117 / 1,457
新たな交通手段
しおりを挟む
まあ、何時何処に来るかもわからん敵をずっと警戒するのも難しいんだが、備えだけはしておかなきゃな。
ってことで、備えの第一弾として、新たな交通手段と通信手段の開発に着手しよう!
前々から考えていた様に、まずは飛行船の製造と思ったが、ちと今の技術力では難しい。
ガチャ玉で創れば簡単なんだが、それではいくらガチャ玉があっても足りない。
なぜなら、新しい交通手段は俺だけが使うわけじゃ無いからだ。
少なくとも、この世界の技術力で製造・運営していける様にしたい。
そうしないと、新たな交通手段とは言えないからな。俺だけが便利になっても仕方が無いんだよ。
飛行船には、この星の科学技術では製造出来ない物が多すぎる。
って事で、飛行船は一旦保留。
空が難しいなら陸上……つまり、自動車の製造だ!
列車の方が構造は簡単なんだが、レールを敷くのが大変だから却下。
自動車って言っても、ガソリンや軽油で動く内燃機関を作る事こそ難しいが、別にそれにこだわらなければ、そう難しいものでも無い。
地球でも初期の自動車の動力源である、蒸気機関を動力とすれば、今の技術力でも出来るはず。
そう! 昔の映画なんかにも出てくる、あの蒸気自動車だ!
実際の蒸気機関ってのは、高度な知識と技術と高い工作制度が求められるんだが、そんなのは魔道具で解決できる。
巨大な水タンクと燃料を搭載して走るなんて事をしなくとも、水を生み出す魔道具と、それを加熱する魔道具を組み合わせて、ボイラーからピストンでエネルギーを取り出し、車輪を動かすのが一番簡単な仕組みのはずだ。
ピストンやボイラーの工作は、ドワーフの皆さんや鍛冶職人の皆さんにお願いする事にした。
やはり鍛冶のプロに任せた方が良い。細かな仕様書を俺が書いて、発注した。
蒸気機関を搭載する馬車も、大幅に手を入れなけりゃだめだ。
ハンドル、アクセル、ブレーキ、サスペンション、ショック・アブソーバーの開発をしなくては話にならん!
この辺も概要書と仕様書を書いて、発注した。
ゴムタイヤは出来ないので木製車輪だが、金属製の車軸にシャフト状のベアリングを取り付けた。
ブレーキは、直接車輪を抑える形。自転車のブレーキに近いかな。
ハンドルはそう難しくなかったが、動きが軽すぎると直進性が落ちるので、ステアリング・ダンパーに近い物を新たに設計した。
実は、この構造って昔遊んでたラジコンを元にしてるんだけどね。
ん~! やっぱメカメカしてるのって楽しいな! なんで男って、こう機械いじりとか好きなんだろうな~。
蒸気自動車の製作に没頭してたら、マチルダさんに耳を引っ張られた。
「お仕事をしてください!」
そのまま耳が千切れるかっていう勢いで引っ張られたまま、執務室に連行されました……トホホ。
▲
構想から完成まで実に半年! とうとう蒸気自動車試作第一号が完成しました!
形状は平ボディータイプのトラックに近く、長い荷台が特徴。
蒸気機関は荷台の下に取り付けられ、蒸気機関車と同様にピストンで車輪を直接動かす形。
魔道具を使用して構成された蒸気機関は、非常にコンパクトであり乍ら、そこそこの馬力を発揮。
最高速度はおよそ40~50km/hと言った程度だが、馬と違って休憩の必要も無い。
照明と魔石さえ準備できていれば、昼夜問わず走らせる事が可能。
しかもサスペンション、アブソーバーの開発により、乗り心地も大きく改善された。まあ、座席にクッションは必要だけどね。
一日8時間で300kmほど走ったとして、王都まで7日で着く計算だ。なんと今までの日程の半分!
王都まで特に用事も無かったのだが、この際なので耐久性のテストを兼ねて行ってみる事にした。
もちろんメンテナンス要員のドワーフさん2人と、婚約者~ずと天鬼族3人娘、両親とコルネちゃんとナディア、そして俺。
総勢12人だが、荷台と操縦席に幌を掛けて、座席もきっちり設置。必要資材を満載にした。
もちろん負荷テストも兼ねてるんで、酷使しなきゃね。
もしもの場合に備えて、予め決めておいたポイントに10台の馬車を先行して配備。
これで修理不可能な場合でも大丈夫なはず。
「お兄ちゃん、本当にこれで行けるの?」
コルネちゃんや、お兄ちゃんを信じなさい!
「トール様、本当に大丈夫ですか?」
「怖かったら留守番でもいいけど?」
メリルが、プルプルと首を横に振った。1人だけ留守番は嫌らしい。
「父さんも母さんも、準備は良い? といっても、座ってるだけなんだけど」
皆、ちょっとおっかなびっくりだけど、準備良さそうだね。
見送りに来てたマチルダさんやイネスさんに、申し訳ないけど後の事をお願いして、さあ出発だー!
ってことで、備えの第一弾として、新たな交通手段と通信手段の開発に着手しよう!
前々から考えていた様に、まずは飛行船の製造と思ったが、ちと今の技術力では難しい。
ガチャ玉で創れば簡単なんだが、それではいくらガチャ玉があっても足りない。
なぜなら、新しい交通手段は俺だけが使うわけじゃ無いからだ。
少なくとも、この世界の技術力で製造・運営していける様にしたい。
そうしないと、新たな交通手段とは言えないからな。俺だけが便利になっても仕方が無いんだよ。
飛行船には、この星の科学技術では製造出来ない物が多すぎる。
って事で、飛行船は一旦保留。
空が難しいなら陸上……つまり、自動車の製造だ!
列車の方が構造は簡単なんだが、レールを敷くのが大変だから却下。
自動車って言っても、ガソリンや軽油で動く内燃機関を作る事こそ難しいが、別にそれにこだわらなければ、そう難しいものでも無い。
地球でも初期の自動車の動力源である、蒸気機関を動力とすれば、今の技術力でも出来るはず。
そう! 昔の映画なんかにも出てくる、あの蒸気自動車だ!
実際の蒸気機関ってのは、高度な知識と技術と高い工作制度が求められるんだが、そんなのは魔道具で解決できる。
巨大な水タンクと燃料を搭載して走るなんて事をしなくとも、水を生み出す魔道具と、それを加熱する魔道具を組み合わせて、ボイラーからピストンでエネルギーを取り出し、車輪を動かすのが一番簡単な仕組みのはずだ。
ピストンやボイラーの工作は、ドワーフの皆さんや鍛冶職人の皆さんにお願いする事にした。
やはり鍛冶のプロに任せた方が良い。細かな仕様書を俺が書いて、発注した。
蒸気機関を搭載する馬車も、大幅に手を入れなけりゃだめだ。
ハンドル、アクセル、ブレーキ、サスペンション、ショック・アブソーバーの開発をしなくては話にならん!
この辺も概要書と仕様書を書いて、発注した。
ゴムタイヤは出来ないので木製車輪だが、金属製の車軸にシャフト状のベアリングを取り付けた。
ブレーキは、直接車輪を抑える形。自転車のブレーキに近いかな。
ハンドルはそう難しくなかったが、動きが軽すぎると直進性が落ちるので、ステアリング・ダンパーに近い物を新たに設計した。
実は、この構造って昔遊んでたラジコンを元にしてるんだけどね。
ん~! やっぱメカメカしてるのって楽しいな! なんで男って、こう機械いじりとか好きなんだろうな~。
蒸気自動車の製作に没頭してたら、マチルダさんに耳を引っ張られた。
「お仕事をしてください!」
そのまま耳が千切れるかっていう勢いで引っ張られたまま、執務室に連行されました……トホホ。
▲
構想から完成まで実に半年! とうとう蒸気自動車試作第一号が完成しました!
形状は平ボディータイプのトラックに近く、長い荷台が特徴。
蒸気機関は荷台の下に取り付けられ、蒸気機関車と同様にピストンで車輪を直接動かす形。
魔道具を使用して構成された蒸気機関は、非常にコンパクトであり乍ら、そこそこの馬力を発揮。
最高速度はおよそ40~50km/hと言った程度だが、馬と違って休憩の必要も無い。
照明と魔石さえ準備できていれば、昼夜問わず走らせる事が可能。
しかもサスペンション、アブソーバーの開発により、乗り心地も大きく改善された。まあ、座席にクッションは必要だけどね。
一日8時間で300kmほど走ったとして、王都まで7日で着く計算だ。なんと今までの日程の半分!
王都まで特に用事も無かったのだが、この際なので耐久性のテストを兼ねて行ってみる事にした。
もちろんメンテナンス要員のドワーフさん2人と、婚約者~ずと天鬼族3人娘、両親とコルネちゃんとナディア、そして俺。
総勢12人だが、荷台と操縦席に幌を掛けて、座席もきっちり設置。必要資材を満載にした。
もちろん負荷テストも兼ねてるんで、酷使しなきゃね。
もしもの場合に備えて、予め決めておいたポイントに10台の馬車を先行して配備。
これで修理不可能な場合でも大丈夫なはず。
「お兄ちゃん、本当にこれで行けるの?」
コルネちゃんや、お兄ちゃんを信じなさい!
「トール様、本当に大丈夫ですか?」
「怖かったら留守番でもいいけど?」
メリルが、プルプルと首を横に振った。1人だけ留守番は嫌らしい。
「父さんも母さんも、準備は良い? といっても、座ってるだけなんだけど」
皆、ちょっとおっかなびっくりだけど、準備良さそうだね。
見送りに来てたマチルダさんやイネスさんに、申し訳ないけど後の事をお願いして、さあ出発だー!
12
お気に入りに追加
1,639
あなたにおすすめの小説
異世界へ全てを持っていく少年- 快適なモンスターハントのはずが、いつの間にか勇者に取り込まれそうな感じです。この先どうなるの?
初老の妄想
ファンタジー
17歳で死んだ俺は、神と名乗るものから「なんでも願いを一つかなえてやる」そして「望む世界に行かせてやる」と言われた。
俺の願いはシンプルだった『現世の全てを入れたストレージをくれ』、タダそれだけだ。
神は喜んで(?)俺の願いをかなえてくれた。
希望した世界は魔法があるモンスターだらけの異世界だ。
そう、俺の夢は銃でモンスターを狩ることだったから。
俺の旅は始まったところだが、この異世界には希望通り魔法とモンスターが溢れていた。
予定通り、バンバン撃ちまくっている・・・
だが、俺の希望とは違って勇者もいるらしい、それに魔竜というやつも・・・
いつの間にか、おれは魔竜退治と言うものに取り込まれているようだ。
神にそんな事を頼んだ覚えは無いが、勇者は要らないと言っていなかった俺のミスだろう。
それでも、一緒に居るちっこい美少女や、美人エルフとの旅は楽しくなって来ていた。
この先も何が起こるかはわからないのだが、楽しくやれそうな気もしている。
なんと言っても、おれはこの世の全てを持って来たのだからな。
きっと、楽しくなるだろう。
※異世界で物語が展開します。現世の常識は適用されません。
※残酷なシーンが普通に出てきます。
※魔法はありますが、主人公以外にスキル(?)は出てきません。
※ステータス画面とLvも出てきません。
※現代兵器なども妄想で書いていますのでスペックは想像です。
死んだのに異世界に転生しました!
drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。
この物語は異世界テンプレ要素が多いです。
主人公最強&チートですね
主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください!
初めて書くので
読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。
それでもいいという方はどうぞ!
(本編は完結しました)
異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
転生したら神だった。どうすんの?
埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの?
人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。
辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
Lunaire
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
転生令息は攻略拒否!?~前世の記憶持ってます!~
深郷由希菜
ファンタジー
前世の記憶持ちの令息、ジョーン・マレットスは悩んでいた。
ここの世界は、前世で妹がやっていたR15のゲームで、自分が攻略対象の貴族であることを知っている。
それはまだいいが、攻略されることに抵抗のある『ある理由』があって・・・?!
(追記.2018.06.24)
物語を書く上で、特に知識不足なところはネットで調べて書いております。
もし違っていた場合は修正しますので、遠慮なくお伝えください。
(追記2018.07.02)
お気に入り400超え、驚きで声が出なくなっています。
どんどん上がる順位に不審者になりそうで怖いです。
(追記2018.07.24)
お気に入りが最高634まできましたが、600超えた今も嬉しく思います。
今更ですが1日1エピソードは書きたいと思ってますが、かなりマイペースで進行しています。
ちなみに不審者は通り越しました。
(追記2018.07.26)
完結しました。要らないとタイトルに書いておきながらかなり使っていたので、サブタイトルを要りませんから持ってます、に変更しました。
お気に入りしてくださった方、見てくださった方、ありがとうございました!
異世界転生~チート魔法でスローライフ
リョンコ
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる