7 / 1,457
魔法の入門書
しおりを挟む
その夜、家族で食事をしている最中に父さんに詰め寄った。
「お父さん、魔法の本はどこ!? あの本は表紙だけで中身は別の本だったよ?」
ブフォ! ガフッ! 父さん盛大に噴き出した。
「お……おま……あれ見たのか!」
「あらトールちゃん、何の話?」
父さんが慌て、母さんが話に喰いついた。
「実は父さんの部屋にあるまほ……ングッ」
食卓を回り込んだ父さんに口を塞がれた!
「ま……魔法の本な、あれな~後で貸してやるからな~」
「フガンガガ?」
「あなた? トールちゃんの口から手をはなして。トールちゃん何の話か説明なさい」
父さんをチラッと見ると、目で言うなと訴えている。
ふふん! 精神年齢42+5歳の俺にはわかるぜ!
ファンタジーの世界だけでなく、地球だって中世では本はかなり良いお値段。
特にこんな片田舎で、本なんて高級品を手に入れるのは、かなり難しいはず。
だって行商人しか来ないんだぜ、あんな買い手が限定される物を行商するわけない。
そもそも、官能小説ったって好みがある。
兄×妹物、姉×弟物、母×息子物、父×娘物、人妻寝取り、ダブル不倫、レイプ系、いちゃらぶ系……etc
その上、日本だって一大勢力を築き上げたBL物もある。
あの本は巨乳人妻寝取り系だった……趣味が合うな父さん……。
「お母さん、実は魔法の本が見たくって探したけど見つからなくって」
父さん武士の情けだ。あとであの本もう一度じっくり読ませてね。
「中身とか表紙とか言ってなかった?」
「ん~~? そんなこと言ったっけ?」
「あら……私の聞き間違いかしら……まあいいわ。あなたトールちゃんに魔法の本貸してあげてね」
微妙に疑ってはいるが、母さんは誤魔化せた感じだ。
マイ エンジェル コルネちゃんがグズり始めたから有耶無耶になったともいう。
父さんに目でシグナルを送っておいた。
貸し一つだぜ。
「ああ、もちろんだ。トールは魔法が使いたいんだな! わかったまかせとけ! ハッハッハッハ!」
ワザとらしすぎだよ、父さん。
父さんの部屋で魔法の本(中身だけ)と、グーダイド王国史という本を借りた。
「お父さん中身だけって……お母さんにばれるよ?」
「うっ……」
「今回は黙ってるけど、そのうち気付かれちゃうからね」
女の勘ってのは馬鹿に出来ないのだよ、覚えておきなさい父さん。
「わかった……取りあえず表紙をくっ付けておこう……」
なぜか父さんは、渋々魔法の本の表紙を中身と合体させた。
そんなにその表紙が気に入ってたのか?
俺は本が手に入ればいいんだが…重要な事なんで、一言だけ言っておこう。
「その本も後で貸してね、エヘッ」
上目遣いで可愛くおねだりしてみた。
「お前にはまだ早い!」
まあ、まだ5歳だからね。
年齢相応の肉体だから性欲もないんだけどさ。
きっとそのうち抑えきれないリビドーが爆発するはずだから、その前に貸してくれればいいよ。
ちゃんと隠れて自爆するからさ。
はっ! まさか父さんも自爆してるのか?
まさか将来同じネタで……自爆父子……何か虚しい。
▲
我が家の部屋割りは、父さん、母さんと妹、俺で3部屋に分かれている。
母さんが妹を妊娠するまでは、俺と母さんが一緒だった。
通い妻だったんだな……母さん。
まあ年齢相応に暗くなると眠くなるから、俺が寝入った頃に父さんの部屋に行ってたんだろう。
朝はいつも俺より早いから、まあ気付かなかったわけだ。
両親の情事なんて見たくもないし、別にいいんだが。
そんなわけで俺の部屋を貰ったんで、早速読書タイムだ。
賢者タイムじゃないから、そこんとこ間違えないように。
まずは魔法の入門書っと……ふむふむ……なるほど誰でも魔法は使えるっと。
適正はある程度以上の魔法の行使に影響するって事か。
初級魔法なら練習次第で誰にでも使えるってのはいいな。
魔法の行使には魔素が必要とな?魔力じゃないのか……。
ほうほう、魔素とはこの世界に満ちていて、基本的に何処にでもあるのか。
大気の組成の一部と解釈していいのかな?
魔素の濃い場所では、同じ魔法でも威力が上がるのか。
なかなか興味深いな魔法。
やり方次第で色々と応用が出来そうで、探求心がうずうずしてくる。
やっぱファンタジーは、こうでなくっちゃな。
そりゃ、ファンタジー小説の主人公が魔法鍛えて無双したくもなるのも分かるぜ。
ふむふむ……ほうほう……おぉー! なるほど……ふむ……。
こうして部屋にある蝋燭が尽きるまで読書を続けた。
「トールちゃん、早く寝なさい! 蝋燭も高いのよ! 本は昼間に読みなさい!」
夜更かししてたら、母さんにめっちゃ怒られた。
「お父さん、魔法の本はどこ!? あの本は表紙だけで中身は別の本だったよ?」
ブフォ! ガフッ! 父さん盛大に噴き出した。
「お……おま……あれ見たのか!」
「あらトールちゃん、何の話?」
父さんが慌て、母さんが話に喰いついた。
「実は父さんの部屋にあるまほ……ングッ」
食卓を回り込んだ父さんに口を塞がれた!
「ま……魔法の本な、あれな~後で貸してやるからな~」
「フガンガガ?」
「あなた? トールちゃんの口から手をはなして。トールちゃん何の話か説明なさい」
父さんをチラッと見ると、目で言うなと訴えている。
ふふん! 精神年齢42+5歳の俺にはわかるぜ!
ファンタジーの世界だけでなく、地球だって中世では本はかなり良いお値段。
特にこんな片田舎で、本なんて高級品を手に入れるのは、かなり難しいはず。
だって行商人しか来ないんだぜ、あんな買い手が限定される物を行商するわけない。
そもそも、官能小説ったって好みがある。
兄×妹物、姉×弟物、母×息子物、父×娘物、人妻寝取り、ダブル不倫、レイプ系、いちゃらぶ系……etc
その上、日本だって一大勢力を築き上げたBL物もある。
あの本は巨乳人妻寝取り系だった……趣味が合うな父さん……。
「お母さん、実は魔法の本が見たくって探したけど見つからなくって」
父さん武士の情けだ。あとであの本もう一度じっくり読ませてね。
「中身とか表紙とか言ってなかった?」
「ん~~? そんなこと言ったっけ?」
「あら……私の聞き間違いかしら……まあいいわ。あなたトールちゃんに魔法の本貸してあげてね」
微妙に疑ってはいるが、母さんは誤魔化せた感じだ。
マイ エンジェル コルネちゃんがグズり始めたから有耶無耶になったともいう。
父さんに目でシグナルを送っておいた。
貸し一つだぜ。
「ああ、もちろんだ。トールは魔法が使いたいんだな! わかったまかせとけ! ハッハッハッハ!」
ワザとらしすぎだよ、父さん。
父さんの部屋で魔法の本(中身だけ)と、グーダイド王国史という本を借りた。
「お父さん中身だけって……お母さんにばれるよ?」
「うっ……」
「今回は黙ってるけど、そのうち気付かれちゃうからね」
女の勘ってのは馬鹿に出来ないのだよ、覚えておきなさい父さん。
「わかった……取りあえず表紙をくっ付けておこう……」
なぜか父さんは、渋々魔法の本の表紙を中身と合体させた。
そんなにその表紙が気に入ってたのか?
俺は本が手に入ればいいんだが…重要な事なんで、一言だけ言っておこう。
「その本も後で貸してね、エヘッ」
上目遣いで可愛くおねだりしてみた。
「お前にはまだ早い!」
まあ、まだ5歳だからね。
年齢相応の肉体だから性欲もないんだけどさ。
きっとそのうち抑えきれないリビドーが爆発するはずだから、その前に貸してくれればいいよ。
ちゃんと隠れて自爆するからさ。
はっ! まさか父さんも自爆してるのか?
まさか将来同じネタで……自爆父子……何か虚しい。
▲
我が家の部屋割りは、父さん、母さんと妹、俺で3部屋に分かれている。
母さんが妹を妊娠するまでは、俺と母さんが一緒だった。
通い妻だったんだな……母さん。
まあ年齢相応に暗くなると眠くなるから、俺が寝入った頃に父さんの部屋に行ってたんだろう。
朝はいつも俺より早いから、まあ気付かなかったわけだ。
両親の情事なんて見たくもないし、別にいいんだが。
そんなわけで俺の部屋を貰ったんで、早速読書タイムだ。
賢者タイムじゃないから、そこんとこ間違えないように。
まずは魔法の入門書っと……ふむふむ……なるほど誰でも魔法は使えるっと。
適正はある程度以上の魔法の行使に影響するって事か。
初級魔法なら練習次第で誰にでも使えるってのはいいな。
魔法の行使には魔素が必要とな?魔力じゃないのか……。
ほうほう、魔素とはこの世界に満ちていて、基本的に何処にでもあるのか。
大気の組成の一部と解釈していいのかな?
魔素の濃い場所では、同じ魔法でも威力が上がるのか。
なかなか興味深いな魔法。
やり方次第で色々と応用が出来そうで、探求心がうずうずしてくる。
やっぱファンタジーは、こうでなくっちゃな。
そりゃ、ファンタジー小説の主人公が魔法鍛えて無双したくもなるのも分かるぜ。
ふむふむ……ほうほう……おぉー! なるほど……ふむ……。
こうして部屋にある蝋燭が尽きるまで読書を続けた。
「トールちゃん、早く寝なさい! 蝋燭も高いのよ! 本は昼間に読みなさい!」
夜更かししてたら、母さんにめっちゃ怒られた。
102
お気に入りに追加
1,639
あなたにおすすめの小説
異世界へ全てを持っていく少年- 快適なモンスターハントのはずが、いつの間にか勇者に取り込まれそうな感じです。この先どうなるの?
初老の妄想
ファンタジー
17歳で死んだ俺は、神と名乗るものから「なんでも願いを一つかなえてやる」そして「望む世界に行かせてやる」と言われた。
俺の願いはシンプルだった『現世の全てを入れたストレージをくれ』、タダそれだけだ。
神は喜んで(?)俺の願いをかなえてくれた。
希望した世界は魔法があるモンスターだらけの異世界だ。
そう、俺の夢は銃でモンスターを狩ることだったから。
俺の旅は始まったところだが、この異世界には希望通り魔法とモンスターが溢れていた。
予定通り、バンバン撃ちまくっている・・・
だが、俺の希望とは違って勇者もいるらしい、それに魔竜というやつも・・・
いつの間にか、おれは魔竜退治と言うものに取り込まれているようだ。
神にそんな事を頼んだ覚えは無いが、勇者は要らないと言っていなかった俺のミスだろう。
それでも、一緒に居るちっこい美少女や、美人エルフとの旅は楽しくなって来ていた。
この先も何が起こるかはわからないのだが、楽しくやれそうな気もしている。
なんと言っても、おれはこの世の全てを持って来たのだからな。
きっと、楽しくなるだろう。
※異世界で物語が展開します。現世の常識は適用されません。
※残酷なシーンが普通に出てきます。
※魔法はありますが、主人公以外にスキル(?)は出てきません。
※ステータス画面とLvも出てきません。
※現代兵器なども妄想で書いていますのでスペックは想像です。
死んだのに異世界に転生しました!
drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。
この物語は異世界テンプレ要素が多いです。
主人公最強&チートですね
主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください!
初めて書くので
読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。
それでもいいという方はどうぞ!
(本編は完結しました)
異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
転生したら神だった。どうすんの?
埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの?
人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。
辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
Lunaire
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
転生令息は攻略拒否!?~前世の記憶持ってます!~
深郷由希菜
ファンタジー
前世の記憶持ちの令息、ジョーン・マレットスは悩んでいた。
ここの世界は、前世で妹がやっていたR15のゲームで、自分が攻略対象の貴族であることを知っている。
それはまだいいが、攻略されることに抵抗のある『ある理由』があって・・・?!
(追記.2018.06.24)
物語を書く上で、特に知識不足なところはネットで調べて書いております。
もし違っていた場合は修正しますので、遠慮なくお伝えください。
(追記2018.07.02)
お気に入り400超え、驚きで声が出なくなっています。
どんどん上がる順位に不審者になりそうで怖いです。
(追記2018.07.24)
お気に入りが最高634まできましたが、600超えた今も嬉しく思います。
今更ですが1日1エピソードは書きたいと思ってますが、かなりマイペースで進行しています。
ちなみに不審者は通り越しました。
(追記2018.07.26)
完結しました。要らないとタイトルに書いておきながらかなり使っていたので、サブタイトルを要りませんから持ってます、に変更しました。
お気に入りしてくださった方、見てくださった方、ありがとうございました!
異世界転生~チート魔法でスローライフ
リョンコ
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる