神速の凡才剣士

藤堂 鷹獅

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20話

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「それじゃあ、今日はこれで終わりますねぇ。明日に備えて回復しておくことぉ」

「「はい!」」

「それじゃぁ、解散!」
初めての通常授業の1日が終わった
今日は、実技を見ているだけだったが、明日以降は参加することになるから、もっと体力的にきつくなるだろう
まぁ、それだけで、くたばるようなやわな鍛え方はしてないけどね
「あのぉ~…」

「ん?俺?」
終わってすぐに、クラスメイトの女子が話しかけて来た
「はい。トウヤくんに用があります」

「どうしたの?」

「実は…」

「「ちょっと待ったぁぁぁぁ!!!」」
その時、教室に残っていたクラスメイトが待ったをかけた
そしてこちらに近寄ってくる(その中には、メリア、ヴルム、サーシャ、ガイエルもいた)
「トウヤは俺と!」

「ん?何?」
なんだ?話が全く掴めないぞ
まさか
「俺はそっちの気はないぞ」

「何言ってんだお前」
あれ、違ったか
早とちり早とちり

「話戻すぞ。」

「おう。」

「お前、タッグパートナーいないよな」
ん?
俺、いるんだけど
「誰とも話してないならいるはずがない」
周りの奴らも頷いている
そりゃぁ、クラスでは陰キャラやってたけどさぁ…
「だから!お願いがある!」

「ごめん。俺、相手がいるんだ」

「まだ、何も言って…え?」

「だから、パートナーはもう決まったって。ごめんな」
一斉に、驚愕の表情に変わる
中には、悲しい表情をしているやつもいる
メリアなんて、なんか、うん、世界の終わり?みたいな顔してるし
「一応、聞いておくけど、シェニアさんか?」

「いや、違うけど…」

「なに!?お前に、シェニアさん以外の他クラスか他学年の知り合いいたのか!?」

「失礼だな」

「わ、悪い。それで、誰だ?」

「メア=ユートピアさんだよ。2年の」
まぁ、いずれバレることだし、登録すれば、誰が誰と組んでるかも閲覧できるし、いいだろう
「…お前、冗談きついぞ」

「ガチだよ?」
なんか、疑われてるんだが…
周りの奴らも驚いた顔をしている
やっぱり、メアさんは有名なんだ
「どんな人だか知ってんのか?」

「学園最強の魔導師」

「ちっ…えっとー」
なんか問題を考えてるみたいだけど、諦めろよ

「トウヤ君ー。いるー?」

「…はい」
まさかの、このタイミングでの件の人物
メア=ユートピアの登場
「トレーニングいくよー」

「はい。それじゃ、そうゆうことだから。ごめんな。誘ってくれてありがとう」
そう言って、俺は、メアさんの後に続いて第一訓練場に向かった
「まさかだけどー、誘われて少し、気持ちが揺らいだりしたー?」

「いえ、全く。てゆうか、見てたんですか!?」

「うんー。面白そうだったからー、放置してたー」

「そこは助けてくださいよ!」

「ちゃんと助けたじゃーん?」

「うぅ」
完全に論破された
悔しいぞ
絶対、この人、俺で遊んでるな
こうして雑談(大半はいじられてただけだけど)しているうちに目的地に到着した
俺とメアさんは荷物を受け付けに渡すと、軽くアップをして、トレーニングを開始した
「なにするんですか?」

「んー…とりあえずー、全部ありで模擬戦しようかー」

「ガチすか?」

「百聞は一見にしかずーっていうでしょー」

「はぁ」

「それじゃー、トウヤ君から武装見せてー」

「了解しました」
この学校に来て初めて自分の武装を展開する
てか、この武装を展開するのも久しぶりだな
「それじゃ、行きますね」





「俺に力を貸してくれ…」
俺は、魔力を放出する
すると、二本の太刀が姿を現わす
片方の太刀は、澄んだ秘色の刀身に金の紋章が刻まれ、煌びやかな装飾の施された「創始の剣 アイシャ」
もう片方は、漆黒の刀身に赤銅色の紋章が刻まれ、煌びやかな装飾の施された「終焉の剣 ディザイア」
俺の愛刀だ
「へー…すんごい武器だねー」

「そうですか?ありがとうございます」

「でー、二刀流が本当の姿とー?」

「はい」

「…よく、シェニアさんといい勝負できたねー。慣れないスタイル、弱い武器でー」

「見てたんですか!?」

「うんー。ごめんねー。」
メアさんはあの試合見てたんだ
はやく言ってくれればよかったのに
「あの試合の違和感はこれだったんだねー」

「どーゆーことですか?」

「だってー、あの時のトウヤ君は、動き方がー、なんかー、ぎこちなかったんだもん。なんかあるなーって思ったよねー」

「すごい観察眼ですね」

「えへへー。ありがとー」
あまり表情は変わってないが喜んでいるような気がした

「トウヤ君はどんな神様と契約してるの?」

「あぁ、オメテオトルです。」

「…はぁ、開闢神かー。どこまで大物なのー?君はー」
この人、開闢神の存在知ってるんだ
意外と博識なのかもしれないな
「まぁ、異能は戦ってみればわかるしー。じゃー、次は私だねー」



「星よ…私に力を…」
なんか雰囲気変わったなー
メアさんを取り囲むように魔法陣が展開される
すると、その魔法陣のから、一冊の魔道書が姿を現わす
「これが私の武装 「起源の魔道書 グリモワール」だよー」
名前を言われても全くどんなものかわからない
知識不足か?
それでも、魔力の強さだけは感じることができた
すごい武装なんだろーな
「まー、色々効果あるけどー、戦ってればわかると思うからー、説明はしないねー」

「はい」

「でー、私の契約してる神様はー「星神 アストライアス」でーす」
星神 アストライアスとは、この世界では、神話や童話になっているほど有名な神だ
俺でさえ知ってる
この人、絶対強いな
「異能も説明しないからー、試合で掴んでー」

「はーい」

「それじゃー、始めようか」

「はい」







「「バトルスタート!」」
そして、俺とメアさんの模擬戦の火蓋が切られた
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