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4. ライラとバーダン
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二週間が経ち、リュシイは兵士についてきてもらい、またエンリルにやってきた。
ライラの家の前に立つと、扉をノックする。
「はい」
若い男の声だ。とすると、ライラの弟だろう。会ったことはないが。
扉が薄く開き、こちらを覗き込んでくる。
ライラと同じ髪色をしている少年だ。リュシイより少し年下に見える。
「こんにちは。あの、ライラ、いますか?」
少年はじっとこちらを見つめて、何も言わない。
もしかしたら家を間違えたのかしら、でもここのはずなのに、と少し不安になる。
「リュシイ……」
少年はそう小さくつぶやいた。
「え、ええ、そうです」
「うわあ、本当に綺麗な人だね」
そう言って扉を大きく開く。近くにいた兵士が大股で歩み寄ってきて、リュシイの前に立った。
「えっ、なに」
急に前に立った兵士におののいたのか、少年は扉を閉めようとする。それを兵士が掴んで止めた。
「すまないね、ライラはご在宅かな?」
「い、今はいないよ。でもすぐに戻ってくるよ」
二、三歩、下がりながら、少年は言った。
「あっ、リュシイ!」
急に声を掛けられ、そちらに振り向く。ライラが街道の向こうから手を振って走ってきていた。
「ごめんごめーん、ちょっと人に呼ばれてさ」
息せききって、リュシイの前に立つと、息を整えている。
「あ、いえ、今来たところですから」
「あっ、バーダン、何か失礼なことしなかった? ご挨拶したの?」
「し、してない……」
「駄目じゃない!」
ライラはバーダンと呼んだ少年の頭を軽くはたく。
「え、えっと、バーダンです。はじめまして」
少年は頭を下げた。
「あ、はじめまして」
リュシイも頭を下げる。
「もー、ごめんね。うちの弟、バカでさあ。でも悪いやつじゃないから」
「あ、いえ、そんなこと」
「ごめん、もう少し待ってて。すぐ用意するから」
ライラは家の中に入ると扉を閉め、少しして出てきた。
「ごめんごめん。じゃあ行こうか。実は、この前いい店見つけたんだ。後で行こうよ」
「あ、はい」
それから、ライラと一緒に、いつもの店を回る。ついてきた兵士は、荷物持ちをしてくれていた。
「ねえ、リュシイ」
「はい?」
ライラは少し、声をひそめて言った。
「いっつも誰かがついてきて、息が詰まらない?」
後ろを少し離れてついてくる、兵士を振り返る。
「そんなこと、ないです」
彼らは徹頭徹尾、リュシイを守るためにいてくれた。
彼らがそこにいてくれるだけで、男たちのいかがわしい視線が減った。
それは、どれだけの幸福か。
「そう? たまには二人だけで歩こうよ」
「ごめんなさい、それは」
首を横に振ると、ライラは頭の後ろで手を組んだ。
「つまんないのー」
「すみません……」
「ほら、村には遊ぶところとか、何にもないじゃない。エンリルなら面白いところ、いっぱいあるのにー。いつもお遣いだけ済ませて帰るじゃない」
「それは残念ですけど。でも、早く帰らなきゃ」
こうして出歩いているのは、一言で言えば、リュシイのわがままだ。
村に閉じこもっている方が、彼らにとっては楽なはずだ。
なのにエンリルに来るときは、荷物を持ってくれたり荷馬車を操ってくれたりという雑用までしてくれる。その間の護衛までしてくれているのだ。
それが目的で、ライラはいつもリュシイを誘う。そしてリュシイもそれを楽しみにしてしまっている。
これ以上のわがままは、言えない。
「それに、ぜーったいリュシイなら、いろんな男が奢ってくれたり優しくしてくれたりするわよ。あんな護衛がついているから、誰も声を掛けられないんだわ」
「そんなの、いいです」
優しく? いや違う。
その心の裏側には、もっと違う欲望が渦巻いている。
「だってリュシイ、美人じゃない? いっつも俯いて歩いてるから気付いてないのかもしれないけど、男どもはみーんな振り返ってるのよ?」
「そんなこと……」
「もったいなーい。それだけの美貌、利用しないでどうするのよ」
ライラは肩をすくめてそう言った。
「利用なんて」
身体が震える。みんな見ている。思わず小さく縮こまった。
そうだ。こうして普通に出歩くことすら、以前は怖かった。
世界が広がったのは、あの人たちのおかげだ。
「欲がないのねえ。私だったら、どこかの金持ちに売り込んでいくわ。それで虜にして、いっぱい貢いでもらうの!」
そう言って、歯を出して笑った。
そんな風に明るく考えられることが、少し、羨ましかった。
予知夢を見ない人間だったなら、そんなことを思えるようになったのだろうか。
いつもいつも、うじうじ考えてばかりで、そんな自分が嫌だ。けれど、考えずにはいられない。
「ライラは美人ですから、いつかお金持ちに見染められるかもしれませんけど」
そう言うとライラは、バシッとリュシイの背中を叩いた。
「嬉しいこと言ってくれるじゃない」
「でも、ハダルがいるじゃないですか。どうするんですか?」
そう言って首を傾げると、ライラはうーんと考え込んだ。
「それは困っちゃうなあ」
そしてあれやこれや考えたのだろう。一つ手を叩くと、言った。
「ハダルがお金持ちになればいいじゃん! 私も頑張るし!」
その回答に、笑いがこぼれた。
どこまで本気か分からないけれど、前向きだ。
そういうのは、ライラらしい、と思った。
◇
それからいくつかの店を回る。
「あとは……、えっと、鍬がいるって」
「ちょうどいいわ。いい店って、農具のお店だから。いいものなのに、安いの」
「そうなんですか」
「こっちよ、リュシイ」
手首を掴まれ、ぐっと引っ張られる。
そしてそのまま、ライラは人込みの中を駆け出した。
驚いたけれど、振り払うことは出来なかった。
「あ、あのっ、駄目です、急がないで。あまり離れてはいけないと言われているんです」
「大丈夫、大丈夫」
いつになく強引だ。
振り返ると、兵士が驚いたように荷物を放り出し、こちらに駆けてくるのが見えた。
「駄目です、ライラ!」
彼は腰に佩いた剣に手を当てている!
それがいたずらの類いであっても、きっとライラは叱られる。
路地に連れ込まれ、リュシイはその場で踏ん張った。
「ふざけては駄目!」
「ふざけてなんてないの」
ふとライラの声色が変わって、リュシイは顔を上げる。
彼女は悲しげにこちらを見て、口の端を上げた。
「ごめんね? 手荒な真似はしたくなかったんだけど」
みぞおちに、ライラが拳を打ち込んだ。
ライラの家の前に立つと、扉をノックする。
「はい」
若い男の声だ。とすると、ライラの弟だろう。会ったことはないが。
扉が薄く開き、こちらを覗き込んでくる。
ライラと同じ髪色をしている少年だ。リュシイより少し年下に見える。
「こんにちは。あの、ライラ、いますか?」
少年はじっとこちらを見つめて、何も言わない。
もしかしたら家を間違えたのかしら、でもここのはずなのに、と少し不安になる。
「リュシイ……」
少年はそう小さくつぶやいた。
「え、ええ、そうです」
「うわあ、本当に綺麗な人だね」
そう言って扉を大きく開く。近くにいた兵士が大股で歩み寄ってきて、リュシイの前に立った。
「えっ、なに」
急に前に立った兵士におののいたのか、少年は扉を閉めようとする。それを兵士が掴んで止めた。
「すまないね、ライラはご在宅かな?」
「い、今はいないよ。でもすぐに戻ってくるよ」
二、三歩、下がりながら、少年は言った。
「あっ、リュシイ!」
急に声を掛けられ、そちらに振り向く。ライラが街道の向こうから手を振って走ってきていた。
「ごめんごめーん、ちょっと人に呼ばれてさ」
息せききって、リュシイの前に立つと、息を整えている。
「あ、いえ、今来たところですから」
「あっ、バーダン、何か失礼なことしなかった? ご挨拶したの?」
「し、してない……」
「駄目じゃない!」
ライラはバーダンと呼んだ少年の頭を軽くはたく。
「え、えっと、バーダンです。はじめまして」
少年は頭を下げた。
「あ、はじめまして」
リュシイも頭を下げる。
「もー、ごめんね。うちの弟、バカでさあ。でも悪いやつじゃないから」
「あ、いえ、そんなこと」
「ごめん、もう少し待ってて。すぐ用意するから」
ライラは家の中に入ると扉を閉め、少しして出てきた。
「ごめんごめん。じゃあ行こうか。実は、この前いい店見つけたんだ。後で行こうよ」
「あ、はい」
それから、ライラと一緒に、いつもの店を回る。ついてきた兵士は、荷物持ちをしてくれていた。
「ねえ、リュシイ」
「はい?」
ライラは少し、声をひそめて言った。
「いっつも誰かがついてきて、息が詰まらない?」
後ろを少し離れてついてくる、兵士を振り返る。
「そんなこと、ないです」
彼らは徹頭徹尾、リュシイを守るためにいてくれた。
彼らがそこにいてくれるだけで、男たちのいかがわしい視線が減った。
それは、どれだけの幸福か。
「そう? たまには二人だけで歩こうよ」
「ごめんなさい、それは」
首を横に振ると、ライラは頭の後ろで手を組んだ。
「つまんないのー」
「すみません……」
「ほら、村には遊ぶところとか、何にもないじゃない。エンリルなら面白いところ、いっぱいあるのにー。いつもお遣いだけ済ませて帰るじゃない」
「それは残念ですけど。でも、早く帰らなきゃ」
こうして出歩いているのは、一言で言えば、リュシイのわがままだ。
村に閉じこもっている方が、彼らにとっては楽なはずだ。
なのにエンリルに来るときは、荷物を持ってくれたり荷馬車を操ってくれたりという雑用までしてくれる。その間の護衛までしてくれているのだ。
それが目的で、ライラはいつもリュシイを誘う。そしてリュシイもそれを楽しみにしてしまっている。
これ以上のわがままは、言えない。
「それに、ぜーったいリュシイなら、いろんな男が奢ってくれたり優しくしてくれたりするわよ。あんな護衛がついているから、誰も声を掛けられないんだわ」
「そんなの、いいです」
優しく? いや違う。
その心の裏側には、もっと違う欲望が渦巻いている。
「だってリュシイ、美人じゃない? いっつも俯いて歩いてるから気付いてないのかもしれないけど、男どもはみーんな振り返ってるのよ?」
「そんなこと……」
「もったいなーい。それだけの美貌、利用しないでどうするのよ」
ライラは肩をすくめてそう言った。
「利用なんて」
身体が震える。みんな見ている。思わず小さく縮こまった。
そうだ。こうして普通に出歩くことすら、以前は怖かった。
世界が広がったのは、あの人たちのおかげだ。
「欲がないのねえ。私だったら、どこかの金持ちに売り込んでいくわ。それで虜にして、いっぱい貢いでもらうの!」
そう言って、歯を出して笑った。
そんな風に明るく考えられることが、少し、羨ましかった。
予知夢を見ない人間だったなら、そんなことを思えるようになったのだろうか。
いつもいつも、うじうじ考えてばかりで、そんな自分が嫌だ。けれど、考えずにはいられない。
「ライラは美人ですから、いつかお金持ちに見染められるかもしれませんけど」
そう言うとライラは、バシッとリュシイの背中を叩いた。
「嬉しいこと言ってくれるじゃない」
「でも、ハダルがいるじゃないですか。どうするんですか?」
そう言って首を傾げると、ライラはうーんと考え込んだ。
「それは困っちゃうなあ」
そしてあれやこれや考えたのだろう。一つ手を叩くと、言った。
「ハダルがお金持ちになればいいじゃん! 私も頑張るし!」
その回答に、笑いがこぼれた。
どこまで本気か分からないけれど、前向きだ。
そういうのは、ライラらしい、と思った。
◇
それからいくつかの店を回る。
「あとは……、えっと、鍬がいるって」
「ちょうどいいわ。いい店って、農具のお店だから。いいものなのに、安いの」
「そうなんですか」
「こっちよ、リュシイ」
手首を掴まれ、ぐっと引っ張られる。
そしてそのまま、ライラは人込みの中を駆け出した。
驚いたけれど、振り払うことは出来なかった。
「あ、あのっ、駄目です、急がないで。あまり離れてはいけないと言われているんです」
「大丈夫、大丈夫」
いつになく強引だ。
振り返ると、兵士が驚いたように荷物を放り出し、こちらに駆けてくるのが見えた。
「駄目です、ライラ!」
彼は腰に佩いた剣に手を当てている!
それがいたずらの類いであっても、きっとライラは叱られる。
路地に連れ込まれ、リュシイはその場で踏ん張った。
「ふざけては駄目!」
「ふざけてなんてないの」
ふとライラの声色が変わって、リュシイは顔を上げる。
彼女は悲しげにこちらを見て、口の端を上げた。
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