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第77話 警備隊って…

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私がぶちのめした輩はヴィンデの警備隊に連れていかれた。
説明は兄様がしてくれたが兄様が話せば話す程ヴィンデの警備隊長は真っ青になっていた。
私は切られた際汚れた服を着替えている。傷を治さず戦ったので服に血がついてしまったのだ。
着替えが終わり髪を整えていると、ヴィンデの警備隊長は土下座してた。
何をどうすればあんな状況になるのやら。
そんなに兄様が怖いのか?
ミミとネネが髪を結うのを手伝ってくれる。
とは言え、倒したのは私だ。サッサと行かねば。

ミミにひょいと持ち上げてもらい馬車を降りる。
「おまたせしました、フェリア家じじょエアリアです」
土下座している警備隊長に挨拶する。
「エアリア、こちらヴィンデ警備隊長の一人だ。」
「あのー、こちらはぶじでしゅし、おかおをあげては?」
何したの兄様。
「何、此方の無事より自分の出世ばかり気にしていたからちょっとお話ししただけだよ」
?警備隊の人が出世を気にする?何だそれ?警備隊って名誉職か?
なんかブツブツ言ってる。
しゃがんでみる。
「おかしい、彼奴らをけしかけて俺が倒してフェリア家に恩を得るはずがあんなガキが一人でやっつけるなど」
…成る程、成る程、グルだったのか。

どごお‼︎
「おみみはぶじでしゅか?ガキがたおしていまいもうしわけおりましぇん。ひとのいのちよりだいじなものがあるとはしりましぇんでした、まさかぼうえきでゆうめいなヴィンデのけいびたいちょうさまからきくとは」
地面がメリメリ言っている。
が気にしない。
貿易の街なら諸外国とも交流があるはずこんな間抜けが警備隊長になれるなんてありはしない。

取り敢えず私のパンチで気絶してしまったのでヴィンデまで引きずって行くことにした。
まったく、斬られて痛かったんだからね。
こっちは皇命で来てるんだぞ。

ヴィンデにはいるとズラッとヴィンデ警備隊が並んでいた。
うん、ハルバには劣るが良い手練れ。
これぞ本物よね。

「フェリア家の方々、ヴィンデへようこそ。此度の失態、申し訳ありません。」
「フェリア家長男アルフレッドだ」
「じじょエアリアです。」
「エアリア様の騎士をしておりますハルバです」

ヴィンデの警備隊は若干青ざめている。昔父様と母様と何かあったのかな?

「これは、金にものを言わせて警備隊長まであがり我々も困っていたところです」
やっぱりボンボンか。
「厳重な捜査の後残りの残党を捕まえます」
「それには及びません」
兄様がバッサリ話を遮る
「主を傷つけられ怒り心頭の妹の召喚獣が既に向かっています」
アクア、リリ、レレ、ツァィトがもう殲滅戦をしている。
「にいしゃま、アクアがおわったって」
「そうか、では、あとはそちらでよろしくお願いします。」

兄様はサッサと行ってしまう。
確かに用はない。あ、
「このひとはしっかりと、ほうにもとずいてさばいてくだしゃいね?なにかあればフェリアはすぐにうごきます」
ニッコリ。
次なにかあったらフェリア家直々にボコスからなと、釘を刺し。

全く世直し旅じゃ無いっての。
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