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四葉のクローバー

女神のキッス

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「そ、それはどういう……」

「いいから黙って口移しするの!!」

雪見は今までにないくらい顔を赤くして何か決意を固めた表情をしていたが、悲しいかな、僕はボコボコにされてまくったおかげで表情筋すら痛みで動かん。

「これ……」

何やら粉みたいなのが見える。

「ザシコちゃんが言うには、この粉は蛤や赤貝を砕いて引いたもので「海蛤ウムキノカヒ」っていう治療薬なんだって。で、水とかで溶いたものを外側から塗るのも良いらしいんだけど、内側からの方が傷を素早く治すらしく……その……今の状態のまこと君なら塗るよりもぶち込めって。でも溢しちゃうからザシコちゃんが口移しで流し込めって……い、嫌ならしないけど……」

チラチラっと僕の方を見る雪見。すると

「なーにをタラトロタラトロやっとーかぁ!!はよ飲ませんね!!」

とザシコの怒鳴り声が聞こえた。

「頼むね」

雪見にそう告げると雪見は頷いた。粉をペットボトルに入れ、かき混ぜ、一気に飲んで蒸せて吐き出さないよう、5回に分けて飲ませてくれた。口移しをする際、髪をかき上げる仕草が妙に色っぽかった。






「テメェ、やっぱり来てた。ご主人様が来てたんだ、当然オメーも来てるわな。で、オメェのご主人様よぇーなぁあぁ??」

「マコはワシのご主人様ではない」

「かーっ!分かるぜその気持ち!認めたくねぇよな。いつでも殺せれるのに偉そうにあーだこーだ、分不相応もいいとこだぜ。」

「二度言うのは嫌いじゃ。だから、最後に一回言ってやろう。マコはご主人様ではない。家族じゃ。そしてマコは今までワシを卑下した事はない。マコをいつでも殺せる?実際、お主はマコを殺せなかったではないか!マコを舐めるなよ下賤な鬼よ」

パンッ

「妖刀 梅雨ノ細波」

「妖刀か、そんな身近な刀で俺に近づけ」

ズバッ

高部は右足を切られ、バタッと前のめりに倒れた。

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいてぇチクショウ」

叫ぶ高部の前に立ち

「ようやく上から目線じゃなくなったのぅ、天邪鬼」

「クソガキがぁぁぁぁ」

高部の脚が再生し、飛びかかって裂けた口でザシコを噛み砕こうとするが、暖簾に腕押し、ひらりとかわされ次は右腕と左腕を切られた。

「クソが……俺ぁ負けるわけがねぇんだ。はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

皮膚が剥がれ体が十倍くらいに膨れ上がり腕が六本に。身体は鋼鉄のように硬そうである。

ザシコはその姿を見て天邪鬼にこう言った。

「貴様……そのありえない身体……今まで何人の魂を食い散らかしてきたのじゃ!」

「ん~覚えてないなぁ。そうだ、テメェのご主人様とそこの女で二人から数えることをスタート地点にしようかなぁぁぁぁぁぁぁぁ」
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