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手遅れです!

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 ふむ…ここに10万人以上もの人が居るのか…。
 そう考えていると、サラがめっちゃキンキン声を俺の脳内の響かせた。
『もしかして、大河さん…あんた、マジで忘れてたんすか!?』
 うん、忘れてた。
『こいつ、真性の人非人や!』
 やだな~褒めるなよ。
『褒めてねーよ! ってか、何で忘れられんですか!』
 あ、いやあ…システムバグでこの大陸に送られて来た人いたじゃん?
『ええ、居ましたね』
 映像でチラッとしか見てないから。
『ん?』
 直接話したのって誰一人いないし。
『まあ、そうですけど…でも見たんですよね?』
 見たけど、実感ないから、どうでもいいかなって。
『はぁ~~~~~!? んじゃ、この前の戦争の時に、モフリーナ達にこっちの大陸に送った人達とか、野盗の被害者達は!?』
 野盗の被害者達は、まあ、誘導をしたから、いっぱい居るな…とは思ってたけど、戦争の時の兵隊とかはねえ…。
『戦争の時の兵隊とかは?』
 直接見てないから、知らん!
『あ、あんたねぇ…このアイディア出したのあんたでしょうが。そもそも食料とか生活物資を領内から掻き集めてこの大陸に送る様に指示したのもあんたのはずなのに、何で忘れられるんだよ!』
 そうはいうけど…今はこのダンジョン大陸…もとい、パンゲア大陸内で物資の生産とかも出来てるし、直接俺が何かされたり被害が及んだわけじゃないし…
『合計10万人が何カ月もここに居たってのに…あんた、最低やな…』
 だからここに国を造るんだろ?
『それ…戦争が終わる直前か終わった直後に考えた事でしょ?』
 そうとも言う。
『そうしか言わねーよ!』
 そんなに怒るなよ…もう一応は解決した事なんだから。
『…本当、最低やわ、あんた…』
 いいじゃん、最低でも。
 誰も文句は言ってないんだろ?
 生活だって出来てるらしいし、特に困った事も無いらしいじゃん。
『いや、まあ…そりゃ、ダンジョンマスターの…っていうか、モフリーナともふりんが頑張ってましたからね…色々と』
 モフリーナももふりんも、俺の配下というか部下みたいなもんじゃん。
 言ってもれば、上司のため寝る間も惜しんで懸命に働く社畜…もとい、社員! 
 手柄は上司の物! ミスは部下の責任! ならば良し!
『今、社畜って言いませんでした?』
 記憶にございません。
『手柄は上司の物?』
 上司の物。
『ミスは部下の責任?』
 部下の責任。
『部下のミスの責任を上司が取るもんじゃないんですか?』
 サラの職務上でのミスを管理局長が責任取ってくれてるか?
『………言われてみれば!』
 つまりは、これこそが社会の真理なのだよ。
『……言い返す言葉がない…』
 ふっふっふ! 勝った!
『ううう…負けた…ん?』
 ん?
『あんた、いつの間にか話をすり替えて無いか!?』
 さあ、何の事でしょう?
『めちゃくちゃ話題転換しまくったよな!』
 そう? でもサラが社畜なのは事実だし、食っちゃ寝してるサラの責任を局長が取って無いのも事実だし。
 何か問題ある?
『無い気がして来た…』
 んじゃ、ここで話はお終いね。
 あ、そうそう! もふりんが美味しい焼き菓子があるって言ってたぞ。
『わーーーい! お菓子だーー! てぃーたいむだーー!』
 おう、いっぱい食え食え。
『ありがとうございまーす!』
 ふっ…相変わらず食い意地はってる奴だ。

『すごい誤魔化し方でしたね…』『マスター…流石に今のは…』
 お、リリアさんにナディアか。どうした?
『いえ、あまりにも鮮やかにサラを転がすテクニックだな…と』『今の手法は、詐欺と変わらない気がします、マスター…』
 ひどい言い様だなあ。
 俺は何も間違っちゃいないと思うけどな。
『そうかもしれませんが…』『マスター…』
 良いんだよ。
 俺がこのパンゲア大陸の現状を把握出来たんだから、これから色々と考えるよ。
『まあ、あなたはこの大陸の神ですからね』『マスターは神』
 俺が神だって言いふらさないでね…本当は違うんだから。
『すでに手遅れの様な気が…』『マスター…もう少しリアルタイムでこの大陸の現状を把握する努力をしてください』
  え?
『ダンジョンマスター達が、あの3人を王として大陸の人達に紹介しました』
 リリアさんは、それを見たんだ。
『ええ。そこで太陽、月、大地の神の話もしておりました』
 別にいいんじゃね?
『女神ネスがその3柱を従えているとも』
 おお、すごいじゃん! 完璧じゃね?
『そして、ネスを従える最高神が、トールヴァルド大神だとも』
 ふぁ!? ちょ、リリアさん…それは…
『マスターは、リアルタイムで神々の頂点になっておりますよ?』
 な、ナディア! 止めてこい!
『『手遅れです!』』
 んが……!
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