ドルメンの館

かぷか

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番外編

招かれざる猫 2

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「猫か、確かにおかしいな」

「シスさんの言ってた事気になるんですか?」

「うーん」

 館に戻り本を持ちながらシロと遊ぶニオを目で追う。
「普通の猫が悪魔の町に紛れ込む方が違和感がある。ニオのように何の能力もない奴が紛れ込むならわかるが人間よりも敏感な動物が迷い込むのは珍しい。何かの前触れか何かすでに起こってるかもしれないから十分用心は必要です」と教えてくれた。

 本を読みあさるが魔女の使いだと言うのとお猫様という書物ばかりだった。スワロフも知っている情報ばかりで改めて知る内容は無かった。そう言えばニオが選んだ本が動物の絵本だったと思い読んでみた。猫が狩りに行く様子が描かれていた。

ペラペラとページを捲り最後まで読み終えた。隣で寝るディーに話しかける。

「ディー悪魔化は考えられるか?」

「俺は悪魔じゃないけど」

「魔を見抜くのが上手いだろ」

「ニオには悪魔化はまだないんじゃないかな~猫も感じない~」

「そうか…」

 ニオは楽しそうに猫と遊んでいる。微笑ましく見えたのも一瞬だった。

「…………。」

「クソ、シロめニオを横取りしおって」

「スワロフ様、ニオに嫌われますよ」

 ディーはニオの近くにすり寄り頭を自分も撫でてとぐいぐいと押した。ニオはディーの頭を優しくなで仰向けになったお腹を擦った。

良いでしょ~と言わんばかりに嬉しそうにした。

 ぐぅ~ディーめ

 お前の擬人化はニオにばれてるんだからな!
 さっさとその獣特権をやめろ

悔しくなりニオに近づきしゃがんだ。

「ニオ、俺も撫でろ」

「は?」

「二人は撫でられている」

「そりゃ、動物の好きな場所撫でれば喜ぶから。でも、スワロフは違うでしょ」

「俺も撫でられたら喜ぶ」

白い目で見られた。

「スワロフ様、これは獣の特権ですよ。彼らからその特権を奪ってはいけません。大人げないですよ」

 どこからか現れたモノがしゃべる。ディーとニオはうんうんと頷いた。モノを睨むもどこ吹く風だ。

 チッこんな時だけニオに見方するとは、まるで俺が駄々をこねたガキみたいじゃないか

「そうだな…冗談だ」

 スワロフは諦めて椅子に座りまた本を読み始めるが内心二人が恨めしくて仕方なかった。

「スワロフ様、本が逆です」 

「わかってる!」

 そんなやり取りをしていたその日の夜に変化は訪れる。スワロフの隣でよく眠るニオ。ニオの隣にはシロが寝ている。



「シス……シス…ねぇ……起きて、ねぇ…」

「んん…」

「ねぇ…会いに来た…」

「ん?ニオか…?どうした…」

 自分の上に股がるニオは裸で赤ら顔だった。その姿は妖艶な雰囲気だった。耳が生えており尻尾らしきものが左右に揺れていた。

余りにも現実と違うニオを夢だと思い適当にあしらった。

「スワロフ様は?」

「いないよ…シスに会いたくて来たよ…シス」

「ふふ、嬉しいが見つかれば殺される…さっさと帰れ…」

目をつむるシスは悪い夢だと寝なおした。

ニオは毛布を捲りシスの両手を自分の腰にあてがい胸に顔を寄せ首を舐めた。

「シス…しようよ…お願い…シスとしたい」

 すりすりと体を揺らすニオにシスは夢なのに温もりと感触があり反応してしまう。どうせ夢ならと思い目を開けると、はぁはぁと荒い息をしながら腰を動かすニオがいた。

たまらず腰を掴み揺らすとニオは大きくなったシスの性器をしっぽでまさぐる。ズボンをずらしニオのお尻に当て先が濡れると滑りがよくなり興奮した。

お尻を両手で開くと前のめりにシスの胸に倒れた。自分の中指を使い入念に解す。

「シス…シス…はぁ…はぁ、入れて」

 そんな言葉にシスは正気を失ってしまった。

「痛かったら言えよ」

頷いたニオ。
シスの指で拡げられると熱い性器が強引に入れ込まれる。そしてシスの硬い性器を圧迫して締め付けた。

「あああ!!」

「キツいな…大丈夫か?」

「うん…シス…シス入ってくる」

「ふふ、まだ入るが馴染むまで、な」

胸に抱くニオは震えながら馴染むのをまつ。耳は垂れ下がりしっぽも力をなくしていた。

背中を優しくさするとゆっくりじわじわ入れた。
夢だがリアルに感じる熱く狭い中はシスを欲情へと掻き立てた。

「ニオ、残り自分で入れてみるか?」

うんと頷くと起き上がりシスを見ながらぐいぐいと奥へ入れた。全てがおさまると自らゆっくり腰を動かした。

「すげぇ、可愛いな」

「シス…シス…突き刺して」

シスは煽られ腰を掴むと激しく突いた。ニオが自分を呑み込み感じる姿は男なら感じないわけがなかった。

「あっあっあっ!凄い凄いシス!」

「いいか?突かれて感じてんのか?」

「あああ!!いい、気持ち、シスが中に入って俺をかきみだしてる!」

「もっともっとしてやる」

シスは下から突き刺して何度もいかせる。それが終わると正常位やバック、背面座位などあらゆる体位をした。たまっていたニオへの気持ちを吐き出すかのように抱き潰した。最後はぶるぶるとすべての精液を出しきるように入念に奥へ流した。

シスの肩や背中には必死に抱き付いたニオの爪痕が残っていて、ヒリヒリするも誇らしげに思うほどだった。

「ニオ…すげぇ良かったよ。夢でもお前が抱けて良かった」

「うん…俺も」

シスはキスはスワロフのものだからできないと思い止まったが「キスして」と言われ最後に優しく濃厚なキスをした。

するとニオは消えた。

「……すげぇ、いい夢だった…」

シスは全身から力が抜けベッドに倒れた。

 
□□□

【………不快だ】

 一方寝ていたスワロフが主印の反応に気がつく。ベッドで目を覚ましニオを確認したがニオは隣で寝ていた。辺りを見渡すも誰かいる気配は感じられなかった。
 
 嫌な予感がしてニオを調べるとキスマークの痕やあそこから精液が溢れた。目の前の出来事に胸くそが悪くなりベッドに爪をたて怒りをあらわにするもそんな事では治まらなかった。

 誰だ…

 ニオはいる

 ……この匂い…シスか

「モノ……シスを見てこい」

「はっ」

 みるみる悪魔の姿になり目の前のニオを喰おうと覆い被さろうとしたが必死で抑えた。モノを待つ時間が一生の様に長く感じる。またその時間が怒りを誘い尻尾が壁を切り刻む。

何とか気をそらそうとした。

「オクタ」

「はい」

「誰か侵入者はいたか」

「おりません」

「本当だろうな……」

「はい」

 スワロフの恫喝声に素早くしゃがみ、立て膝を付き深々頭を下げて誓った。緊張と静けさだけが部屋に残る。

 オクタが気がつかないわけがない。もしシスがこの部屋に来ていたならばすぐにわかる。術か?いや、あいつは除印特化だ。そんな高度な術は使えないし知らないはずだ。

 なら、ニオが向かった?

 現実的じゃないな

 だが、体は犯されている

 苛立ちが止まらない

 忌々しい…忌々しい忌々しい
 

 外は今にも嵐が来そうだった…
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