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彼の名は…
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俺は考えたのだ。
それはそれは、もの凄く考えたのだ。
だが、いくら考えたところで、答えは出なかった。
何を考えたのかって?
俺の背後にぷかぷか浮かぶもっち君を、どうにかしようと考えたけど、答えは出なかったのだ。
「え? もっち君に常に見張られてる様で嫌? それは、心に疚しいことがあるからでは?」
ちなみに、それとなくメリルにもっち君を何とかしてもらおうと思って言ってみたんだが、そう言われると、ぐうの音も出ない。
ぐぅ…。
「お兄さま、まさかこの様に美しい義姉さまが5人もいらっしゃるのに、浮気の算段ですか?」
コルネちゃんにまで白い目で見られる始末。
「そ、そんな事ないぞ! 俺は、嫁と妹一筋だ!」
「「「「「「「妹?」」」」」」」
あっ…。
「と、トール様…まさか、コルネリア様とユリアーネ様をそんな目で…?」
ち、違うぞ、ミルシェ!
「お兄さま…近寄らないでください…」
ちゅ、コルネちゃん!?
「ゆりあねぇ、しってるよ? おにいちゃんみたいなひとって、しすこんっていうんだって。あれ? ろりこんだったかなぁ?」
な、なんてこと言い出すんだ、ユリアちゃん! ってか、誰だそんな言葉を教えたのは!?
「と…トール様…まさか…小さいのが…お好き?」
ミレーラ君…小さいって、どこの…いや、何の事かね?
「ユリアちゃん、こっちにいらっしゃい。兄妹とはいえ、超えてはならない一線があるのですからね」
マチルダ、おま…なんちゅう事言い出すんだ! ってか、ユリアちゃん、そっち行っちゃうの?
「何だ、旦那様はまだまだ元気だな? 今夜からまた子種搾りを再開だな! 今夜は寝かせないぜ」
イネスよ、最後のは男のセリフではないかなぁ? まあ、漢前なイネスさんなら似合うけど…。
俺の心の声は、何故か誰にも届いていない様で、嫁ーずは一致団結して今夜の予定を話し合っていた。
マチルダの傍に居たユリアちゃんは、コルネちゃんにお耳を塞がれて母さんの元に。
ちなみにここは俺の執務室。
書類をせっせと運ぶユズキが頻繁に出入りしていたのだが、何も聞こえてい無い振りをし、ナディア、アーデにアーム、アーフェンは無言で窓の外に広がるネス湖の景色を見ていた。
そう、俺の領域であるにも関わらず、どこにも見方は居なかった。
俺、明日の朝日を拝めるのだろうか…。
「ふむ…なかなかに面白い展開ですが、まあ、放っといても大丈夫そうですね」
トールヴァルド邸の薄暗い地下室の一角にある、サラとリリアの部屋では、もうすぐ日も傾き始めるという時間まで惰眠を貪っていたリリアが、ベッドから半身を起こしてそう呟いた。
「まあ、大河さんなら大丈夫でしょう。ちょっとぐらい搾り取られたぐらいで、どうにかなる様なタマでもないですしね。あ、今、私うまいこと言った?」
見た目は美少女JCだが(正確には現地活動用のボディーなのだが)、中身は残念な管理局からの現地派遣員であるサラは、下品なセクハラネタで喜んでいた。
やっぱり残念美少女である。
実年齢は、完全に不明であるが…。
「面白くありません」
渾身の中年オヤジ風下ネタは、リリアに一刀両断された。
「うっせー、面白いわ! まあ、それはいいだけど…あの竜って結局ナニモン?」
何故か局長に呼び出され(強制的に)、共に訳も分からないまま、どっかの次元の海のド真ん中に放り出され、意味も分からないうちに地下室へと送り戻されたサラとリリア。
管理局長の不思議な部屋から一緒に飛ばされた身としては、気になるのも当然。
しかし、ナニモンって言い方が、どっかの『ゲット〇ぜ!』とかと同じイントネーションなのが微妙に気になる所だが。
「確か、どっかの世界の神とか言ってましたねえ…」
リリアもその竜の正体は知らされていない。
「えっと、そう言えば、オリュムポスの原初の支配者とか何とかぶつぶつ言ってた様な…」
そういえばと、サラが竜が島で最後に呟いていた言葉を思い出した。
「む? それは本当ですか、サラ? もしそうであれば…確かに神かもしれませんね。それも飛び切り古く力のある…」
サラの言葉で、リリアにはピンと来るものがあった。
「ほぇ? そんな凄い神様?」
自分でヒントを出しておきながら気づかない、お馬鹿なサラに、
「ええ…彼の名は…オピオネウス…。クロノスに敗れたとはいえ、れっきとした神々の1柱です…」
真面目な顔でリリアがサラにそう告げるが、
「ふ~~ん、そうなんだ~~。全然、知らねぇ」
サラには全く理解されていないようだった。
そもそもそんなマニアックな名前を出したところで、前世で学〇のオカルト専門誌『ム〇』を愛読していた、超オカルトマニアなトールヴァルドのヲタク知識でも出てこない名前だと思うのだが…。
それはそれは、もの凄く考えたのだ。
だが、いくら考えたところで、答えは出なかった。
何を考えたのかって?
俺の背後にぷかぷか浮かぶもっち君を、どうにかしようと考えたけど、答えは出なかったのだ。
「え? もっち君に常に見張られてる様で嫌? それは、心に疚しいことがあるからでは?」
ちなみに、それとなくメリルにもっち君を何とかしてもらおうと思って言ってみたんだが、そう言われると、ぐうの音も出ない。
ぐぅ…。
「お兄さま、まさかこの様に美しい義姉さまが5人もいらっしゃるのに、浮気の算段ですか?」
コルネちゃんにまで白い目で見られる始末。
「そ、そんな事ないぞ! 俺は、嫁と妹一筋だ!」
「「「「「「「妹?」」」」」」」
あっ…。
「と、トール様…まさか、コルネリア様とユリアーネ様をそんな目で…?」
ち、違うぞ、ミルシェ!
「お兄さま…近寄らないでください…」
ちゅ、コルネちゃん!?
「ゆりあねぇ、しってるよ? おにいちゃんみたいなひとって、しすこんっていうんだって。あれ? ろりこんだったかなぁ?」
な、なんてこと言い出すんだ、ユリアちゃん! ってか、誰だそんな言葉を教えたのは!?
「と…トール様…まさか…小さいのが…お好き?」
ミレーラ君…小さいって、どこの…いや、何の事かね?
「ユリアちゃん、こっちにいらっしゃい。兄妹とはいえ、超えてはならない一線があるのですからね」
マチルダ、おま…なんちゅう事言い出すんだ! ってか、ユリアちゃん、そっち行っちゃうの?
「何だ、旦那様はまだまだ元気だな? 今夜からまた子種搾りを再開だな! 今夜は寝かせないぜ」
イネスよ、最後のは男のセリフではないかなぁ? まあ、漢前なイネスさんなら似合うけど…。
俺の心の声は、何故か誰にも届いていない様で、嫁ーずは一致団結して今夜の予定を話し合っていた。
マチルダの傍に居たユリアちゃんは、コルネちゃんにお耳を塞がれて母さんの元に。
ちなみにここは俺の執務室。
書類をせっせと運ぶユズキが頻繁に出入りしていたのだが、何も聞こえてい無い振りをし、ナディア、アーデにアーム、アーフェンは無言で窓の外に広がるネス湖の景色を見ていた。
そう、俺の領域であるにも関わらず、どこにも見方は居なかった。
俺、明日の朝日を拝めるのだろうか…。
「ふむ…なかなかに面白い展開ですが、まあ、放っといても大丈夫そうですね」
トールヴァルド邸の薄暗い地下室の一角にある、サラとリリアの部屋では、もうすぐ日も傾き始めるという時間まで惰眠を貪っていたリリアが、ベッドから半身を起こしてそう呟いた。
「まあ、大河さんなら大丈夫でしょう。ちょっとぐらい搾り取られたぐらいで、どうにかなる様なタマでもないですしね。あ、今、私うまいこと言った?」
見た目は美少女JCだが(正確には現地活動用のボディーなのだが)、中身は残念な管理局からの現地派遣員であるサラは、下品なセクハラネタで喜んでいた。
やっぱり残念美少女である。
実年齢は、完全に不明であるが…。
「面白くありません」
渾身の中年オヤジ風下ネタは、リリアに一刀両断された。
「うっせー、面白いわ! まあ、それはいいだけど…あの竜って結局ナニモン?」
何故か局長に呼び出され(強制的に)、共に訳も分からないまま、どっかの次元の海のド真ん中に放り出され、意味も分からないうちに地下室へと送り戻されたサラとリリア。
管理局長の不思議な部屋から一緒に飛ばされた身としては、気になるのも当然。
しかし、ナニモンって言い方が、どっかの『ゲット〇ぜ!』とかと同じイントネーションなのが微妙に気になる所だが。
「確か、どっかの世界の神とか言ってましたねえ…」
リリアもその竜の正体は知らされていない。
「えっと、そう言えば、オリュムポスの原初の支配者とか何とかぶつぶつ言ってた様な…」
そういえばと、サラが竜が島で最後に呟いていた言葉を思い出した。
「む? それは本当ですか、サラ? もしそうであれば…確かに神かもしれませんね。それも飛び切り古く力のある…」
サラの言葉で、リリアにはピンと来るものがあった。
「ほぇ? そんな凄い神様?」
自分でヒントを出しておきながら気づかない、お馬鹿なサラに、
「ええ…彼の名は…オピオネウス…。クロノスに敗れたとはいえ、れっきとした神々の1柱です…」
真面目な顔でリリアがサラにそう告げるが、
「ふ~~ん、そうなんだ~~。全然、知らねぇ」
サラには全く理解されていないようだった。
そもそもそんなマニアックな名前を出したところで、前世で学〇のオカルト専門誌『ム〇』を愛読していた、超オカルトマニアなトールヴァルドのヲタク知識でも出てこない名前だと思うのだが…。
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