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松編 ②

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 ダメだ、腹が立つ。

 イライラがおさまらない!

 俺は仕事に追われる苛立ちと今日のうまくいかなかった出来事が家に帰っても処理しきれなかった。

「あ゛~何なんだよ。仕事のミスは俺のせいにされるは、急いでるのに買い物のレジは横入りされるは、電車は遅延。仕事に終われ帰宅するもドアノブに誰かゴミくくりやがって!!」

 自分が悪くない事で嫌なことが立て続けに起きるとストレスが以上に溜まり処理しきれなくなる。

 酒、飲むしかねぇ!

 一気飲みするもストレスはおさまらない。ふと、机に置いてある紙袋を見た。

 そうだ、河口君とフィグさんにもらった結婚式のお詫びのプレゼントだ。後で開けようと思ってた。

 前なら河口君がいて二人で話ができてて上手く消化できてたんだよな……

がさごそと開けると小さな箱が入っていた。

「綺麗だな」

 見ると何でできているかわからないブレスレットのようだった。見てると少し癒される。

 先日、河口君に頼まれた印鑑を取りに行った。

 お揃いの印鑑……印鑑てお揃いとかあんの?
 やっぱりよくわからないけど、らしいと言えばらしいかな。ふふふ、河口君面白いな。

会いたいな~

 週末まで会えないしな。今からイカ公園まで行くの面倒だし。そーいや、この場所で瓶の液を使ったらどうなるんだ?

まだ、液は数回分残ってる。万が一変な場所に行ってもすぐに使えばいいか。

 普段の俺よりちょっと投げやりになっていた。


 シュ~


「暗!どこだここ」

 やけに響く場所だな。
 眼が慣れる。

 何だ、誰かいるのか?

 念のため瓶を用意した。恐る恐る近づくと誰かがいた。ジーっと見つめると急に眼が開いた。

「うわ!」

慌てて身を引くも腕を掴まれた。

「松君様?」

「その声……ソルトか?」

「夢ではないですよね?」

「あ~、たまたま瓶を使ったら、うわ!」

ソルトは松を抱き締めてすりすりとした。

「やめろ!」

「嬉しいです~会いたかったです」

 テンションは寝起きだからかいつもより低いが体温は熱かった。

どうやら、ソルトのいる場所に飛んだらしい。よりによってソルト。

 鉄格子がしっかりあるが部屋は意外なほど快適そうだったが牢屋だよな。フィグさんに入れられたのか…

べっとり引っ付くのに抵抗するのもしんどい。ソルトも妃候補だったとはいえ俺より絶対に強い。

「お酒飲まれたんですか?」

「あー1本だけ」

「いいですね、ここに入ると飲めませんので」

「自業自得だろ」

 匂いでわかるのかソルトは余計すりすりしてきた。されるがまま俺は横になるが…何か当たる。

「おい……当たってる」

「はい~」

 はぁ~今日のストレスが一気に引いた。

 みるみるうちにソルトのモノはでかくなり俺の太もも辺りをつついた。やめろと言ってもやめないだろうし俺を抱え嬉しそうにはぁはぁと息をしている。急に俺のS心にスイッチが入った。

「おい、お前それどーすんの?」

「はぁ…はぁ…何とかしたいです」

「じゃあ、今ここでしろよ」

「え!」

ソルトはびっくりしたが俺を脱がそうとした。

「誰が俺を脱がしていいって言ったんだよ。見ててやるからやれよ」

 もじもじしながらも従う素振りをみせた。

「鬱陶しいから、恥ずかしがるなよ」

 俺は近くにある椅子に座りなおしソルトが服を寛がせるのを見ていた。

 フィグさんほどじゃないが鍛えられてるな~

 片手で擦りながらはぁ…はぁ…と言っている。水っぽい音がした。みるみるアソコは濡れてローションを付けたみたいになっていた。

「それ、何で濡れてんの?」

「あっ…ん?何がですか?」

「ローション使ってないよな。それとも先からでる量が多いのか?」

「ろおしょん?は、わかりませんが、行為や自分でするときは指から液がでます……うっ」

「へー便利」

 まだまだ知らないことは沢山ありそうだな。
 自慰も一緒なのか?

 せっせと動かすソルトは恥ずかしそうだがどことなく嬉しそうだ。
そんなソルトよりも異世界の性生活の方が気になった。元々フィグの妃候補も男だしやたら男ばかりな気がした。

「なぁ、こっちは男と結婚が普通なのか?」

「はい、別の国に女性はいますがなかなか会えませんね」

一応いるにはいるのか。

「じゃあ、どやって子供できんの?フィグさん、跡取り欲しいんじゃないの?」

「?」

 ソルトは不思議に思ったが俺の方が不思議だった。一国の王ならその遺伝子が残したいと周りも思うはず。それに、こんだけ男だらけなら少子化なんじゃないか?

「いや、赤ちゃんいないと人口が増えないでしょ」

「魔石から産まれますから…あっ」

 は?

 俺は恐ろしい開けてはいけないパンドラの箱を開けた気がする。

「怖い怖い、何それ。家族や兄弟は?」

「いますよ……んっ」

「まだ、イクな。質問の途中だ」

「魔石って何だ」

「魔石の欠片があるんですがそれが合わさると……ん…」

「イクな!」

思わず足でソルトの手を押さえた。

「はぅ!」

「合わさるとなんだ」

「そこから赤ちゃんがでてきます…」

もじもじしながら話すソルトだが松は質問を続けた。

「簡略化するな、わかりやすく説明しろ」

 どうやらそういう魔石がその辺に落ちてるらしくてそれを二人で探してもって帰って合わせるとなるらしいが。合わせると=性行為らしい。丸い玉状の魔石をどっちかの穴に入れて精子をかけると出来上がりでそれを取り出し置いとくと赤ちゃんが出来上がるようだ。その魔石を何個か拾ってこれば必然的に兄弟ができる。

理解しようとしたが…拾ってきて育てるというのが桃○郎ぐらいしか該当する想像ができなかった。だが子供ができる仕組みはなんとなくわかった。てことは男同士でもいいわけか。

「松君様…足を…限界です。こんな性の話しを詳しく聞かれたのは…初めてで…あっ」

「もう一つ。お前はどっちだ、やる方かやられる方か」

「ああっ…松君様がそんは言葉を……松君様とならどちらにもなります!」

「あっそ」

 素っ気ない返事をした。松が足を離すと手で激しく擦りながらソルトは果てた。

「はぁ…はぁ…うぅ気持ち良かったです」

「あっそ」

 ソルトが自分を見ながらイッた事により優越感がうまれストレスが解消された。

「じゃあ、帰る」

「ま、待って下さい!松君様!」

「あ?なんだよ」

「私はお側に置いていただけませんか?」

「嫌だ」

シュンとなるソルトに松は言った。

「週末また来るから大人しくしてろ」

「はい!!」

松は瓶をたらし自分の世界へ帰って行った。
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