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ココっすか!?
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今回の上京の目的は、蒸気自動車の耐久テストを兼ねたメリルの里帰りと、父さんが昇爵した時に備えて王都での邸宅の物色しながら、ぶらぶら王都観光のつもりだった。
だったんだけど、王様が軍務大臣補佐(予定)を強引に決めちゃって、父さんが頷いたもんだから、確実に邸宅は決めなきゃいけなくなった。
元々は俺たちで下見して決めるつもりだったんだよ。身の丈に合った、こじんまりとしてて使いやすい家を。
そう、‟家”を探しに来たんだよ。邸宅や屋敷って言っても、住むのは両親と使用人ぐらいなんだから、実家よりもちょい小さめで良いかなって思ってたんだよ。
「メリルの義父になるんじゃから、それなりの屋敷は必要じゃの。仮にもお主の孫は王家の血を引く者となるのじゃぞ? どれ、わしが屋敷を用意してやろう。いやいや気にする事は無い! 使用人も一緒に用意しておくから、お主は着換えだけ持ってくればよい。ちょうど先々代様が隠居に使っておった屋敷が空いておるから、そこを使えば良い。いや~あそこは美しい庭園もある事だし、良い屋敷じゃ。くれてやるから、好きに使え!」
でも、何故か王様が屋敷をくれる話になっちゃった。
ってことで、本日はその屋敷を見に来たんだが……マジでコレなん? 大きすぎじゃね? いや、間違ってるっしょ! え、ココであってるの?
屋敷を管理している案内の役人さんの先導で、馬車で連れて来てもらったけど、目の前にあるのは紛う事なきお城。
マジでマジで、ココっすか? あ、絶対に間違いないんすか…そうっすか…。
ここは王城から馬車で15分ほどにある、閑静な貴族街の中心地。
綺麗に整備された水路がいくつも流れ、道は見事な石畳で覆われているが、決して冷たい印象では無い。
美しく枝葉を整えられた街路樹と水路によって、不思議とこの街並みにも関わらず、暖かい印象を受ける。
人の背丈よりも幾分高い無機質な石創りの塀が延々と続くだけの道なのに、塀の上からも覗く樹々の緑も、柔らかく暖かい印象に一役買っているんだと思う。
道幅も馬車が余裕を持ってすれ違えるほどに広く、常にゴミや馬糞などの清掃係が巡回している、めっちゃ美しい街だ。
王都ってこんな綺麗な場所もあるんだねえ。
父さんと度々上京した時には、普通に市民が利用する宿屋に泊まってたから、こんな街があるって知らなかったよ。
ちょうど俺達が利用してた宿屋とは、お城に対して真逆の位置なんだな。
王城へ入る門は東西南北にあるけど、東と北の門は貴族専用なんだって。この貴族街へ一番近い門だからなんだろうな。
いっつも南の門しか使ってなかったけど、東と南は一般市民や商人・職人の街がある方向なんだとか。
父さん知ってたらしいけど、何でか質素な生活が慣習化してる我が家。
お高い貴族専用の宿は使いたくなかったらしい……そう言えば、父さん元々は城勤めの平騎士だったもんな。
まあ、今までの事はいいや。んで目の前の上品で優雅な装飾が施された鋳物の門扉から見える庭園はよく手入れされており、美しい花々が咲き乱れる花壇の先には、石造りの重厚な建物が鎮座していた。
左右対称で簡素にして武骨にも見える5階建てではあるが、それが庭園の花々と相まって絶妙な美的効果を生んでいる。
リズミカルに配置された円柱状の尖塔も、良いアクセントとなって……って、これウィンザー城じゃね!?
イギリスのエリザベス2世女王陛下の大のお気に入りの、あのウィンザー城!
あ、厳密にはあそこまで大きくは無いけど、それでも巨大な建物だよ! 敷地には聖ジョージ礼拝堂が無いし、あんなに広大な敷地面積も、頑丈そうな城壁も、使用人のアパートメントも無いけど、確かにこの建築様式は、あの名城と名高いウィンザー城にそっくり! ってか、その物じゃん!
いや~1度は行ってみたかったなあ~! あの有名なおもちゃの兵隊さんのモデルにもなった、赤い上着に熊の毛皮のもこもこ帽子で、ザッザって綺麗にならんで歩いてやる衛兵交代式は生で見たかった!
何回も動画で見たもんだよ、本当に……って、マジでココっすか!?
親父、どうすんだよ! でかすぎんだろ! 母さんも何か言ってやれよ! あ…二人とも気を失ってる……
ミルシェとミレーラは、ともにキャッキャと嬉しそう。
コルネちゃん…お口は閉じようね。涎が垂れちゃうから。
え? メリルは来た事あるの? そりゃそうか、先々代の王様の終の棲家なんだもんね。知っててもおかしくはないか。
本当にもらっていいんだろうか? はあ、陛下がやるっていったんだから、いいんじゃないかって? そらそうですけど。
そんで中はどんな感じ? 詳しくは知らないけど、部屋数は100ぐらい? ホールが大・中・小とあって、食堂が4つ? その他に…地下にも何かあるの!? もういいです……お腹いっぱいです。
俺も気絶していいかな……
だったんだけど、王様が軍務大臣補佐(予定)を強引に決めちゃって、父さんが頷いたもんだから、確実に邸宅は決めなきゃいけなくなった。
元々は俺たちで下見して決めるつもりだったんだよ。身の丈に合った、こじんまりとしてて使いやすい家を。
そう、‟家”を探しに来たんだよ。邸宅や屋敷って言っても、住むのは両親と使用人ぐらいなんだから、実家よりもちょい小さめで良いかなって思ってたんだよ。
「メリルの義父になるんじゃから、それなりの屋敷は必要じゃの。仮にもお主の孫は王家の血を引く者となるのじゃぞ? どれ、わしが屋敷を用意してやろう。いやいや気にする事は無い! 使用人も一緒に用意しておくから、お主は着換えだけ持ってくればよい。ちょうど先々代様が隠居に使っておった屋敷が空いておるから、そこを使えば良い。いや~あそこは美しい庭園もある事だし、良い屋敷じゃ。くれてやるから、好きに使え!」
でも、何故か王様が屋敷をくれる話になっちゃった。
ってことで、本日はその屋敷を見に来たんだが……マジでコレなん? 大きすぎじゃね? いや、間違ってるっしょ! え、ココであってるの?
屋敷を管理している案内の役人さんの先導で、馬車で連れて来てもらったけど、目の前にあるのは紛う事なきお城。
マジでマジで、ココっすか? あ、絶対に間違いないんすか…そうっすか…。
ここは王城から馬車で15分ほどにある、閑静な貴族街の中心地。
綺麗に整備された水路がいくつも流れ、道は見事な石畳で覆われているが、決して冷たい印象では無い。
美しく枝葉を整えられた街路樹と水路によって、不思議とこの街並みにも関わらず、暖かい印象を受ける。
人の背丈よりも幾分高い無機質な石創りの塀が延々と続くだけの道なのに、塀の上からも覗く樹々の緑も、柔らかく暖かい印象に一役買っているんだと思う。
道幅も馬車が余裕を持ってすれ違えるほどに広く、常にゴミや馬糞などの清掃係が巡回している、めっちゃ美しい街だ。
王都ってこんな綺麗な場所もあるんだねえ。
父さんと度々上京した時には、普通に市民が利用する宿屋に泊まってたから、こんな街があるって知らなかったよ。
ちょうど俺達が利用してた宿屋とは、お城に対して真逆の位置なんだな。
王城へ入る門は東西南北にあるけど、東と北の門は貴族専用なんだって。この貴族街へ一番近い門だからなんだろうな。
いっつも南の門しか使ってなかったけど、東と南は一般市民や商人・職人の街がある方向なんだとか。
父さん知ってたらしいけど、何でか質素な生活が慣習化してる我が家。
お高い貴族専用の宿は使いたくなかったらしい……そう言えば、父さん元々は城勤めの平騎士だったもんな。
まあ、今までの事はいいや。んで目の前の上品で優雅な装飾が施された鋳物の門扉から見える庭園はよく手入れされており、美しい花々が咲き乱れる花壇の先には、石造りの重厚な建物が鎮座していた。
左右対称で簡素にして武骨にも見える5階建てではあるが、それが庭園の花々と相まって絶妙な美的効果を生んでいる。
リズミカルに配置された円柱状の尖塔も、良いアクセントとなって……って、これウィンザー城じゃね!?
イギリスのエリザベス2世女王陛下の大のお気に入りの、あのウィンザー城!
あ、厳密にはあそこまで大きくは無いけど、それでも巨大な建物だよ! 敷地には聖ジョージ礼拝堂が無いし、あんなに広大な敷地面積も、頑丈そうな城壁も、使用人のアパートメントも無いけど、確かにこの建築様式は、あの名城と名高いウィンザー城にそっくり! ってか、その物じゃん!
いや~1度は行ってみたかったなあ~! あの有名なおもちゃの兵隊さんのモデルにもなった、赤い上着に熊の毛皮のもこもこ帽子で、ザッザって綺麗にならんで歩いてやる衛兵交代式は生で見たかった!
何回も動画で見たもんだよ、本当に……って、マジでココっすか!?
親父、どうすんだよ! でかすぎんだろ! 母さんも何か言ってやれよ! あ…二人とも気を失ってる……
ミルシェとミレーラは、ともにキャッキャと嬉しそう。
コルネちゃん…お口は閉じようね。涎が垂れちゃうから。
え? メリルは来た事あるの? そりゃそうか、先々代の王様の終の棲家なんだもんね。知っててもおかしくはないか。
本当にもらっていいんだろうか? はあ、陛下がやるっていったんだから、いいんじゃないかって? そらそうですけど。
そんで中はどんな感じ? 詳しくは知らないけど、部屋数は100ぐらい? ホールが大・中・小とあって、食堂が4つ? その他に…地下にも何かあるの!? もういいです……お腹いっぱいです。
俺も気絶していいかな……
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