上 下
57 / 148
松編 ①

松 5

しおりを挟む
 クラムさんと別部屋に行き経緯を話した。俺もクラムさんからこれまでの話を聞いていろいろわかった。

「王がもっと上手く断ればこんな事には…」

「いえ、結局断っていてもあの妃なら同じだったと思います」

「確かに…そこまで王の事が好きだったとは思いませんでした」

「それも違います。好きとは一度も言ってないです。それよりも、周りに王と結婚すると言われ続けていたのに結婚できなかった事と今までの時間が無駄になった事が悔しくて当たりたかったんだと思います」

「そうですか」

「にしても、元妃も男なんですね」

「はい、小さい頃から候補はいます。最終的に優秀な人が王と婚姻を果たします」

「へぇ~」

凄い国だな~自由というのか厳選に厳しいというのか。

「松君さん…その妃が貴方に謝りたいと言ってますが…」

「わかりました」

妃を部屋に招き入れた。

もじもじしている妃。

「あの…先ほどはすみませんでした」

「いえ、気持ちもわかりますが二人は相思相愛で邪魔は無粋ですよ。諦めて他の方探して幸せになってください」

うつむく。

クラムにヒソヒソと話した。
それを松に伝える。

「松君さん…それよりも話したいこがあるそうです」

「はい」

「ソルト様が松君さんを好きになったと言ってます」

「へぇ~」


「……。」


「「……。」」


「松君さん…どうでしょう…一つここは」

「嫌です」

「まだ、話してません!」

「結婚しません。仕事ありますし、面倒なので」

「付き合うだけでも!」

「嫌です!こんな面倒な性格の奴。河口君ぐらい可愛い性格ならともかく、性格ブスは嫌です!」

「そう言わず…」

 クラムがソルトを見るとソルトの目はハートになっていた。それに驚き口を開けているとソルトが松の前に跪いていた。

「松君様…あの冷たい目線が堪らなく忘れられません。一生お守りしますので伴侶になって下さい!!」

「お断りです」

「あぁ~素敵!何て良い言葉!!断る所が好きです!」

「ざけんな!!」

「松君様、ちなみにこちらの妃様は王と許嫁となれるほどの地位と教養と財産をお持ちです」

「クラムさんその解説いらないです」

 松はソルトの肩を足でグイグイ押すと嬉しいそうにそれを受け入れた。それを見て顔を歪める松。

「おい、ドM!俺は結婚願望も夢見るような幸せも望んでない。ついでに金持ちでも地位も権力も全くないただの人だ。魔法も使えない。どうだ、嫌だろ。諦めろ」

「……いい。」

「「は?」」

「良い!!私が求めていた理想です!何もない人こそ大きな心をお持ちです!一生大事にします!!伴侶にしてください!!!」

「ちょっ、クラムさん!!こいつ、どうにかして!!」

「松君さん、ソルト様は優秀で才色兼備でいらっしゃいます!歳は21歳で趣味は料理と魔物狩り!得意は魔石3つ回し!」

「ソルト押ししないで下さい!!」

松が足で蹴れば蹴るほど喜ぶソルトでした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

真・身体検査

RIKUTO
BL
とある男子高校生の身体検査。 特別に選出されたS君は保健室でどんな検査を受けるのだろうか?

首輪 〜性奴隷 律の調教〜

M
BL
※エロ、グロ、スカトロ、ショタ、モロ語、暴力的なセックス、たまに嘔吐など、かなりフェティッシュな内容です。 R18です。 ほとんどの話に男性同士の過激な性表現・暴力表現が含まれますのでご注意下さい。 孤児だった律は飯塚という資産家に拾われた。 幼い子供にしか興味を示さない飯塚は、律が美しい青年に成長するにつれて愛情を失い、性奴隷として調教し客に奉仕させて金儲けの道具として使い続ける。 それでも飯塚への一途な想いを捨てられずにいた律だったが、とうとう新しい飼い主に売り渡す日を告げられてしまう。 新しい飼い主として律の前に現れたのは、桐山という男だった。

新しいパパは超美人??~母と息子の雌堕ち記録~

焼き芋さん
BL
ママが連れてきたパパは超美人でした。 美しい声、引き締まったボディ、スラリと伸びた美しいおみ足。 スタイルも良くママよりも綺麗…でもそんなパパには太くて立派なおちんちんが付いていました。 これは…そんなパパに快楽地獄に堕とされた母と息子の物語… ※DLsite様でCG集販売の予定あり

身体検査が恥ずかしすぎる

Sion ショタもの書きさん
BL
桜の咲く季節。4月となり、陽物男子中学校は盛大な入学式を行った。俺はクラスの振り分けも終わり、このまま何事もなく学校生活が始まるのだと思っていた。 しかし入学式の一週間後、この学校では新入生の身体検査を行う。内容はとてもじゃないけど言うことはできない。俺はその検査で、とんでもない目にあった。 ※注意:エロです

僕が玩具になった理由

Me-ya
BL
🈲R指定🈯 「俺のペットにしてやるよ」 眞司は僕を見下ろしながらそう言った。 🈲R指定🔞 ※この作品はフィクションです。 実在の人物、団体等とは一切関係ありません。 ※この小説は他の場所で書いていましたが、携帯が壊れてスマホに替えた時、小説を書いていた場所が分からなくなってしまいました😨 ので、ここで新しく書き直します…。 (他の場所でも、1カ所書いていますが…)

エレベーターで一緒になった男の子がやけにモジモジしているので

こじらせた処女
BL
 大学生になり、一人暮らしを始めた荒井は、今日も今日とて買い物を済ませて、下宿先のエレベーターを待っていた。そこに偶然居合わせた中学生になりたての男の子。やけにソワソワしていて、我慢しているというのは明白だった。  とてつもなく短いエレベーターの移動時間に繰り広げられる、激しいおしっこダンス。果たして彼は間に合うのだろうか…

女装とメス調教をさせられ、担任だった教師の亡くなった奥さんの代わりをさせられる元教え子の男

湊戸アサギリ
BL
また女装メス調教です。見ていただきありがとうございます。 何も知らない息子視点です。今回はエロ無しです。他の作品もよろしくお願いします。

処理中です...