上 下
108 / 129
傍観者の暴走

四者会談

しおりを挟む
「恐らく其奴は悪い奴ではないだろうな、キモいだけで」

碧聖鳥(へきせいちょう)が言った。続けて

「悪い奴ではない、が、この『鬼ごっこ』には何か裏があると見た方がまだ妥当だな」

「俺もそれに一理賛成」

頭に腕間を組みながら黄雷猿(こうらいえん)は呟い

高白虎(たかびゃっこ)は

「でも悪気がないと言う事を前提にするなら、何か暗示みたいなのが隠されているのかも……」

黄雷猿(こうらいえん)は

「かぁっ。白虎(びゃっこ)は良い方に捉えすぎだわ。いきなり『鬼ごっこ』を仕掛けて来る奴だぜ?まともな奴じゃねぇよ」

(全員説得力があるが、こんな時、ザシコだったらどう言うのだろうか……)

はっと目が覚め自分のほっぺをビンタした。いつのまにかザシコ頼みになっている。そのせいでこうなってしまったんだ。

「あの……誰か付いてきてくれるの??」

「はぁ、我々はザシコ様の身を守らねばならない。あいにくまだ貴様は認めてないのでな。ザシコ様が信頼してるから生かしている。ありがたく思へ。」

「ですよね~……」

「ただ、こうやって作戦会議に参加してやっているじゃねぇか。ありがたく思へよ。」

(神ってやつは口が汚く高圧的だな……)


「とにかく、体育館を指定してきたんだ。何かしらあるはず」

すると碧聖鳥(へきせいちょう)は

「あの、マコが悪気がなさそうなやつというのは信じる。でも狭い体育館で、しかも二人相手に逃げ切れるとは言い難いです」

そこで僕はピンときた

「能力……か」

「うん」

てことは………

「もう一人のヤローもなんかあんじゃない?」

ケツをぼりぼり掻きながら黄雷猿(こうらいえん)は提言した。

そうなると仙華vs僕vsもう一人の個人戦。あくまで一人脱落するように仕組んであるのか!!

黄雷猿(こうらいえん)から

「聞いたぜ、少しだけ能力開花したんだけか?」

「あれは咄嗟のことであまり覚えていないんだ」

そう言って僕は手を開いたり握ったりした。すると高白虎(たかびゃっこ)が

「1と0は違います。経験した者と経験しなかった者の差は比べものなりません。あとは練習あるのみです」

「と言っても?」

「同じ電撃系統とお聞きしました。なら黄空猿が丁度いいでしょう。速さもパワーも。」

黄雷猿(こうらいえん)はとても慌てた様子で

「ちょちょちょちょちょちょ待ってくれよ!なんでこんなかクソガキの練習に付き合わなきゃならねぇんだよ。」

そこで碧聖鳥(へきせいちょう)があるものを取り出した。

黄雷猿(こうらいえん)は顔面が真っ青になった。

「そ、それは……なぜ……」

「彼の練習に付き合ってあげたら返すわ」

「お~ぼ~え~と~け~よ~」

黄雷猿(こうらいえん)は怒りで満ちていた。

そこに高白虎(たかびゃっこ)が肩をポンと叩いて

「ザシコ様を守れる力を手に入れなければ●しますよ?」

「ああ、そのつもりだよ」

碧聖鳥(へきせいちょう)の両翼が作った青白い輪っかを抜けるとそこは草原が広がっていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

日給二万円の週末魔法少女 ~夏木聖那と三人の少女~

海獺屋ぼの
ライト文芸
ある日、女子校に通う夏木聖那は『魔法少女募集』という奇妙な求人広告を見つけた。 そして彼女はその求人の日当二万円という金額に目がくらんで週末限定の『魔法少女』をすることを決意する。 そんな普通の女子高生が魔法少女のアルバイトを通して大人へと成長していく物語。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた

楠富 つかさ
恋愛
ある朝、目覚めたら女の子になっていた主人公と主人公に恋をしていたが、女の子になって主人公を見て百合に目覚めたヒロインのドタバタした日常。 この作品はハーメルン様でも掲載しています。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

処理中です...