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第十一章 父子
第十一章④ ♡
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果たしてどれほどの時間が過ぎたのか。昼食の時間もとうに過ぎているのではないか。けれども、空腹を感じる余裕は、肇にはもはや残されていない。今分かることといえば、とにかく快楽。どこを向いても気持ちいいことだけ。暴力的なまでの快感に、絶え間なく襲われ続けている。
「い゛♡ ひっ♡ やっ、あぁ……っ」
「親父っ、今誰ので気持ちよくなってる?」
「はっ、あ゛っ? んぁ、あ……♡」
四つん這いにさせられて、腰をしっかりと掴まれて、後ろから激しく穿たれる。自分で姿勢を保つことさえできなくなって、薫にようやく支えられている。涙にぼやけ、揺れる視界に、薫の影が眩しく光る。
「か、おる……?」
「んふふ、かわいいけど不正解。今肇を抱いてるのは真純だよ。僕じゃない」
「親父、おれをこんなやつと一緒にすんなよ」
「それはこっちの台詞だから! 真純の小っちゃいのと一緒にされちゃ堪んないよ」
「あんたのはただでかいだけだろ。おれはこれから成長するんだ」
「ふーんだ。肇はおっきいちんちんが好きなんだもんね~」
二人の男の声がうるさい。それよりも己の声の方が耳障りだ。甘えて媚びを売るような、アラフォーのおっさんが出していい声ではない。と肇も自覚している。
「親父、おれのだっていいだろ? 悪くないって、最初に言ってくれたよな」
「んん゛ン♡ もっと……っ、もっとおく……、おくまで……っ」
肇は浅ましく腰をくねらせるが、真純のものでは奥まで届かず、代わりに前立腺をしつこく捏ねられた。
「あァ゛あっ♡ だめだっ、そこだめっ、いくっ……!」
「肇ってば、またイッちゃうの? その前に、僕のもちゃんとかわいがってほしいな」
喘ぎすぎて呼吸もままならないというのに、だらしなく開き切った口に勃起した雄をねじ込まれる。既に何度か射精しているせいか、精液の匂いが口の中いっぱいに広がって、胎が疼いた。
「ふふ、しゃぶっただけでお尻締まっちゃうの、かわいーね」
「んん゛♡ ふ、ンむ……♡」
薫の味だと思うとどんどん唾液が溢れてくる。もっと欲しい。満たしてほしい。喉の渇きを癒してほしい。肇は夢中になって舌を這わせた。
背後で真純の小さく呻く声がした。胎内回帰願望の表れだろうか、何度も何度も飽きることなく、肇の胎に精を放つ。懐かしい温もりを子宮に感じて、肇はうっとりと目を瞑る。
「はい、次は僕の番! 肇、上乗って!」
腰も立たないのに騎乗位なんてできない。だのに、この暴君絶倫彼氏ときたら、肇の都合なんか少しも意に介さずに、肇を自身の上へ跨らせた。
「やっ、んん゛……も、むり……っ」
「支えてあげるから、ゆっくりおいで」
「ちが、も……んんぅ゛……や、ぁぁんっ♡」
膝がガクガク震え、ゆっくり腰を落とすなんて芸当はできやしない。思い切り体重をかけて、奥の奥まで迎え入れてしまった。その衝撃で、肇は白濁を飛ばす。もはや白く濁ってなどいない。精液と呼んでいいのかすら分からない、限界まで薄まった汁だ。
「や゛、あ゛っ♡ もうむり、むりだからっ、かおる……っ」
「大丈夫だよ。怖くないから。もっと気持ちよくなりな」
「ぃや゛っ、むりっ……! かおる、かおるっ……」
「うん、今肇を抱いてるのは僕だよ。もう間違えないでね」
「あ゛っ♡ ぁんっ、かおるぅっ……きもちいいっ……っ!」
「うん、僕も気持ちいい。もっとよくなっていいんだよ」
薫の声がまるで甘露のように肇の心を蕩かせる。もう何だっていい。波のように押し寄せる快楽に溺れて、遥か彼方まで連れ去られてしまいたい。自分で腰をくねらせているのか、薫に突き上げられているのかは定かではないが、肇は薫の上で艶めかしく躍り狂った。
「親父ぃ、おれも……」
真純が甘えたように抱きついてくる。剥き出しの汗ばんだ肌が密着する。入浴を分けるようになって久しいが、真純の肌はあの頃とほとんど変わらず、すべすべとして温かく、もちもちとして柔らかい、小さかった子供のままだ。
「親父はずっとおれの親父なんだからな。薫のものになっちゃやだ……」
近頃口数の少ない息子が、今日はやけに甘えん坊だ。抱っこも肩車も余裕でできたあの頃に戻ったみたいに、真純は肇に甘えて焼きもちを焼く。
「親父ぃ、チューしたい」
肇は朦朧としながら、嬌声を響かせるだけの器官に成り果てた口を開き、舌を伸ばした。しかし真純は、肇の頬にキスをした。キスというより、ただ頬擦りをするような触れ方だった。
真純の小さかった頃を思い出す。この春高校に上がったばかりの息子のほっぺたは、やっぱりまだぷにぷにで、すべすべで、何物にも代え難いほど愛らしい。
「おやじ、好き……」
「ちょっとぉ、僕を差し置いて親子でイチャイチャしないでよねっ!」
焼きもち焼きの子供がここにもう一人。怒張した肉茎で最奥まで突き上げられ、肇は脳天まで貫かれた思いだった。躰が自分のものではないみたいに痙攣している。緩み切った口からは声にならない声が垂れ流されているし、甘えてくっついてくる真純を抱きしめることもままならない。
「ねぇ、肇。今誰ので気持ちよくなってる? 答えて」
「あ゛っ? んぁ゛♡ まっ、や゛っ! あァ゛、あ゛っ♡ んゃぁ゛……!」
そんなことを訊かれたって、答えられる余裕は残っていない。何度も何度も激しく奥を穿たれて、まともに声を出すことさえできないというのに。
「はーじーめ。今誰に抱かれてるの?」
「あ゛っっ、ぉ゛♡ ますみっ? ますみ!」
だって、酔ってしまいそうなほどに揺さぶられる肇の視界を埋めるのは、微熱に浮かされたように恍惚と頬を染めてこちらを見つめる真純ばかりなのだ。だから、肇はそう答えた。だが、残念ながらまたしても間違えてしまったらしい。
「ざーんねん。僕だよ。薫。もう、間違わないでって言ったのに」
薫は愉しげに言いながら、一層荒々しい腰遣いで肇を苛む。
「わがっ、わ゛、ごめ、っ……かぉっ、ん゛、かおる、かおぅっ!」
「そう、僕。ちゃんと覚えてね。ここ、僕の形にしちゃおうっと」
もうとっくの昔にそうなっているのに。今日の薫はしつこいくらい意地悪だ。
仰向けに寝かされ、正常位で貫かれた。もう何度目の挿入になるのか分からない。胎にたっぷりと注がれた精液が、乱暴に掻き混ぜられて泡立っている。グチュグチュと響く粘着いた音がひどく卑猥で、耳を犯されているように感じた。
真純はもう疲れてしまったみたいで、くたっとしながらも肇にしがみついて離れない。肇の胸に頭を置いてくっついて、時折甘えたようにキスをして、小さい子供みたいに乳を吸う。
真純に乳を吸われるのなんて、ほとんど授乳みたいなものだ。赤ちゃんの頃、愚図ってどうしようもない時に、気休めに乳首をしゃぶらせたことが何度もある
それなのに、今は妙な感覚ばかりが沸き上がる。真純に吸われているだけだと分かってはいても、熱に溶かされた脳はもはや正しい判断を下せない。躰は勝手に快楽を拾い上げ、媚びるように薫のものを食んでしまう。すると薫の形を鮮明に感じてしまい、躰が勝手に悦んでしまう。まるで快楽の永久機関だ。
熱杭を何度も繰り返し打ち込まれる。子供らしく無遠慮に圧し掛かってくる真純の重さが愛おしい。力の入らない腕でしっかりと抱きしめれば、焼きもち焼きの濃厚なキスが降ってくる。肇が舌を絡めると、もう一人の焼きもち焼きがさらにきつく抱きついてきて、耳をしゃぶられる。
何が何だか、肇にはもう分からなかった。果ての見えない愉悦に溺れ、恍惚の境地に辿り着き、己の輪郭までもが快感に甘く蕩けていく。
ただ一つだけ分かるのは、人生の絶頂を更新してしまったということ。今この瞬間、薫と真純と一つに溶け合っているこの瞬間が、人生における最高に幸せな瞬間だということ。この先、これ以上の幸福は訪れまい。
愛したい者を愛し、愛した者に愛されて、これ以上はもう、何も要らない。一度には抱えきれないほどの幸せを噛みしめて、肇はうっとりと目を瞑った。
「い゛♡ ひっ♡ やっ、あぁ……っ」
「親父っ、今誰ので気持ちよくなってる?」
「はっ、あ゛っ? んぁ、あ……♡」
四つん這いにさせられて、腰をしっかりと掴まれて、後ろから激しく穿たれる。自分で姿勢を保つことさえできなくなって、薫にようやく支えられている。涙にぼやけ、揺れる視界に、薫の影が眩しく光る。
「か、おる……?」
「んふふ、かわいいけど不正解。今肇を抱いてるのは真純だよ。僕じゃない」
「親父、おれをこんなやつと一緒にすんなよ」
「それはこっちの台詞だから! 真純の小っちゃいのと一緒にされちゃ堪んないよ」
「あんたのはただでかいだけだろ。おれはこれから成長するんだ」
「ふーんだ。肇はおっきいちんちんが好きなんだもんね~」
二人の男の声がうるさい。それよりも己の声の方が耳障りだ。甘えて媚びを売るような、アラフォーのおっさんが出していい声ではない。と肇も自覚している。
「親父、おれのだっていいだろ? 悪くないって、最初に言ってくれたよな」
「んん゛ン♡ もっと……っ、もっとおく……、おくまで……っ」
肇は浅ましく腰をくねらせるが、真純のものでは奥まで届かず、代わりに前立腺をしつこく捏ねられた。
「あァ゛あっ♡ だめだっ、そこだめっ、いくっ……!」
「肇ってば、またイッちゃうの? その前に、僕のもちゃんとかわいがってほしいな」
喘ぎすぎて呼吸もままならないというのに、だらしなく開き切った口に勃起した雄をねじ込まれる。既に何度か射精しているせいか、精液の匂いが口の中いっぱいに広がって、胎が疼いた。
「ふふ、しゃぶっただけでお尻締まっちゃうの、かわいーね」
「んん゛♡ ふ、ンむ……♡」
薫の味だと思うとどんどん唾液が溢れてくる。もっと欲しい。満たしてほしい。喉の渇きを癒してほしい。肇は夢中になって舌を這わせた。
背後で真純の小さく呻く声がした。胎内回帰願望の表れだろうか、何度も何度も飽きることなく、肇の胎に精を放つ。懐かしい温もりを子宮に感じて、肇はうっとりと目を瞑る。
「はい、次は僕の番! 肇、上乗って!」
腰も立たないのに騎乗位なんてできない。だのに、この暴君絶倫彼氏ときたら、肇の都合なんか少しも意に介さずに、肇を自身の上へ跨らせた。
「やっ、んん゛……も、むり……っ」
「支えてあげるから、ゆっくりおいで」
「ちが、も……んんぅ゛……や、ぁぁんっ♡」
膝がガクガク震え、ゆっくり腰を落とすなんて芸当はできやしない。思い切り体重をかけて、奥の奥まで迎え入れてしまった。その衝撃で、肇は白濁を飛ばす。もはや白く濁ってなどいない。精液と呼んでいいのかすら分からない、限界まで薄まった汁だ。
「や゛、あ゛っ♡ もうむり、むりだからっ、かおる……っ」
「大丈夫だよ。怖くないから。もっと気持ちよくなりな」
「ぃや゛っ、むりっ……! かおる、かおるっ……」
「うん、今肇を抱いてるのは僕だよ。もう間違えないでね」
「あ゛っ♡ ぁんっ、かおるぅっ……きもちいいっ……っ!」
「うん、僕も気持ちいい。もっとよくなっていいんだよ」
薫の声がまるで甘露のように肇の心を蕩かせる。もう何だっていい。波のように押し寄せる快楽に溺れて、遥か彼方まで連れ去られてしまいたい。自分で腰をくねらせているのか、薫に突き上げられているのかは定かではないが、肇は薫の上で艶めかしく躍り狂った。
「親父ぃ、おれも……」
真純が甘えたように抱きついてくる。剥き出しの汗ばんだ肌が密着する。入浴を分けるようになって久しいが、真純の肌はあの頃とほとんど変わらず、すべすべとして温かく、もちもちとして柔らかい、小さかった子供のままだ。
「親父はずっとおれの親父なんだからな。薫のものになっちゃやだ……」
近頃口数の少ない息子が、今日はやけに甘えん坊だ。抱っこも肩車も余裕でできたあの頃に戻ったみたいに、真純は肇に甘えて焼きもちを焼く。
「親父ぃ、チューしたい」
肇は朦朧としながら、嬌声を響かせるだけの器官に成り果てた口を開き、舌を伸ばした。しかし真純は、肇の頬にキスをした。キスというより、ただ頬擦りをするような触れ方だった。
真純の小さかった頃を思い出す。この春高校に上がったばかりの息子のほっぺたは、やっぱりまだぷにぷにで、すべすべで、何物にも代え難いほど愛らしい。
「おやじ、好き……」
「ちょっとぉ、僕を差し置いて親子でイチャイチャしないでよねっ!」
焼きもち焼きの子供がここにもう一人。怒張した肉茎で最奥まで突き上げられ、肇は脳天まで貫かれた思いだった。躰が自分のものではないみたいに痙攣している。緩み切った口からは声にならない声が垂れ流されているし、甘えてくっついてくる真純を抱きしめることもままならない。
「ねぇ、肇。今誰ので気持ちよくなってる? 答えて」
「あ゛っ? んぁ゛♡ まっ、や゛っ! あァ゛、あ゛っ♡ んゃぁ゛……!」
そんなことを訊かれたって、答えられる余裕は残っていない。何度も何度も激しく奥を穿たれて、まともに声を出すことさえできないというのに。
「はーじーめ。今誰に抱かれてるの?」
「あ゛っっ、ぉ゛♡ ますみっ? ますみ!」
だって、酔ってしまいそうなほどに揺さぶられる肇の視界を埋めるのは、微熱に浮かされたように恍惚と頬を染めてこちらを見つめる真純ばかりなのだ。だから、肇はそう答えた。だが、残念ながらまたしても間違えてしまったらしい。
「ざーんねん。僕だよ。薫。もう、間違わないでって言ったのに」
薫は愉しげに言いながら、一層荒々しい腰遣いで肇を苛む。
「わがっ、わ゛、ごめ、っ……かぉっ、ん゛、かおる、かおぅっ!」
「そう、僕。ちゃんと覚えてね。ここ、僕の形にしちゃおうっと」
もうとっくの昔にそうなっているのに。今日の薫はしつこいくらい意地悪だ。
仰向けに寝かされ、正常位で貫かれた。もう何度目の挿入になるのか分からない。胎にたっぷりと注がれた精液が、乱暴に掻き混ぜられて泡立っている。グチュグチュと響く粘着いた音がひどく卑猥で、耳を犯されているように感じた。
真純はもう疲れてしまったみたいで、くたっとしながらも肇にしがみついて離れない。肇の胸に頭を置いてくっついて、時折甘えたようにキスをして、小さい子供みたいに乳を吸う。
真純に乳を吸われるのなんて、ほとんど授乳みたいなものだ。赤ちゃんの頃、愚図ってどうしようもない時に、気休めに乳首をしゃぶらせたことが何度もある
それなのに、今は妙な感覚ばかりが沸き上がる。真純に吸われているだけだと分かってはいても、熱に溶かされた脳はもはや正しい判断を下せない。躰は勝手に快楽を拾い上げ、媚びるように薫のものを食んでしまう。すると薫の形を鮮明に感じてしまい、躰が勝手に悦んでしまう。まるで快楽の永久機関だ。
熱杭を何度も繰り返し打ち込まれる。子供らしく無遠慮に圧し掛かってくる真純の重さが愛おしい。力の入らない腕でしっかりと抱きしめれば、焼きもち焼きの濃厚なキスが降ってくる。肇が舌を絡めると、もう一人の焼きもち焼きがさらにきつく抱きついてきて、耳をしゃぶられる。
何が何だか、肇にはもう分からなかった。果ての見えない愉悦に溺れ、恍惚の境地に辿り着き、己の輪郭までもが快感に甘く蕩けていく。
ただ一つだけ分かるのは、人生の絶頂を更新してしまったということ。今この瞬間、薫と真純と一つに溶け合っているこの瞬間が、人生における最高に幸せな瞬間だということ。この先、これ以上の幸福は訪れまい。
愛したい者を愛し、愛した者に愛されて、これ以上はもう、何も要らない。一度には抱えきれないほどの幸せを噛みしめて、肇はうっとりと目を瞑った。
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