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勧められるままに

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樹杞に連れられた場所は見覚えがあり、以前来たことのあるカフェだった。
でも、何処か雰囲気が違う様に感じる。


「前来た時はカフェの時間で夕方からは食事が出来るようになるんだよ…ここ」
「そうなんですね。初めて知りました……」

戸惑っている私に樹杞が案内された席へと、そのまま手を引いて行く。

「夜は何度か一人で来てるんだ。昼間のカフェだと楓ちゃんとじゃないと難しいんだけどね」

向かい合って席に座ると、樹杞は私を気遣ってくれている事が分かる。

「私は夜は初めてなので、楽しみです」

本当に楽しみだったので、笑みが溢れていたのか、樹杞がつられて微笑んでくれる。
「少し元気が出てきたかな?もっと元気になれるように、美味しいものを注文しようか」
樹杞が素早く何かと注文してくれた。


「ここのドリンクも美味しいから、おすすめの物を頼んだんだけどダメな物ってあった?」

気を使って聞いてくれる樹杞の姿勢が嬉しい。

「苦手とかは無いので大丈夫です」
「一応、2種類でベリーと柑橘を注文したんだけど…。
この前ベリーは大丈夫そうだったし柑橘も口にしてる所見てたから、無難に注文した感じなんだけど、大丈夫?」
「ありがとうございます。ベリーも柑橘も好きなので樹杞さんのおすすめを先にお願いしたいです」
そう答えると、樹杞が嬉しそうに考え始めている。



ドリンクが運ばれて来て、何種類かのベリーとカシスオレンジが並べられる。
見たまま言うと、ベリーもカシスオレンジも果肉が沢山入っており美味しそうの一言だった。

樹杞がベリーのグラスを差出し、樹杞はカシスオレンジを手に取って「お疲れ様」とグラスを持ち上げ口を付けた。
私も少し遅れたがグラスに口を付ける。
ベリーの爽やかな味とアルコールが入っている事で余計に美味しく感じた。


その後も、樹杞のおすすめの料理とドリンクで気分が良くなって…俊樹と由希の事は忘れる事が出来た。




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