアさんとサラは帰って来ないんだろうか?
別にあの2人なら、居ても居なくてもどっちでもいいと言えばいいんだが、それでも少し寂しいかもしれない。
あいつら、マジでどうなったんだ?
「そろそろお休みになった方が…」「ますたーたちも、ちょっとはねむるでし!」
色々と話に熱が入っていた一同の前に現れたのは、それぞれ割り当てられていた仕事を終わらせた、カジマギーともふりん。
幼女組の登場で、確かに長い時間話し込んでいたと気が付いたボーディが、話しを切り上げるべく声を掛けた。
「妾達もお主等も、睡眠も食事も必要とし無いとはいえ、やはり少しは精神的には休んだ方がいいしゃろうなぁ…」
ボーディが、目を瞬かせながらそう告げると、
「まあ、それはそうですね。心が疲れました…主にあの馬鹿のせいで…」
リリアも、少しぐったりと疲れた表情で答えた。
「あの馬鹿って、大河さんですか? あ、それとも局長? 確かにどっちも馬鹿ですからねぇ…そりゃ疲れるわ!」
何やら間違った方向にズンズンと突き進む、超能天気なサラを見るボーディとリリア。
その目はまるで汚物を見る様な目だ。
「まあ、この超有能な美少女サラちゃんを手放した時点で局長が馬鹿だって事は明白ですし、大河さんだってこのぷりち~サラちゃんを喰わなかった事でお馬鹿さんだって事がはっきりしましたからねぇ!」
『…………』
居眠りしているモフレンダは別として、ボーディ、リリア、モフリーナ、カジマギー、もふりん、一同無言。
「ま~ったく、このサラちゃんっていう存在を、みんなちょっと軽く見過ぎですよねぇ! もちろん、体重は軽いですよ! ダイエットの必要なんてこれっぽっちもありません! そのかわり胸も控えめですけど…。でも、そんな欠点なんて、このびゅーてぃほーなサラちゃんの顔と性格で、ぱーふぇくとにかぶぁー出来てるってもんです! だと言うのに、大河さんも局長も、なんでこんな………」
サラ、絶好調?
「あ~、そろそろ寝るか。もふりんとカジマギーは、モフレンダを起こしてベッドに放り込め。モフリーナ、リリア…あの馬鹿は無視だ」
サラを視界に入れない様にしながらボーディがそういうと、
「了解です」「あい!」
カジマギーともふりんは元気よく返事をし、
「そうですね。もふりん、頼みます…疲れました」「何だか、どっと疲れが押し寄せてきました」
モフリーナとリリアも、ボーディの言葉に素直に睡眠をとる事にしたらしい。
モフレンダは、幼女組が起こそうとしたのだが一向に目を覚まさない為、どこにそんな力があるのか分からないが、よっこらせと2人で担ぎ上げてこの空間から消えて行った。
よくよく考えれば、この部屋はダンジョンの一部であるのだから、わざわざ人力で運ばずとも移動は簡単に出来るはず。
なのでモフレンダと2人の姿がこの空間から音もなく消えたのも当然だ。
「では、リリアは妾が送ってやろう。モフリーナ、また明日の同じ時間にの?」
「お願いします」
リリアがボーディと共に姿を消すのを、小さく手を振りながら見送ったモフリーナは、
「ではおやすみなさい…」
そう言って、彼女自身も自室へと移動していった。
「そうです、このボディを手に入れたなら、きっと大河さんも飢えた狼さんの様に…………って、あれ?」
陶酔気味に独演会を開いていたサラが気付いた時には、この空間には誰も居なかった。
いや、視界いっぱいに広がる水槽に浮かぶ、無数の素体だけが、サラの独演会を無言で聞いていた。
まあ、素体なのでそもそも魂どころか意識も生体反応すら無いはずなのだが、そのどれもがいつの間にかさらに背を向けていた。
「あ、あっれ~? みなさん、どこ行ったんですかぁ~? お~~~い! ちょっと~、誰かいませんか~?」
この空間に出入り口は無い。
このダンジョン塔であるパンゲア大陸で最重要機密事項を扱う部屋なのだから、当然といえば当然だ。
出入りはダンジョンマスターの能力である、ダンジョン内での移動…転移が必須な場所。
つまりは、ダンジョンマスターの許可の無い者は、絶対に出入りできない空間だ。
「え、誰も居ない? え、マジですか? やだなぁ~もう! どこかに隠れてて、サラちゃんをびっくりさせようとか…」
なので、サラもリリアも、この部屋に来た時にはボーディに連れて来られていた。
「え、本当に誰も居ない…の? え、ちょ、何時の間に!? えっと、サラちゃん1人だとここから出られないんですけどぉ!?」
しんと静まり返ったこの空間を照らす照明は、かなり薄暗い。
だが、素体が浮く無数の水槽自体が仄かに発光しているため、移動には不自由しない。
とは言え、普通の照明が灯っている部屋や、陽の光が差し込む部屋などと比較すれば、かなり暗い。
「え、お…おいぃぃ! 誰かいねぇのかよぉぉぉ! 部屋から出せよぉぉぉ! おおぉーーーい! 誰が聞いて無いのかぁぁぁぁ!?」
サラが大声で怒鳴り散らし始めたが、どこからも返事は無かった。
「ちょ、こんな所に放置って、どんだけ鬼畜なんすかぁぁぁぁぁぁ! ぷりーーずかむばぁぁぁぁぁぁっく!」
辺りに響くほどの大声で叫び回っているサラを前にして、水槽に浮かぶ動かぬ素体達は耳を塞ぐという事はなかったが、非常に迷惑そうにしている様に見えた。
食堂で夕飯を食べているときも、何故か俺を見る目が慈母の様だ。
何かあったんだろうか?
時折、そう訊ねてみたのだが、誰も何も教えてくれない。
それどころか、そっと俺を抱きしめて、「大丈夫です。私たちが付いていますから…」とか言われた。
本当に、一体何があったんだ?
夜の寝室も、きちんと約束通りに誰の強襲も無かったんだけど…ちょっと気持ち悪いぞ?
まあ、ゆっくり眠れるから…これでいいのだ? いや、やっぱどうにも腑に落ちないんだけど…。
翌朝も、何だか心の片隅にもやもやした物を抱えたまま日課の鍛錬に勤しむ。
そういや、まだリリアさんとサラは帰って来ないんだろうか?
別にあの2人なら、居ても居なくてもどっちでもいいと言えばいいんだが、それでも少し寂しいかもしれない。
あいつら、マジでどうなったんだ?
「そろそろお休みになった方が…」「ますたーたちも、ちょっとはねむるでし!」
色々と話に熱が入っていた一同の前に現れたのは、それぞれ割り当てられていた仕事を終わらせた、カジマギーともふりん。
幼女組の登場で、確かに長い時間話し込んでいたと気が付いたボーディが、話しを切り上げるべく声を掛けた。
「妾達もお主等も、睡眠も食事も必要とし無いとはいえ、やはり少しは精神的には休んだ方がいいしゃろうなぁ…」
ボーディが、目を瞬かせながらそう告げると、
「まあ、それはそうですね。心が疲れました…主にあの馬鹿のせいで…」
リリアも、少しぐったりと疲れた表情で答えた。
「あの馬鹿って、大河さんですか? あ、それとも局長? 確かにどっちも馬鹿ですからねぇ…そりゃ疲れるわ!」
何やら間違った方向にズンズンと突き進む、超能天気なサラを見るボーディとリリア。
その目はまるで汚物を見る様な目だ。
「まあ、この超有能な美少女サラちゃんを手放した時点で局長が馬鹿だって事は明白ですし、大河さんだってこのぷりち~サラちゃんを喰わなかった事でお馬鹿さんだって事がはっきりしましたからねぇ!」
『…………』
居眠りしているモフレンダは別として、ボーディ、リリア、モフリーナ、カジマギー、もふりん、一同無言。
「ま~ったく、このサラちゃんっていう存在を、みんなちょっと軽く見過ぎですよねぇ! もちろん、体重は軽いですよ! ダイエットの必要なんてこれっぽっちもありません! そのかわり胸も控えめですけど…。でも、そんな欠点なんて、このびゅーてぃほーなサラちゃんの顔と性格で、ぱーふぇくとにかぶぁー出来てるってもんです! だと言うのに、大河さんも局長も、なんでこんな………」
サラ、絶好調?
「あ~、そろそろ寝るか。もふりんとカジマギーは、モフレンダを起こしてベッドに放り込め。モフリーナ、リリア…あの馬鹿は無視だ」
サラを視界に入れない様にしながらボーディがそういうと、
「了解です」「あい!」
カジマギーともふりんは元気よく返事をし、
「そうですね。もふりん、頼みます…疲れました」「何だか、どっと疲れが押し寄せてきました」
モフリーナとリリアも、ボーディの言葉に素直に睡眠をとる事にしたらしい。
モフレンダは、幼女組が起こそうとしたのだが一向に目を覚まさない為、どこにそんな力があるのか分からないが、よっこらせと2人で担ぎ上げてこの空間から消えて行った。
よくよく考えれば、この部屋はダンジョンの一部であるのだから、わざわざ人力で運ばずとも移動は簡単に出来るはず。
なのでモフレンダと2人の姿がこの空間から音もなく消えたのも当然だ。
「では、リリアは妾が送ってやろう。モフリーナ、また明日の同じ時間にの?」
「お願いします」
リリアがボーディと共に姿を消すのを、小さく手を振りながら見送ったモフリーナは、
「ではおやすみなさい…」
そう言って、彼女自身も自室へと移動していった。
「そうです、このボディを手に入れたなら、きっと大河さんも飢えた狼さんの様に…………って、あれ?」
陶酔気味に独演会を開いていたサラが気付いた時には、この空間には誰も居なかった。
いや、視界いっぱいに広がる水槽に浮かぶ、無数の素体だけが、サラの独演会を無言で聞いていた。
まあ、素体なのでそもそも魂どころか意識も生体反応すら無いはずなのだが、そのどれもがいつの間にかさらに背を向けていた。
「あ、あっれ~? みなさん、どこ行ったんですかぁ~? お~~~い! ちょっと~、誰かいませんか~?」
この空間に出入り口は無い。
このダンジョン塔であるパンゲア大陸で最重要機密事項を扱う部屋なのだから、当然といえば当然だ。
出入りはダンジョンマスターの能力である、ダンジョン内での移動…転移が必須な場所。
つまりは、ダンジョンマスターの許可の無い者は、絶対に出入りできない空間だ。
「え、誰も居ない? え、マジですか? やだなぁ~もう! どこかに隠れてて、サラちゃんをびっくりさせようとか…」
なので、サラもリリアも、この部屋に来た時にはボーディに連れて来られていた。
「え、本当に誰も居ない…の? え、ちょ、何時の間に!? えっと、サラちゃん1人だとここから出られないんですけどぉ!?」
しんと静まり返ったこの空間を照らす照明は、かなり薄暗い。
だが、素体が浮く無数の水槽自体が仄かに発光しているため、移動には不自由しない。
とは言え、普通の照明が灯っている部屋や、陽の光が差し込む部屋などと比較すれば、かなり暗い。
「え、お…おいぃぃ! 誰かいねぇのかよぉぉぉ! 部屋から出せよぉぉぉ! おおぉーーーい! 誰が聞いて無いのかぁぁぁぁ!?」
サラが大声で怒鳴り散らし始めたが、どこからも返事は無かった。
「ちょ、こんな所に放置って、どんだけ鬼畜なんすかぁぁぁぁぁぁ! ぷりーーずかむばぁぁぁぁぁぁっく!」
辺りに響くほどの大声で叫び回っているサラを前にして、水槽に浮かぶ動かぬ素体達は耳を塞ぐという事はなかったが、非常に迷惑そうにしている様に見えた。
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