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四葉のクローバー
その時は突然に
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ここ数日、夏なのにクーラーを止めてもいいかなと思うくらい涼しい朝が続いていた。世の中は少し慌ただしかった。テレビでは「高校生が相次いで自殺か!警察は周囲の状況から自殺みて捜査をしています」との報道が流れている。それも六日連続らしい。ここ最近、テレビはおろか、ネットすら見てない自分に気づいた。午前から病院に行き、母と話したりして、家に帰れば食事か部屋でザシコと作戦会議。親父はというと、疲労で風呂に入った後はすぐ就寝していた。テレビがついていれば見たのだろうが、残念ながらついていなかった。というよりも、つける理由がなかった。テレビで報じられていたその「事件現場」は、奇しくも「奈央さん」が身を投じた場所であった。
「ザシコ、これって……」
「うむ、動きよったな。しかし、自殺か……とにかく幾つか確認せねばならないことがあろう」
僕はザシコが何を確認すれば良いか言わずとも分かった。
雪見に電話をしてみた。
「もしもし、真人君!?どうかしたの?」
「ふ~。よかった。無事そうだね(といってもこの鎖で異変とかあったら何かしらあるらしいから、それで分かるんだけども)。そういえばニュースのことなんだけど……」
ほんの少し間が空いた後、雪見は言った。
「うん、自殺した人達、みんな私達を虐めてた人達だね……言ってみれば『主犯格』かな……」
「六人『も』か……。いや、六人『しか』かもしれない」
「ねぇ、真人君。実はね、交友関係の線で、警察官が聞き込みできたの」
「何でまた……はぁ、そういう事……なのか」
「うん……」
恐らく友人のからの聞き込み調査から「怨みを買うようなことをしてたか」とかそんな質問をされたんだろう。すると何人かから、「中学生の時に、今回『自殺した』子達からイジメを受けていた子達はいた」との情報があった。そしてイジメられていた子達の一人が同じ場所で自殺していた。そりゃ、誰だって残りのイジメられていた子達はどうなったか気になる。警察ならそこから情報を割り出すのなんて朝飯前であろう。そして雪見の所に辿り着いた。こんなところだろうな。
「ねぇ、真人君……私って酷い女だよね!?」
「なんでさ」
「一応同級生だよ!?しかも数日で六人も亡くなってる。それなのに『可哀想』とか『悲しい』とか……涙すら出てこないの……」
「ざまあみろ、だね」
僕は雪見に電話越しで言った。雪見は僕の予想外の言葉に、言葉を詰まらせていた。
「雪見、誰だってそう言うと思うけどなぁ。特にイジメられていたのなら尚更。この世で自分の死で泣いてくれる人なんて身内くらいさ。何故同級生だからといって感傷的にならなければいけない?それは『イジメられていたか』、『イジメられていなかったか』なんて関係ないんじゃないかな。寧ろイジメてた奴等が死んでも『ざまあみろ』と思わないと悲観的になってる雪見。君が酷い女なら世の中の人達は殆どが酷い人達になってしまうよ(笑)」
「真人君は優しいなぁ」
「逆だよ逆。雪見が優しすぎるんだ」
「えっ、だって心配して電話してきてくれたの真人君だけだし、励ましてくれるし……」
自分はこの時、物凄く恥ずかしくなった。気にしてなければ何ともないが、気にし出すともう無理なあの現象だ。
「い、いや、あの、え~っと、だから大丈夫かなぁっと。違~くもない、う~」
「ふふふふっ」
電話越しから雪見の笑い声が聞こえた。恥ずかしさは変わらないが、安心感を得ることができた。
「と、とにゃかく、ふ~っ。ゴホン。とにかくだね、無事で何より!!それと、今度、またあのお地蔵様のところへ行けるかな?」
(こんな状態じゃ逆に行き辛いか、もっと配慮をすれば良かった)
そう後悔していると
「うん、行こう。今回の亡くなった人たちの分も含めて。この前花束落としちゃってクシャクシャになっちゃったし。そうね……自殺の件で騒がしそうだから三日後かな……」
「分かった三日後、いつもの場所で。あとはメールするね」
「真人君」
「ん?何?」
「ありがとうね」
「いえいえ、じゃあね!」
「うん、じゃあね」
そして電話を切ろうとした瞬間、僕は
「ちょっと待って!切っちゃダメだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
と大声を上げた。
「ザシコ、これって……」
「うむ、動きよったな。しかし、自殺か……とにかく幾つか確認せねばならないことがあろう」
僕はザシコが何を確認すれば良いか言わずとも分かった。
雪見に電話をしてみた。
「もしもし、真人君!?どうかしたの?」
「ふ~。よかった。無事そうだね(といってもこの鎖で異変とかあったら何かしらあるらしいから、それで分かるんだけども)。そういえばニュースのことなんだけど……」
ほんの少し間が空いた後、雪見は言った。
「うん、自殺した人達、みんな私達を虐めてた人達だね……言ってみれば『主犯格』かな……」
「六人『も』か……。いや、六人『しか』かもしれない」
「ねぇ、真人君。実はね、交友関係の線で、警察官が聞き込みできたの」
「何でまた……はぁ、そういう事……なのか」
「うん……」
恐らく友人のからの聞き込み調査から「怨みを買うようなことをしてたか」とかそんな質問をされたんだろう。すると何人かから、「中学生の時に、今回『自殺した』子達からイジメを受けていた子達はいた」との情報があった。そしてイジメられていた子達の一人が同じ場所で自殺していた。そりゃ、誰だって残りのイジメられていた子達はどうなったか気になる。警察ならそこから情報を割り出すのなんて朝飯前であろう。そして雪見の所に辿り着いた。こんなところだろうな。
「ねぇ、真人君……私って酷い女だよね!?」
「なんでさ」
「一応同級生だよ!?しかも数日で六人も亡くなってる。それなのに『可哀想』とか『悲しい』とか……涙すら出てこないの……」
「ざまあみろ、だね」
僕は雪見に電話越しで言った。雪見は僕の予想外の言葉に、言葉を詰まらせていた。
「雪見、誰だってそう言うと思うけどなぁ。特にイジメられていたのなら尚更。この世で自分の死で泣いてくれる人なんて身内くらいさ。何故同級生だからといって感傷的にならなければいけない?それは『イジメられていたか』、『イジメられていなかったか』なんて関係ないんじゃないかな。寧ろイジメてた奴等が死んでも『ざまあみろ』と思わないと悲観的になってる雪見。君が酷い女なら世の中の人達は殆どが酷い人達になってしまうよ(笑)」
「真人君は優しいなぁ」
「逆だよ逆。雪見が優しすぎるんだ」
「えっ、だって心配して電話してきてくれたの真人君だけだし、励ましてくれるし……」
自分はこの時、物凄く恥ずかしくなった。気にしてなければ何ともないが、気にし出すともう無理なあの現象だ。
「い、いや、あの、え~っと、だから大丈夫かなぁっと。違~くもない、う~」
「ふふふふっ」
電話越しから雪見の笑い声が聞こえた。恥ずかしさは変わらないが、安心感を得ることができた。
「と、とにゃかく、ふ~っ。ゴホン。とにかくだね、無事で何より!!それと、今度、またあのお地蔵様のところへ行けるかな?」
(こんな状態じゃ逆に行き辛いか、もっと配慮をすれば良かった)
そう後悔していると
「うん、行こう。今回の亡くなった人たちの分も含めて。この前花束落としちゃってクシャクシャになっちゃったし。そうね……自殺の件で騒がしそうだから三日後かな……」
「分かった三日後、いつもの場所で。あとはメールするね」
「真人君」
「ん?何?」
「ありがとうね」
「いえいえ、じゃあね!」
「うん、じゃあね」
そして電話を切ろうとした瞬間、僕は
「ちょっと待って!切っちゃダメだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
と大声を上げた。
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