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激オコのドワーフさん
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深夜の船内はとても静かだった。
あの後、交代で不思議少女ポリンちゃんの監き…もとい宿泊している船室の見張り番を妖精さん達がやってくれる事となったので、部屋の扉の前にはしっかりと結界を張って、勝手に船内を歩き回れなくしておいてもらった。
いや、何も考えて無い子だとは思うんだよ? でも、もしかしたら何か思惑があって近づいてきたというか、乗り込んできたのかもしれない。
本人の弁を信じるのであれば、俺と結婚したいから、もしくはそうするように誰かに言われたから…ってのが真実かもしれないが、俺はそう簡単に他人を信用できない、ややっこしい性格を獲得してしまったのだ。
『ややこしいのは性格だけじゃ無い気もしますが』
そうだな…そうかもしれない。こういう性格になったのはお前のせいだけどな、サラ。
『は~~!? この素直で優しく可愛いサラちゃんのせいって、どういう事ですか!』
いや、そういうところだよ…俺が他人を簡単に信じられなくなったのは。
『何でですかー! この純真無垢な性格のサラちゃんを信用できないなんて、大河さんの性格が歪みまくってる証拠です! まるで股間の一物のように右にまが…』
うるさい! 曲がってない! …よな? ってか、何でお前がそんな事知ってるんだよ!
『え? そりゃ見たからに決まってるじゃないですか…じゅるり』
それだから信用できねーんだよ! お前は欲望のまま行動するだろうーが!
『自分の欲望に忠実なんです!』
それのどこが純真無垢なんだよ!
『ちゃんと純真無垢ですよ、まだ使ってませんから』
正しい言葉の使い方を勉強してから出直してこーーーい!
はぁはぁ…夜中だっちゅーのに疲れる奴だ…
ホワイト・オルター号は無事山脈を越えて、この広大な盆地をまた山脈沿いにアーテリオス神国へとゆっくりと進んでいた。
べダム首長との話では、到着時に不思議ちゃん回収部隊が、着陸ポイントに待っててくれるらしい。
彼女が本当に天然なのか、はたまた何を企んでいるのかはわからないが、あとは太陽神の教会にお任せしよう。
何かを企んでいるようであれば、そこで色々と動きがあると思うし、天然ならぜひともしっかりと教養を身に着けて更生(?)してもらいたいもので去る。
そんな明日の神国到着とその後の事を考えながらベッドで横になっていると、ふいに通信の呪法具の呼び出し音が、しんと静まり返った深夜の船内に響き渡った。
慌てて俺が音の発信源である船室備え付けのテーブルへと向かうと、鳴っていたのは我が家に緊急連絡用として置いてきた呪法具からだった。
もしや…俺たちの不在の間に、トールヴァルド地区に何か起きたのか!?
『もしもし! 何があったんだ!?』
慌てて通信を開始すると、法具の向こうからドワーフメイドさんの弱々しい声が俺の耳に届いた。
『旦那さま~…もう限界です…』
あのいつも元気なロリっ子ドワーフメイドさんに、一体何が!?
『どうした、何がった? 敵か!?』
『強敵です…もう私が最後の…』
くっ! 俺たちが不在の間を狙った攻撃か! どっかの貴族か? まさか、モフリーナがダンジョンの管理をしくじって魔獣がスタンピードを起こしたとか、いやいや天災でも起ったか?
『雪崩が…止まりません…』
雪崩だと!? 確かに俺の領地は山脈と隣接しているが、山頂に雪が積もる季節はまだ先だ。
いや、よしんば積もったとしても街まで雪崩が到達するほどの降雪量は無い。
人為的な雪崩なのか、そんな恐ろしい魔法を使う奴が攻めてきたのか?
『…二人はすでに下敷きに…何とか救出しましたが…もうこれ以上は…』
やばいやばいやばい!
『街は…街の住民は無事か?』
俺の屋敷までもが雪崩に巻き込まれているとすれば、間違いなく街は雪崩の下敷きになっているだろうが、聞かずにはおけない。
『え? 街は何ともありませんよ?』
『ん?』
『え?』
『『……』』
何か認識に大きな齟齬があるような…
『もう、出発してから2週間以上経ちます…書類が溜まりすぎて、私たちではとても処理が…崩れるばかりです…』
まさか、漫画みたいに積み上げた書類が雪崩を起こしたとか?
『早くかえってきてくださ~~~~い! おいがだでは、もうどうにもでぎねぁ!!』
ドワーフ弁で叫ばれた! こりゃかなり危険な状態だ!
『まさが遊んでらんでねぁだべね? おいがだは毎日必死さ仕事してらども!』
こりゃ、めっちゃくちゃ激オコだ!
そういえば、屋敷を出発する前に…
「留守の間、この屋敷の一切をまかせます」
ってドワーフメイドさんに言った記憶は確かにあるが、まさか書類仕事までしてくれるとは思わなかった。
俺の決裁が必要なものには手を出してないだろうが、普段俺がやってる仕事や、マチルダやメリルに任せてた仕事を合わせれば、膨大な量になるはず。
ロリッコ(見た目だけ)ドワーフメイド衆だけでとても捌ける量じゃない。
どうにがしねぁどいげねぁ!
あの後、交代で不思議少女ポリンちゃんの監き…もとい宿泊している船室の見張り番を妖精さん達がやってくれる事となったので、部屋の扉の前にはしっかりと結界を張って、勝手に船内を歩き回れなくしておいてもらった。
いや、何も考えて無い子だとは思うんだよ? でも、もしかしたら何か思惑があって近づいてきたというか、乗り込んできたのかもしれない。
本人の弁を信じるのであれば、俺と結婚したいから、もしくはそうするように誰かに言われたから…ってのが真実かもしれないが、俺はそう簡単に他人を信用できない、ややっこしい性格を獲得してしまったのだ。
『ややこしいのは性格だけじゃ無い気もしますが』
そうだな…そうかもしれない。こういう性格になったのはお前のせいだけどな、サラ。
『は~~!? この素直で優しく可愛いサラちゃんのせいって、どういう事ですか!』
いや、そういうところだよ…俺が他人を簡単に信じられなくなったのは。
『何でですかー! この純真無垢な性格のサラちゃんを信用できないなんて、大河さんの性格が歪みまくってる証拠です! まるで股間の一物のように右にまが…』
うるさい! 曲がってない! …よな? ってか、何でお前がそんな事知ってるんだよ!
『え? そりゃ見たからに決まってるじゃないですか…じゅるり』
それだから信用できねーんだよ! お前は欲望のまま行動するだろうーが!
『自分の欲望に忠実なんです!』
それのどこが純真無垢なんだよ!
『ちゃんと純真無垢ですよ、まだ使ってませんから』
正しい言葉の使い方を勉強してから出直してこーーーい!
はぁはぁ…夜中だっちゅーのに疲れる奴だ…
ホワイト・オルター号は無事山脈を越えて、この広大な盆地をまた山脈沿いにアーテリオス神国へとゆっくりと進んでいた。
べダム首長との話では、到着時に不思議ちゃん回収部隊が、着陸ポイントに待っててくれるらしい。
彼女が本当に天然なのか、はたまた何を企んでいるのかはわからないが、あとは太陽神の教会にお任せしよう。
何かを企んでいるようであれば、そこで色々と動きがあると思うし、天然ならぜひともしっかりと教養を身に着けて更生(?)してもらいたいもので去る。
そんな明日の神国到着とその後の事を考えながらベッドで横になっていると、ふいに通信の呪法具の呼び出し音が、しんと静まり返った深夜の船内に響き渡った。
慌てて俺が音の発信源である船室備え付けのテーブルへと向かうと、鳴っていたのは我が家に緊急連絡用として置いてきた呪法具からだった。
もしや…俺たちの不在の間に、トールヴァルド地区に何か起きたのか!?
『もしもし! 何があったんだ!?』
慌てて通信を開始すると、法具の向こうからドワーフメイドさんの弱々しい声が俺の耳に届いた。
『旦那さま~…もう限界です…』
あのいつも元気なロリっ子ドワーフメイドさんに、一体何が!?
『どうした、何がった? 敵か!?』
『強敵です…もう私が最後の…』
くっ! 俺たちが不在の間を狙った攻撃か! どっかの貴族か? まさか、モフリーナがダンジョンの管理をしくじって魔獣がスタンピードを起こしたとか、いやいや天災でも起ったか?
『雪崩が…止まりません…』
雪崩だと!? 確かに俺の領地は山脈と隣接しているが、山頂に雪が積もる季節はまだ先だ。
いや、よしんば積もったとしても街まで雪崩が到達するほどの降雪量は無い。
人為的な雪崩なのか、そんな恐ろしい魔法を使う奴が攻めてきたのか?
『…二人はすでに下敷きに…何とか救出しましたが…もうこれ以上は…』
やばいやばいやばい!
『街は…街の住民は無事か?』
俺の屋敷までもが雪崩に巻き込まれているとすれば、間違いなく街は雪崩の下敷きになっているだろうが、聞かずにはおけない。
『え? 街は何ともありませんよ?』
『ん?』
『え?』
『『……』』
何か認識に大きな齟齬があるような…
『もう、出発してから2週間以上経ちます…書類が溜まりすぎて、私たちではとても処理が…崩れるばかりです…』
まさか、漫画みたいに積み上げた書類が雪崩を起こしたとか?
『早くかえってきてくださ~~~~い! おいがだでは、もうどうにもでぎねぁ!!』
ドワーフ弁で叫ばれた! こりゃかなり危険な状態だ!
『まさが遊んでらんでねぁだべね? おいがだは毎日必死さ仕事してらども!』
こりゃ、めっちゃくちゃ激オコだ!
そういえば、屋敷を出発する前に…
「留守の間、この屋敷の一切をまかせます」
ってドワーフメイドさんに言った記憶は確かにあるが、まさか書類仕事までしてくれるとは思わなかった。
俺の決裁が必要なものには手を出してないだろうが、普段俺がやってる仕事や、マチルダやメリルに任せてた仕事を合わせれば、膨大な量になるはず。
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