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何かおかしいぞ?
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騒がしい一日を過ごした俺達は、いつものアルテアン領へと帰って来た。
俺の家へと続くトンネルを抜けた先にある、ネス湖の水面に反射する朝日が眩しいぜ。
こっちの時間では夜通しのお仕事となっていたはずなので、待ち構える嫁達が怖いのだが…
『お帰りなさい、トールヴァルド様!』
屋敷に着いた俺の前には、ずらっと並んだ嫁達とユズユズ、そしてドワーフメイド衆…おまけでブレンダー、クイーン、そしてノワール君。はて、全員集合とは、一体何事?
『お疲れでしたでしょう? お食事になさいますか? それともお風呂に? それとも…わ・た・し?』
何故に全員で声を揃えて、そんなネタを…ユズカ、くすくす笑ってるとこを見るに、お前が教えたな?
ま、その気持ちは決して嫌いじゃない。人生で一度は言われてみたいセリフの1つではある。
だが惜しい! 裸エプロンなら、評価は100点満点中200点は行っただろう。
って、男のユズキが居る前では出来るはずも無いか。
ならば、やはりここは、
「本当に疲れてるんだ…風呂に入ってひと眠りしたいんだけど…」
これ1択だろう。誰がこんだけ疲れてるのに、嫁達を相手に更なる疲労感を味わいたいというのだ。
『はい。すぐには入れる様になっております。どうぞ、ごゆっくり』
全員が妙に大人しい…絶対に何か企んでるぞ、コレ。
後ろで控えるサラとリリアさんも、かなり困惑顔。
一体、嫁達に何があったというのだ? とは思いつつも、疲れた体を癒すために風呂へと続く廊下をてくてくと進むトール君なのであった。
「ふぃ~いい湯だぁ~」
かっぽ~ん! と音が響きそうなトール君自慢の半露天風呂。
この音って、桶の音だっけ? 鹿威しの音だっけ? まあ、どっちでもいいけど。
頭に乗せた畳んだタオルを手に取り、顔に浮かんだ汗とも湯ともとれる何かを拭う。そっと半露天風呂の入り口の方へと目を向けてみるが、嫁達が乱入する様子も無い。あの超肉食系女子が、この無防備な俺に対して何もしないなんて、どういう風の吹き回しだ?
いや、のんびり出来てこれはこれでいいのだが、物足りないと感じてしまうのは、俺が最近の嫁達の攻勢になれてしまったからか?
嫌な慣れだなあ。
だが、これぞスローライフ! このゆったりと流れる時間が最高だ!
ひと眠りした後は書類仕事も溜まってるだろうし、人魚さん達の妊活パーティー(いやなネーミングだな)の手配も必要。
休む暇も無いけど、今のこの時間だけはゆっくりしたい。
この自慢の半露天風呂は、もちろん男湯と女湯に別れている。いや、急遽ちゃんと別けさせた。
具体的には、10人一緒に入っても足を伸ばせるほど贅沢に広く作った木製の湯船を、半分でぶった切った。
ドワーフ職人さんが丹精込めたこの湯船を、むりやり1日で竹っぽい植物で作った仕切りで分けただけだし、男湯は俺とユズキだけなんで狭くしたんだが、それでも十分に広い。
眼前のネス湖の湖畔を望む眺めは変わってないので、狭いが開放感は残ってるのだ。
地球で生きてた頃では考えられない贅沢に、俺の心の緊張感はゆっくりと解されていった。
十分に体が暖まったところで、名残惜しいが湯船から出る。
いつまでも入っていたくなる気にさせるお風呂とは、なかなかやりおる。
しかし、体がほぐれれば眠気もやって来ると言う物。
体を拭いたら、軽く食事をして睡眠をとろう…と、着替え終わった俺は食堂へと足を向けた。
食堂には、これまた何故か嫁達を含めた全員が、メイド服で俺を出迎えた。
「えっと…何で?」
ついつい、そんな言葉が俺の口から漏れた。
「野菜とハムなどを挟んだパンをご用意しております。お休み前ですので、味付けを押さえた野菜スープと共に、お召し上がってください」
ミルシェの堂に入った給仕を受けた俺は、いつものお誕生日席に着く。
いや、ミルシェは元々メイドさんだったんだから、慣れてるのは当たり前だけど…全員が一斉にお辞儀って怖いんだけど。
「じゃ、じゃあ、頂こうかな…」
しわぶき1つ聞こえない食堂で、ただただ俺の咀嚼音とスープをすする音だけが響いていた。
「ご、ごちそうさま…」
『お粗末さまでした』
全員が微妙に視線を合わさない様にしているのは、メイド教育によるものなんだろうか?
だが、睡魔はもうすぐそこまで来ている…
「それじゃ、ちょっと部屋で眠るから…お昼過ぎに起こしてくれるかな…」
『かしこまりました、ご主人様』
まてまてまて! 絶対に何か企んでる! 間違いない!
俺の家へと続くトンネルを抜けた先にある、ネス湖の水面に反射する朝日が眩しいぜ。
こっちの時間では夜通しのお仕事となっていたはずなので、待ち構える嫁達が怖いのだが…
『お帰りなさい、トールヴァルド様!』
屋敷に着いた俺の前には、ずらっと並んだ嫁達とユズユズ、そしてドワーフメイド衆…おまけでブレンダー、クイーン、そしてノワール君。はて、全員集合とは、一体何事?
『お疲れでしたでしょう? お食事になさいますか? それともお風呂に? それとも…わ・た・し?』
何故に全員で声を揃えて、そんなネタを…ユズカ、くすくす笑ってるとこを見るに、お前が教えたな?
ま、その気持ちは決して嫌いじゃない。人生で一度は言われてみたいセリフの1つではある。
だが惜しい! 裸エプロンなら、評価は100点満点中200点は行っただろう。
って、男のユズキが居る前では出来るはずも無いか。
ならば、やはりここは、
「本当に疲れてるんだ…風呂に入ってひと眠りしたいんだけど…」
これ1択だろう。誰がこんだけ疲れてるのに、嫁達を相手に更なる疲労感を味わいたいというのだ。
『はい。すぐには入れる様になっております。どうぞ、ごゆっくり』
全員が妙に大人しい…絶対に何か企んでるぞ、コレ。
後ろで控えるサラとリリアさんも、かなり困惑顔。
一体、嫁達に何があったというのだ? とは思いつつも、疲れた体を癒すために風呂へと続く廊下をてくてくと進むトール君なのであった。
「ふぃ~いい湯だぁ~」
かっぽ~ん! と音が響きそうなトール君自慢の半露天風呂。
この音って、桶の音だっけ? 鹿威しの音だっけ? まあ、どっちでもいいけど。
頭に乗せた畳んだタオルを手に取り、顔に浮かんだ汗とも湯ともとれる何かを拭う。そっと半露天風呂の入り口の方へと目を向けてみるが、嫁達が乱入する様子も無い。あの超肉食系女子が、この無防備な俺に対して何もしないなんて、どういう風の吹き回しだ?
いや、のんびり出来てこれはこれでいいのだが、物足りないと感じてしまうのは、俺が最近の嫁達の攻勢になれてしまったからか?
嫌な慣れだなあ。
だが、これぞスローライフ! このゆったりと流れる時間が最高だ!
ひと眠りした後は書類仕事も溜まってるだろうし、人魚さん達の妊活パーティー(いやなネーミングだな)の手配も必要。
休む暇も無いけど、今のこの時間だけはゆっくりしたい。
この自慢の半露天風呂は、もちろん男湯と女湯に別れている。いや、急遽ちゃんと別けさせた。
具体的には、10人一緒に入っても足を伸ばせるほど贅沢に広く作った木製の湯船を、半分でぶった切った。
ドワーフ職人さんが丹精込めたこの湯船を、むりやり1日で竹っぽい植物で作った仕切りで分けただけだし、男湯は俺とユズキだけなんで狭くしたんだが、それでも十分に広い。
眼前のネス湖の湖畔を望む眺めは変わってないので、狭いが開放感は残ってるのだ。
地球で生きてた頃では考えられない贅沢に、俺の心の緊張感はゆっくりと解されていった。
十分に体が暖まったところで、名残惜しいが湯船から出る。
いつまでも入っていたくなる気にさせるお風呂とは、なかなかやりおる。
しかし、体がほぐれれば眠気もやって来ると言う物。
体を拭いたら、軽く食事をして睡眠をとろう…と、着替え終わった俺は食堂へと足を向けた。
食堂には、これまた何故か嫁達を含めた全員が、メイド服で俺を出迎えた。
「えっと…何で?」
ついつい、そんな言葉が俺の口から漏れた。
「野菜とハムなどを挟んだパンをご用意しております。お休み前ですので、味付けを押さえた野菜スープと共に、お召し上がってください」
ミルシェの堂に入った給仕を受けた俺は、いつものお誕生日席に着く。
いや、ミルシェは元々メイドさんだったんだから、慣れてるのは当たり前だけど…全員が一斉にお辞儀って怖いんだけど。
「じゃ、じゃあ、頂こうかな…」
しわぶき1つ聞こえない食堂で、ただただ俺の咀嚼音とスープをすする音だけが響いていた。
「ご、ごちそうさま…」
『お粗末さまでした』
全員が微妙に視線を合わさない様にしているのは、メイド教育によるものなんだろうか?
だが、睡魔はもうすぐそこまで来ている…
「それじゃ、ちょっと部屋で眠るから…お昼過ぎに起こしてくれるかな…」
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