48 / 127
第2章 黄昏の悪魔
7-4 海を静かに見守るもの
しおりを挟む
洞窟からでると、空はうっすらと明るくなっていた。
桟橋には漁に出掛ける町の人が慌ただしく走り回っている。
昨夜見たあの大きな船の姿はない。
明るい空には月が今にもその姿を消そうとしていた。
「今日が私たちがこの町に泊まれる最後の日かぁ!」
私は大きく背伸びをして碧く輝く海を眺める。
「きら」
「ねぇ、なにしよっか!?」
今日が夜まで遊べる最後の日。
・・・そう、あの船が現れる夜まで。
私は、二人に何かを言われる前に捲し立てるように話を続けた。
「今日が最後かぁ。もっかい海で遊ぶ?」
2人からは返事がない。
「それとも、馬車でこの辺をもっと散策してみる?食べ歩きもしてないし、もっといろいろ遊べるんじゃないかしら?」
「お姉ちゃん」
「ふたりは、何がしたい?」
私は振り返り、二人に笑いかける。
「うちは・・・、後悔したくない!」
「ねぇね」
「私は、2人に何して遊ぶ?って聞いたんだけど・・・」
「うちたちで、どうにかできることがあるんじゃない!?」
「・・・ないよ」
「うちたちで、助けてあげようよ!」
気まずい沈黙が朝の海に漂う。
アリシアがそららと私を交互に見ながら何かを言いたそうにしている。
「うちたち―」
「うるさいなぁ!!」
私が声を上げると、二人とも黙った。
「うちうちうちうち。うるさいのよ!なんなの?そんなにどうにかしたいなら二人で行けばいいじゃない!私を巻き込まないで!私は、2人みたいに強くないのよ!わかる!?弱い人間の気持ちが!あんたたちみたいに強くない人間が、あの時も、どれだけ悔しい気持ちだったか!!」
「きらら、そんな言い方しなくても」
「うるさい!アリシアは黙ってて!あなたは魔法も使えるし、恵まれてるじゃない!」
そんな、思ってもいないような憎まれ口が私の意思とは無関係に出ていく。
心に渦巻く暗い気持ちが抑えきれず、私は目の前の2人に吐き出してしまう。
「私の事は放っておいて」
私は2人をその場に残し、1人宿に戻り休むことにした。
目が覚めたときは陽が傾き始めた時だった。
部屋に戻った私はシャワーを浴び、その後眠ってしまったらしい。
部屋には、二人の姿はない。
水着も見当たらなかったので、二人はそのまま戻ってきていないのだろうか。
(さっきは、少しひどいこと言っちゃったかな。)
寝起きに水を飲みながら、私は眠りにつく前の事を思い出した。
2人の姿が見えないのは、ただ遊んでいるのだろうか。遊んでいるだけならいいのだけど、もし、あの船を待っているのだとしたら・・・。
私は心のモヤモヤを抑えきれずに、手短に着替えるとすぐに部屋を出て2人を探すことにした。
私は、とりあえずこのネスタを散策してみることに決めた。
まだ陽は高く、夜まで時間はある。あの船、夕方以降に現れるなら、まだ時間はある。二人を止めるのはそれからでも間に合うだろう。
1人、いつものメイド服に着替え、小さなカバンに神弓エルフィンを入れて漁師町を歩く。
それにしても、ほんとにこの黒い棒切れ。ごぼうか何かにしか見えないわね・・。
「どこに行こうかな・・・」
いつもは横であのうるさい2人が何が食べたいとか、どこに行きたいとか、何したいとか言うのに。
1人というものは、なかなかに寂しいものらしい。
もともとここに来たのも、そららとアリシアのわがままから始まったようなものだしね。
私は宿からでると、いつも3人で歩く海への道ではなく、反対の方向に歩き出した。
ただ、住宅が並んで建っているだけの何もない道。アレクサンドリアと比べると本当に何もない。
ゴォーン・・・ゴォーン・・・
遠くで鐘がなる音がする。時間を知らせるものだろか。そういえば、今何時かもわからない。
初日でそららが荒れる海へ魔法をぶっ放せ!!と言っていた高台の方から聞こえる気がする。
あの時は気が付かなかったけど、なにかあるのだろうか?
(ま、一人でやることないし。)
私は緩やかな坂を上りながら、高台へと昇ることにした。
高台の上には、数人の町人が花束を持って何かを話していた。
「今宵は満月。我等が英雄に祈りましょう。」
手に持っている花束を大きな石碑に向かって並べて置いている。
(何かの、慰霊碑なのかしら)
あいにく、こちらの文字は読めないため何が書いてあるのかさっぱりわからない。
「今でもこの街を見守り続けている勇敢なる魂に、安らかな眠りを。光の精霊フィリアのご加護がありますように、祈りましょう」
1人立っているのも申し訳ないので、参列者の中に紛れて祈りをささげる。
(魂・・・。)
私は昨日のクリスタルの事を思い出した。
海賊に襲われた・・・。
悪魔から逃げている・・・。
苦しい、助けてくれ・・・。
私の耳に、昨日聞いた亡霊の声が生々しく蘇る。
(救われることのない魂は、やがてモンスターとなる・・・)
アリシアの言葉が胸を締め付ける。
(だって、仕方ないじゃない。私も、ここの人も何も変わらないわ。同じ人間、無力なのよ)
短い黙祷のあと、神父と思われる男性の声で解散となった。
私は、一人残されて慰霊碑と思われる石碑に近づいてみた。
両手を広げても届かないくらい大きなその石碑には、名前のようなものがたくさん彫られていた。
これだけの人が、犠牲になった。
私は無意識に彫られた名前を指でなぞっていた。
「その方に、ゆかりがある方ですか?」
振り向くと、神父が私に声をかけてきていた。
「い、いえ。そんなんじゃないんです。そもそも、わたし、何があったか知らないし、ただの旅行者で」
「あぁ、そうなんですか。」
神父はカバンから小さな丸いものを取り出すと、
「少し、話しませんか?」
と、笑顔で私にその丸いものを一つ差し出していた。
「は、はぁ・・・」
私は、神父の座る大きな石の隣に座った。
丸いものはムニムニしていてそららのほっぺ・・・いや、お饅頭や餅のような弾力だった。
「美味しいですよ。この辺ではあまり見かけない食べ物なんですけどね」
40代くらいの神父は、大人なのに、って思わず言いたくなるくらい嬉しそうに笑顔で頬張っていた。
「ありがとうございます。いただきます。」
私も一口。
(あ、お餅だ。大福なんてこの世界にもあるんだ)
私は懐かしい食べ物に目を丸くしてしまった。もう、食べられないと思っていたのに。
そう思うと、無性に元の世界が恋しい。
こんな、魔法なんてよくわからない物が出て、ドラゴンや、お化けや、ゾンビが歩いてて、ご飯も簡単に買えないし、友達もいないし、だれがなんだかさっぱりわからない。
最近はあまり考えなくなっていたのに、もうパパやママに会えないと思うと、すごく悲しい。記憶も、思い出せるところとゴチャゴチャだし。
「あっ、」
私は大福を頬張りながら涙が頬っぺたを流れるのがわかった。
べつに、悲しくもないのに。
「おやおや、いきなりどうされたんですか?」
「い、いえ。少し昔の事を思い出していたら勝手に・・・。すいません」
「いえいえ、別に構わないのですよ。あなたのような多感な時期ならなおさらね。」
「そんなもんなのですかね・・・。私にはわからないですけど。」
「ふふっ、若いときには、色々悩むものです。それでは、そのまま少し私の昔話に付き合ってくださいませんか?」
神父はお茶を一飲みし、高台から眺める海を見つめて話し出した。
桟橋には漁に出掛ける町の人が慌ただしく走り回っている。
昨夜見たあの大きな船の姿はない。
明るい空には月が今にもその姿を消そうとしていた。
「今日が私たちがこの町に泊まれる最後の日かぁ!」
私は大きく背伸びをして碧く輝く海を眺める。
「きら」
「ねぇ、なにしよっか!?」
今日が夜まで遊べる最後の日。
・・・そう、あの船が現れる夜まで。
私は、二人に何かを言われる前に捲し立てるように話を続けた。
「今日が最後かぁ。もっかい海で遊ぶ?」
2人からは返事がない。
「それとも、馬車でこの辺をもっと散策してみる?食べ歩きもしてないし、もっといろいろ遊べるんじゃないかしら?」
「お姉ちゃん」
「ふたりは、何がしたい?」
私は振り返り、二人に笑いかける。
「うちは・・・、後悔したくない!」
「ねぇね」
「私は、2人に何して遊ぶ?って聞いたんだけど・・・」
「うちたちで、どうにかできることがあるんじゃない!?」
「・・・ないよ」
「うちたちで、助けてあげようよ!」
気まずい沈黙が朝の海に漂う。
アリシアがそららと私を交互に見ながら何かを言いたそうにしている。
「うちたち―」
「うるさいなぁ!!」
私が声を上げると、二人とも黙った。
「うちうちうちうち。うるさいのよ!なんなの?そんなにどうにかしたいなら二人で行けばいいじゃない!私を巻き込まないで!私は、2人みたいに強くないのよ!わかる!?弱い人間の気持ちが!あんたたちみたいに強くない人間が、あの時も、どれだけ悔しい気持ちだったか!!」
「きらら、そんな言い方しなくても」
「うるさい!アリシアは黙ってて!あなたは魔法も使えるし、恵まれてるじゃない!」
そんな、思ってもいないような憎まれ口が私の意思とは無関係に出ていく。
心に渦巻く暗い気持ちが抑えきれず、私は目の前の2人に吐き出してしまう。
「私の事は放っておいて」
私は2人をその場に残し、1人宿に戻り休むことにした。
目が覚めたときは陽が傾き始めた時だった。
部屋に戻った私はシャワーを浴び、その後眠ってしまったらしい。
部屋には、二人の姿はない。
水着も見当たらなかったので、二人はそのまま戻ってきていないのだろうか。
(さっきは、少しひどいこと言っちゃったかな。)
寝起きに水を飲みながら、私は眠りにつく前の事を思い出した。
2人の姿が見えないのは、ただ遊んでいるのだろうか。遊んでいるだけならいいのだけど、もし、あの船を待っているのだとしたら・・・。
私は心のモヤモヤを抑えきれずに、手短に着替えるとすぐに部屋を出て2人を探すことにした。
私は、とりあえずこのネスタを散策してみることに決めた。
まだ陽は高く、夜まで時間はある。あの船、夕方以降に現れるなら、まだ時間はある。二人を止めるのはそれからでも間に合うだろう。
1人、いつものメイド服に着替え、小さなカバンに神弓エルフィンを入れて漁師町を歩く。
それにしても、ほんとにこの黒い棒切れ。ごぼうか何かにしか見えないわね・・。
「どこに行こうかな・・・」
いつもは横であのうるさい2人が何が食べたいとか、どこに行きたいとか、何したいとか言うのに。
1人というものは、なかなかに寂しいものらしい。
もともとここに来たのも、そららとアリシアのわがままから始まったようなものだしね。
私は宿からでると、いつも3人で歩く海への道ではなく、反対の方向に歩き出した。
ただ、住宅が並んで建っているだけの何もない道。アレクサンドリアと比べると本当に何もない。
ゴォーン・・・ゴォーン・・・
遠くで鐘がなる音がする。時間を知らせるものだろか。そういえば、今何時かもわからない。
初日でそららが荒れる海へ魔法をぶっ放せ!!と言っていた高台の方から聞こえる気がする。
あの時は気が付かなかったけど、なにかあるのだろうか?
(ま、一人でやることないし。)
私は緩やかな坂を上りながら、高台へと昇ることにした。
高台の上には、数人の町人が花束を持って何かを話していた。
「今宵は満月。我等が英雄に祈りましょう。」
手に持っている花束を大きな石碑に向かって並べて置いている。
(何かの、慰霊碑なのかしら)
あいにく、こちらの文字は読めないため何が書いてあるのかさっぱりわからない。
「今でもこの街を見守り続けている勇敢なる魂に、安らかな眠りを。光の精霊フィリアのご加護がありますように、祈りましょう」
1人立っているのも申し訳ないので、参列者の中に紛れて祈りをささげる。
(魂・・・。)
私は昨日のクリスタルの事を思い出した。
海賊に襲われた・・・。
悪魔から逃げている・・・。
苦しい、助けてくれ・・・。
私の耳に、昨日聞いた亡霊の声が生々しく蘇る。
(救われることのない魂は、やがてモンスターとなる・・・)
アリシアの言葉が胸を締め付ける。
(だって、仕方ないじゃない。私も、ここの人も何も変わらないわ。同じ人間、無力なのよ)
短い黙祷のあと、神父と思われる男性の声で解散となった。
私は、一人残されて慰霊碑と思われる石碑に近づいてみた。
両手を広げても届かないくらい大きなその石碑には、名前のようなものがたくさん彫られていた。
これだけの人が、犠牲になった。
私は無意識に彫られた名前を指でなぞっていた。
「その方に、ゆかりがある方ですか?」
振り向くと、神父が私に声をかけてきていた。
「い、いえ。そんなんじゃないんです。そもそも、わたし、何があったか知らないし、ただの旅行者で」
「あぁ、そうなんですか。」
神父はカバンから小さな丸いものを取り出すと、
「少し、話しませんか?」
と、笑顔で私にその丸いものを一つ差し出していた。
「は、はぁ・・・」
私は、神父の座る大きな石の隣に座った。
丸いものはムニムニしていてそららのほっぺ・・・いや、お饅頭や餅のような弾力だった。
「美味しいですよ。この辺ではあまり見かけない食べ物なんですけどね」
40代くらいの神父は、大人なのに、って思わず言いたくなるくらい嬉しそうに笑顔で頬張っていた。
「ありがとうございます。いただきます。」
私も一口。
(あ、お餅だ。大福なんてこの世界にもあるんだ)
私は懐かしい食べ物に目を丸くしてしまった。もう、食べられないと思っていたのに。
そう思うと、無性に元の世界が恋しい。
こんな、魔法なんてよくわからない物が出て、ドラゴンや、お化けや、ゾンビが歩いてて、ご飯も簡単に買えないし、友達もいないし、だれがなんだかさっぱりわからない。
最近はあまり考えなくなっていたのに、もうパパやママに会えないと思うと、すごく悲しい。記憶も、思い出せるところとゴチャゴチャだし。
「あっ、」
私は大福を頬張りながら涙が頬っぺたを流れるのがわかった。
べつに、悲しくもないのに。
「おやおや、いきなりどうされたんですか?」
「い、いえ。少し昔の事を思い出していたら勝手に・・・。すいません」
「いえいえ、別に構わないのですよ。あなたのような多感な時期ならなおさらね。」
「そんなもんなのですかね・・・。私にはわからないですけど。」
「ふふっ、若いときには、色々悩むものです。それでは、そのまま少し私の昔話に付き合ってくださいませんか?」
神父はお茶を一飲みし、高台から眺める海を見つめて話し出した。
0
お気に入りに追加
79
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
【R18】童貞のまま転生し悪魔になったけど、エロ女騎士を救ったら筆下ろしを手伝ってくれる契約をしてくれた。
飼猫タマ
ファンタジー
訳あって、冒険者をしている没落騎士の娘、アナ·アナシア。
ダンジョン探索中、フロアーボスの付き人悪魔Bに捕まり、恥辱を受けていた。
そんな折、そのダンジョンのフロアーボスである、残虐で鬼畜だと巷で噂の悪魔Aが復活してしまい、アナ·アナシアは死を覚悟する。
しかし、その悪魔は違う意味で悪魔らしくなかった。
自分の前世は人間だったと言い張り、自分は童貞で、SEXさせてくれたらアナ·アナシアを殺さないと言う。
アナ·アナシアは殺さない為に、童貞チェリーボーイの悪魔Aの筆下ろしをする契約をしたのだった!
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます
ツバキ
ファンタジー
貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう
どんどん更新していきます。
ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる