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会社から帰宅し俺の気になるのはやはりこれ。
「今日は何してた?」
「腕立て3万腹筋5万」
増えてる。
「クラムさんは?」
「字という物を見たりしました」
そうか、字読めないからきっと不思議だよな。
「やまと、けいたいを見せてくれないか?」
「あ、いいよ」
ポケットから取り出し二人に見せた。画面が明るくなり、パスワードを押しネットを見せる。クラムさんは驚いていた。指で何か書くような仕草をしていたので俺がペンと紙を渡すとうまく握ぎなれないようだが何とか掴んで何か書き出した。
指でスライドさせたり、話をしている画像や顔を見ながら会話もできる事を説明したりした。
向こうにはないのか~あれば便利だよ。
「だいぶナグル王国と違う?」
「ナグマだ。違う」
「へぇー」
「やっぱり自国のがいい?」
「守らないといけないからな」
「何から?」
「魔物だ」
「へぇー」
この一言であちらにちょっと行きたい気分がゼロになった。
「クラムさんはこっちの世界はどう?」
「何と言うか…賑わしいですね」
やっぱり苦手かな。
それに、自分たちだけ来ちゃったから国の人心配だよな。念のため夜は公園見に行くか。
そうして仕事から帰り夜の公園に向かうのを日課にした。
「やっぱり無いね」
「そうだな」
「前回と同じ条件じゃないと駄目か…また、明日も見てみよう」
「わかった」
週末まで繰り返したが出る事は無かった。でだ、本日が土曜日の夜。二人がこちらの生活で大好物ができたのは置いといて。これがメイン!
「フィグ準備いい?」
「ああ」
「クラムさんも」
「はい」
夜なのでとりあえず目立たないから防具はつけてもいいかと、あと荷物は全部クラムさんに持たせてあの場所へ行った。
「ゆっくり進もう」
「わかった」
フィグと俺はすぐに止まりしゃがむ。クラムさんは不思議そうにしゃがんだ。
「どうしたんですか?」
「しっ!」
「すみません」
「耳をすましてください」
「はい」
クラムさんは耳をすます。
「あっあっあっん」
「何かの魔物ですか?」
「似ていますが違います。週末の夜によく現れます。あそこです!」
俺はビシっと指をさして見せた。
クラムさんは絶句していた。俺とフィグはゆっくりクラムさんの腕を持ち引き返した。
ベンチに項垂れる二人。
「何を見せられたんですか私は…」
「それは、」
「やまと、言わなくていい…」
「とりあえず、10分ぐらい待ちましょう。これが前回と同じ条件です。これ見た後にモヤモヤがでて帰れたんです」
「王も…いやいいです」
クラムさんは口をつむった。恐らく、王も前回見たんですか?と聞きたかったのだろう。答えは勿論yes!だ。
三人でまた同じ場所へ行く。二人はいなかったが何か余韻が残ってそうで嫌だな。
目を凝らす。
「やまと、これか!?」
「あ!あった!」
またしてもすぐに身体を入れているフィグ。帰る気満々!クラムさんもはぐれないようにすぐ後ろにいる。
「やまと、世話になった!ありがと!プリンもおいしかった!」
「やまとさん、プリンありがとございました!一生忘れません!」
俺よりプリン!!
「二人とも楽しかった!元気でね!」
「やまとも健やかに!じゃあ!」
「でわ」
二人はモヤモヤの中に消えていった。そして、またしても朝日と共に消えた。
部屋に戻るとやけに広く感じる。ついさっきまであった防具も剣もない。二人がいた痕跡は無くなってしまった。
ガッカリもしたけど、二人が帰れて良かったな。
結局、あのモヤモヤはヤったらでてくるのか?と悩んでいたら俺の机の上に紙が。
『や ま と あ り が と う プ リ ン』
といびつな字で書かれていた。
「結局プリンかい!!」
拭いても拭いてもでてくる涙は甘党になった俺にはしょっぱすぎた。
「今日は何してた?」
「腕立て3万腹筋5万」
増えてる。
「クラムさんは?」
「字という物を見たりしました」
そうか、字読めないからきっと不思議だよな。
「やまと、けいたいを見せてくれないか?」
「あ、いいよ」
ポケットから取り出し二人に見せた。画面が明るくなり、パスワードを押しネットを見せる。クラムさんは驚いていた。指で何か書くような仕草をしていたので俺がペンと紙を渡すとうまく握ぎなれないようだが何とか掴んで何か書き出した。
指でスライドさせたり、話をしている画像や顔を見ながら会話もできる事を説明したりした。
向こうにはないのか~あれば便利だよ。
「だいぶナグル王国と違う?」
「ナグマだ。違う」
「へぇー」
「やっぱり自国のがいい?」
「守らないといけないからな」
「何から?」
「魔物だ」
「へぇー」
この一言であちらにちょっと行きたい気分がゼロになった。
「クラムさんはこっちの世界はどう?」
「何と言うか…賑わしいですね」
やっぱり苦手かな。
それに、自分たちだけ来ちゃったから国の人心配だよな。念のため夜は公園見に行くか。
そうして仕事から帰り夜の公園に向かうのを日課にした。
「やっぱり無いね」
「そうだな」
「前回と同じ条件じゃないと駄目か…また、明日も見てみよう」
「わかった」
週末まで繰り返したが出る事は無かった。でだ、本日が土曜日の夜。二人がこちらの生活で大好物ができたのは置いといて。これがメイン!
「フィグ準備いい?」
「ああ」
「クラムさんも」
「はい」
夜なのでとりあえず目立たないから防具はつけてもいいかと、あと荷物は全部クラムさんに持たせてあの場所へ行った。
「ゆっくり進もう」
「わかった」
フィグと俺はすぐに止まりしゃがむ。クラムさんは不思議そうにしゃがんだ。
「どうしたんですか?」
「しっ!」
「すみません」
「耳をすましてください」
「はい」
クラムさんは耳をすます。
「あっあっあっん」
「何かの魔物ですか?」
「似ていますが違います。週末の夜によく現れます。あそこです!」
俺はビシっと指をさして見せた。
クラムさんは絶句していた。俺とフィグはゆっくりクラムさんの腕を持ち引き返した。
ベンチに項垂れる二人。
「何を見せられたんですか私は…」
「それは、」
「やまと、言わなくていい…」
「とりあえず、10分ぐらい待ちましょう。これが前回と同じ条件です。これ見た後にモヤモヤがでて帰れたんです」
「王も…いやいいです」
クラムさんは口をつむった。恐らく、王も前回見たんですか?と聞きたかったのだろう。答えは勿論yes!だ。
三人でまた同じ場所へ行く。二人はいなかったが何か余韻が残ってそうで嫌だな。
目を凝らす。
「やまと、これか!?」
「あ!あった!」
またしてもすぐに身体を入れているフィグ。帰る気満々!クラムさんもはぐれないようにすぐ後ろにいる。
「やまと、世話になった!ありがと!プリンもおいしかった!」
「やまとさん、プリンありがとございました!一生忘れません!」
俺よりプリン!!
「二人とも楽しかった!元気でね!」
「やまとも健やかに!じゃあ!」
「でわ」
二人はモヤモヤの中に消えていった。そして、またしても朝日と共に消えた。
部屋に戻るとやけに広く感じる。ついさっきまであった防具も剣もない。二人がいた痕跡は無くなってしまった。
ガッカリもしたけど、二人が帰れて良かったな。
結局、あのモヤモヤはヤったらでてくるのか?と悩んでいたら俺の机の上に紙が。
『や ま と あ り が と う プ リ ン』
といびつな字で書かれていた。
「結局プリンかい!!」
拭いても拭いてもでてくる涙は甘党になった俺にはしょっぱすぎた。
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