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大学進学後、莉佳は翔真がいない寂しさもあり、煌と一緒に行動することが増えていた。
2人の親の図らいもあって、煌と莉佳の住まいは同じマンションの隣同士にしてもらっていた。
これまで通り行き来して大学生活を送っている。
煌は莉佳が側にいてくれる事もあって、資格取得に必要な実習や課題も順調にこなしていく。
莉佳に至っても、煌と同じ学部で一緒に大学生活が送れることで、将来的にも煌と同じ様に資格を取得し、その道で仕事する事が目標になっていた。
その為、高校時代から進展はなく、恋愛については平行線となっていた。
一緒に過ごしていても、2人共実習の話や課題をこなす時間となってしまい、あっという間に大学4年間が終了してしまった。
就職に関しては、それなりに大きな病院に介護福祉士として2人一緒の就職先が決まる。
就職が決まれば国家試験に向けての勉強に本腰を入れる為に、お互い自室に籠もる事が多かった。
そんな努力もあり、2人は目出度く資格取得出来たのだった。
入職日。
入職式出席中に、煌と莉佳は会場で翔真を見つけた。
新入職者の席に座っている。
2人とは離れているが間違いなく翔真だった。
新卒者の紹介があり、翔真が看護士として同じ病院に就職することを、たった今知った2人。
翔真に早く声を掛けたくて、そのタイミングを図っていた。
初日という事で、全ての職種の新卒者を対象にオリエンテーションが行われ、職種の違う翔真とは殆ど交流出来ずに1日が終わってしまった。
「久し振りだね、翔真。正月振り?」
莉佳が、オリエンテーションが終わったばかりで翔真を突撃する。
莉佳の行動を予想してか翔真は莉佳に視線を向けており、声掛けと同時に莉佳へ近づいて来る。
「正月振りだよ。無事2人がここに入職してくれて良かったよ」
翔真の返事に、2人がこの病院に就職しようとしていたのが判っていて、翔真も就職したという経緯が伺える。
これまで連絡を取ったり、長期休みには煌と莉佳が実家に帰省し翔真と会うことがあった。
翔真は何も教えてくれず、2人に内緒で看護士の資格取得と就職を決めていた様だ。
親同士仲が良い為、煌と莉佳の就職先は親から情報が得られるし、2人が福祉大に通うことになった時点で4年間で資格取得しその後就職することも想像できただろう。
「4年前に莉佳と煌が大学を選んだ後、直ぐに2人に追いつける方法を考えていたんだ」
翔真は2人との1年の差を埋めるべく、看護大を受験し3年間で看護士資格を取得する目標を決めていたと話してくれた。
「お正月に帰った時、本当に大晦日とお正月くらいしか翔真が顔を出さなかったから心配してたんだよ?」
「ごめん。国家試験落ちる訳にはいかなかったから、あんまり一緒にいられなかったんだ。2人が介護福祉士受かって俺だけ看護士なれなかったら、今まで隠してたのも1年の差を埋めるのも意味無くなるからね。2人が、試験落ちることはないと思っていたから、俺も確実にしたくてさ」
翔真が今日を迎える為に、1人で頑張ってきた事が分かる。
「ママ達も翔真は大学のゼミが忙しいとか言って、翔真の家にも入れて貰えなかったんだよ?みんな共犯だったんだね…」
仲間外れが納得いかなかった莉佳が膨れ顔で翔真を睨む。
「翔真、久し振りだな。お前が看護士目指してたなんて全然分からなかったよ」
煌が翔真の肩を叩き、今日のサプライズに驚いた事を伝える。
「看護士っていうのは、憧れてて、興味もあったんだ。家は共働きだから早く1人前になりたいってのもあったしね。俺が、看護士目指すって言ったら母親ズが大喜びだったよ。煌と莉佳に話さないように念をおしていたけど、入職日まで秘密にできるとは期待してなかったよ」
煌にいたずらっぽく微笑む翔真。
「ママ達は翔真ママが仕事辞めて3人で遊びに行く時間が出来るから、喜んでたんじゃないの?」
莉佳が母親達の仲の良さに自然と笑みを溢す。
「4月中には3人で京都に花見旅行だってさ」
翔真の答えに莉佳は「やっぱり」と納得の表情だ。
煌も「だろうな」と一言。
「まあ、これからよろしくお願いします。また、仲間に入れて貰うから」
翔真の改まった挨拶で、煌は翔真の肩にもう一度手を置き「喜んで」と笑顔を見せた。
莉佳も「よろしく」と翔真の腕に飛びついている。
3人での和やかな会話が、4年前と変わらないなと3人は感じていた。
2人の親の図らいもあって、煌と莉佳の住まいは同じマンションの隣同士にしてもらっていた。
これまで通り行き来して大学生活を送っている。
煌は莉佳が側にいてくれる事もあって、資格取得に必要な実習や課題も順調にこなしていく。
莉佳に至っても、煌と同じ学部で一緒に大学生活が送れることで、将来的にも煌と同じ様に資格を取得し、その道で仕事する事が目標になっていた。
その為、高校時代から進展はなく、恋愛については平行線となっていた。
一緒に過ごしていても、2人共実習の話や課題をこなす時間となってしまい、あっという間に大学4年間が終了してしまった。
就職に関しては、それなりに大きな病院に介護福祉士として2人一緒の就職先が決まる。
就職が決まれば国家試験に向けての勉強に本腰を入れる為に、お互い自室に籠もる事が多かった。
そんな努力もあり、2人は目出度く資格取得出来たのだった。
入職日。
入職式出席中に、煌と莉佳は会場で翔真を見つけた。
新入職者の席に座っている。
2人とは離れているが間違いなく翔真だった。
新卒者の紹介があり、翔真が看護士として同じ病院に就職することを、たった今知った2人。
翔真に早く声を掛けたくて、そのタイミングを図っていた。
初日という事で、全ての職種の新卒者を対象にオリエンテーションが行われ、職種の違う翔真とは殆ど交流出来ずに1日が終わってしまった。
「久し振りだね、翔真。正月振り?」
莉佳が、オリエンテーションが終わったばかりで翔真を突撃する。
莉佳の行動を予想してか翔真は莉佳に視線を向けており、声掛けと同時に莉佳へ近づいて来る。
「正月振りだよ。無事2人がここに入職してくれて良かったよ」
翔真の返事に、2人がこの病院に就職しようとしていたのが判っていて、翔真も就職したという経緯が伺える。
これまで連絡を取ったり、長期休みには煌と莉佳が実家に帰省し翔真と会うことがあった。
翔真は何も教えてくれず、2人に内緒で看護士の資格取得と就職を決めていた様だ。
親同士仲が良い為、煌と莉佳の就職先は親から情報が得られるし、2人が福祉大に通うことになった時点で4年間で資格取得しその後就職することも想像できただろう。
「4年前に莉佳と煌が大学を選んだ後、直ぐに2人に追いつける方法を考えていたんだ」
翔真は2人との1年の差を埋めるべく、看護大を受験し3年間で看護士資格を取得する目標を決めていたと話してくれた。
「お正月に帰った時、本当に大晦日とお正月くらいしか翔真が顔を出さなかったから心配してたんだよ?」
「ごめん。国家試験落ちる訳にはいかなかったから、あんまり一緒にいられなかったんだ。2人が介護福祉士受かって俺だけ看護士なれなかったら、今まで隠してたのも1年の差を埋めるのも意味無くなるからね。2人が、試験落ちることはないと思っていたから、俺も確実にしたくてさ」
翔真が今日を迎える為に、1人で頑張ってきた事が分かる。
「ママ達も翔真は大学のゼミが忙しいとか言って、翔真の家にも入れて貰えなかったんだよ?みんな共犯だったんだね…」
仲間外れが納得いかなかった莉佳が膨れ顔で翔真を睨む。
「翔真、久し振りだな。お前が看護士目指してたなんて全然分からなかったよ」
煌が翔真の肩を叩き、今日のサプライズに驚いた事を伝える。
「看護士っていうのは、憧れてて、興味もあったんだ。家は共働きだから早く1人前になりたいってのもあったしね。俺が、看護士目指すって言ったら母親ズが大喜びだったよ。煌と莉佳に話さないように念をおしていたけど、入職日まで秘密にできるとは期待してなかったよ」
煌にいたずらっぽく微笑む翔真。
「ママ達は翔真ママが仕事辞めて3人で遊びに行く時間が出来るから、喜んでたんじゃないの?」
莉佳が母親達の仲の良さに自然と笑みを溢す。
「4月中には3人で京都に花見旅行だってさ」
翔真の答えに莉佳は「やっぱり」と納得の表情だ。
煌も「だろうな」と一言。
「まあ、これからよろしくお願いします。また、仲間に入れて貰うから」
翔真の改まった挨拶で、煌は翔真の肩にもう一度手を置き「喜んで」と笑顔を見せた。
莉佳も「よろしく」と翔真の腕に飛びついている。
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