18 / 30
18話
しおりを挟む
「全員集まったわねぇ?」
「「はい!」」
「それではぁ、今年度初めての実技訓練を始めまぁす」
「「よろしくお願いします!」」
こうして入学して始めての実技訓練が始まった
俺は、昨日、シェニアさんとの戦いで、ここを使用したので、それほど凄みを感じないが、他の生徒は
「なにここ!すげぇ!」
「ね!広いし、綺麗だし!強くなれそう!」
「それは、努力次第だろってー」
「そうだった!」
など、やり取りをしているが、感動している様子
「この学園の訓練場にはオートメディカルシステム、通称「OMS」が導入されているのでー、大きな怪我など気にせず、鍛錬することができますよぉ」
「OMS?」
なんだそれ、聞いたこともないぞ
オートメディカルシステム?
なんかかっこいいな
「「え?」」
しかし、そう言った瞬間、周りの奴らが俺の方を振り向いた
「え?」
「…お前、どんな環境でトレーニングしてきたんだ?」
「それは…」
俺は今までの特訓を思い出す
俺の家は山の中にあり、そして、その山そのものを所有していた
さらに、その山は、あらゆるトレーニングができるように改造されていたのだった
俺はその山の中でトレーニングしてきた
例えば、山の中にある訓練場で、週に5回以上は、父であるジョウタロウと本気で打ち合いを行なってきた
また、トレーニングの最中に、たまに、現れてはいけない生き物が乱入して来るもあった
そして、現れたものは討伐しなければならなかった
そんな中で生き延びてきたのだ
擦り傷だけで済むこともあれば、大怪我をすることもあった
言い換えるなら、死線の中で鍛えてきたのだ
そこで俺は気づいたのだ
強くなれば気付くかなくて済む。ってね。
「まぁ、何もないところで一心不乱に剣を振り続けて来ただけかな」
「…ほんとかな~」
げ
バレないかなぁ
俺のトレーニング内容については、俺のことをよく知らない人には言いたくないからなぁ
「そろそろOMSの説明してくれないかな?」
俺が気になってることを先生にチラチラと目線を配りながら口に出す
「OMSっていうのはね」
よし乗ってきた
「簡単に言えば、どんな傷でも直してくれる魔法みたいなものかなぁ」
「なんだそれーー!!大雑把やな!」
突っ込んじまった
詳しいこと知りたくなっちまうだろ!
「詳しいこと知りたいなら専門の人に聞くといいわよぉ。私たちも知らないこと多いしねぇ」
なるほど
教えなかったんじゃなくて、教えられなかったのか
「とりあえずぅ、どんな怪我しても痛いだけで大丈夫だからぁ、頑張ってトレーニングしてねぇ」
…わかってたよ
痛いものは痛いよな
はぁ
「それじゃあ、今日はぁ、各自の現在の能力を知りたいから、対人戦やってもらうわよぉ。対戦相手はぁ、隣の席の人ねぇ」
ほう
隣の先の人か
あれ、俺の隣の人ってどんな人だったっけ
気にして見てなかった
「あと、トウヤ君はぁ、今日の個人戦は参加しなくていいからぁ」
「なんで!?」
なんでだ!
俺も戦いたいぞ
理不尽だ!
「あなたの能力を図り切るまで立ってられる生徒は何人かいると思うけどぉ、最初からそんなハードにはできないからぁ」
なるほど
生徒のためってことか
「わかりました」
しょうがないなぁ
「それじゃあ、10分後開始するからぁ、各自ストレッチとかしておいてねぇ」
「「はい!」」
そう言って、バラバラになる
「…ねぇ、トウヤ君」
「はい」
「君は、色々制約を受けてると思うけど、制約が解けたとしたら、どうする?」
この人…
やっぱり俺が制約を受けて戦っていたことに気付いてたのか
「そうですね…今まで溜まってたぶん、吐き出したいですね」
「そう。なら良かったわ」
そう言って、一通の手紙を俺に渡してきた
そして、俺は、手紙の差出人を見て驚いた
ジョウタロウ=キリュウ
俺の父だった
まさか、あの人のことだ、さみしいから手紙送りましたーってことはないだろう
俺は、手紙を開封した
そして、手紙の内容を見て、また、驚いた
お前がそっちに行ってある程度だったが、今の生活はどうだ?
強くなれたか?
お前が思っているほど、学園での生活、トレーニング、校内選抜戦、そして、剣技魔導祭は甘くない
俺は、お前に自身の武器と異能の発動を禁じたよな?
お前はその中でも反発せずに十分頑張った
だから、お前は、俺が認められるくらいに強くなった
技術面の話じゃないぞ?
人間としてだ
だから、俺は、お前を縛っている枷を外したいと思う
お前は、お前なりに自由にそっちで頑張れ
学園を卒業する頃には心身ともに俺を超えて帰ってこいよ
俺も鍛えて待っている
期待してるぞ
「いい父親ね」
「…はい」
親父の気持ちなんて初めて聞いた
いつも冷淡な親父なのにちゃんと俺のことを見て期待してくれた
絶対強くなってみせる
そして、親父 ジョウタロウ=キリュウを超えてやる
待ってろよ親父
「「はい!」」
「それではぁ、今年度初めての実技訓練を始めまぁす」
「「よろしくお願いします!」」
こうして入学して始めての実技訓練が始まった
俺は、昨日、シェニアさんとの戦いで、ここを使用したので、それほど凄みを感じないが、他の生徒は
「なにここ!すげぇ!」
「ね!広いし、綺麗だし!強くなれそう!」
「それは、努力次第だろってー」
「そうだった!」
など、やり取りをしているが、感動している様子
「この学園の訓練場にはオートメディカルシステム、通称「OMS」が導入されているのでー、大きな怪我など気にせず、鍛錬することができますよぉ」
「OMS?」
なんだそれ、聞いたこともないぞ
オートメディカルシステム?
なんかかっこいいな
「「え?」」
しかし、そう言った瞬間、周りの奴らが俺の方を振り向いた
「え?」
「…お前、どんな環境でトレーニングしてきたんだ?」
「それは…」
俺は今までの特訓を思い出す
俺の家は山の中にあり、そして、その山そのものを所有していた
さらに、その山は、あらゆるトレーニングができるように改造されていたのだった
俺はその山の中でトレーニングしてきた
例えば、山の中にある訓練場で、週に5回以上は、父であるジョウタロウと本気で打ち合いを行なってきた
また、トレーニングの最中に、たまに、現れてはいけない生き物が乱入して来るもあった
そして、現れたものは討伐しなければならなかった
そんな中で生き延びてきたのだ
擦り傷だけで済むこともあれば、大怪我をすることもあった
言い換えるなら、死線の中で鍛えてきたのだ
そこで俺は気づいたのだ
強くなれば気付くかなくて済む。ってね。
「まぁ、何もないところで一心不乱に剣を振り続けて来ただけかな」
「…ほんとかな~」
げ
バレないかなぁ
俺のトレーニング内容については、俺のことをよく知らない人には言いたくないからなぁ
「そろそろOMSの説明してくれないかな?」
俺が気になってることを先生にチラチラと目線を配りながら口に出す
「OMSっていうのはね」
よし乗ってきた
「簡単に言えば、どんな傷でも直してくれる魔法みたいなものかなぁ」
「なんだそれーー!!大雑把やな!」
突っ込んじまった
詳しいこと知りたくなっちまうだろ!
「詳しいこと知りたいなら専門の人に聞くといいわよぉ。私たちも知らないこと多いしねぇ」
なるほど
教えなかったんじゃなくて、教えられなかったのか
「とりあえずぅ、どんな怪我しても痛いだけで大丈夫だからぁ、頑張ってトレーニングしてねぇ」
…わかってたよ
痛いものは痛いよな
はぁ
「それじゃあ、今日はぁ、各自の現在の能力を知りたいから、対人戦やってもらうわよぉ。対戦相手はぁ、隣の席の人ねぇ」
ほう
隣の先の人か
あれ、俺の隣の人ってどんな人だったっけ
気にして見てなかった
「あと、トウヤ君はぁ、今日の個人戦は参加しなくていいからぁ」
「なんで!?」
なんでだ!
俺も戦いたいぞ
理不尽だ!
「あなたの能力を図り切るまで立ってられる生徒は何人かいると思うけどぉ、最初からそんなハードにはできないからぁ」
なるほど
生徒のためってことか
「わかりました」
しょうがないなぁ
「それじゃあ、10分後開始するからぁ、各自ストレッチとかしておいてねぇ」
「「はい!」」
そう言って、バラバラになる
「…ねぇ、トウヤ君」
「はい」
「君は、色々制約を受けてると思うけど、制約が解けたとしたら、どうする?」
この人…
やっぱり俺が制約を受けて戦っていたことに気付いてたのか
「そうですね…今まで溜まってたぶん、吐き出したいですね」
「そう。なら良かったわ」
そう言って、一通の手紙を俺に渡してきた
そして、俺は、手紙の差出人を見て驚いた
ジョウタロウ=キリュウ
俺の父だった
まさか、あの人のことだ、さみしいから手紙送りましたーってことはないだろう
俺は、手紙を開封した
そして、手紙の内容を見て、また、驚いた
お前がそっちに行ってある程度だったが、今の生活はどうだ?
強くなれたか?
お前が思っているほど、学園での生活、トレーニング、校内選抜戦、そして、剣技魔導祭は甘くない
俺は、お前に自身の武器と異能の発動を禁じたよな?
お前はその中でも反発せずに十分頑張った
だから、お前は、俺が認められるくらいに強くなった
技術面の話じゃないぞ?
人間としてだ
だから、俺は、お前を縛っている枷を外したいと思う
お前は、お前なりに自由にそっちで頑張れ
学園を卒業する頃には心身ともに俺を超えて帰ってこいよ
俺も鍛えて待っている
期待してるぞ
「いい父親ね」
「…はい」
親父の気持ちなんて初めて聞いた
いつも冷淡な親父なのにちゃんと俺のことを見て期待してくれた
絶対強くなってみせる
そして、親父 ジョウタロウ=キリュウを超えてやる
待ってろよ親父
0
お気に入りに追加
119
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな
カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界
魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた
「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね?
それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」
小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く
塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう
一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが……
◇◇◇
親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります
(『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です)
◇◇◇
ようやく一区切りへの目処がついてきました
拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです
婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
追放したんでしょ?楽しく暮らしてるのでほっといて
だましだまし
ファンタジー
私たちの未来の王子妃を影なり日向なりと支える為に存在している。
敬愛する侯爵令嬢ディボラ様の為に切磋琢磨し、鼓舞し合い、己を磨いてきた。
決して追放に備えていた訳では無いのよ?
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
婚約破棄……そちらの方が新しい聖女……ですか。ところで殿下、その方は聖女検定をお持ちで?
Ryo-k
ファンタジー
「アイリス・フローリア! 貴様との婚約を破棄する!」
私の婚約者のレオナルド・シュワルツ王太子殿下から、突然婚約破棄されてしまいました。
さらには隣の男爵令嬢が新しい聖女……ですか。
ところでその男爵令嬢……聖女検定はお持ちで?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる