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四葉のクローバー
攻略への鍵
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麩菓子を食べながらザシコは言った。
「以前、恐山に行ったことを覚えてあるかの?」
「あ~、寝てる時だったから夢でなら行ったね。ザシコもいたし。てか何でザシコいたの??」
「そこは追々話す。マコがたどり着いた恐山は正確には『現実』と『夢』の狭間のようなものじゃ」
「???」
「ほうじゃなぁ、三途の川みたいな感じじゃ!」
「ああ、なるほど。で、それが何か?あそこに行くの?」
僕は正直嫌だった。ぶっちゃけていうと空気が重くて怖い。
「ホイホイと簡単に行けるわけではない。先程行ったが、帰れる保証が無い。現実の恐山なら簡単じゃがそうではない」
僕は先程格好をつけたが、少し怖気付いた。「行き方」「そこで解決する意味」「帰り方」。何一つわからない。そのことを告げると
「お地蔵様があるじゃろうが」
ザシコは「それくらい察しろよ」という呆れ顔で言った。
「でもお地蔵様なんてそこら中あるような気がするんだけど……」
「はぁ、お地蔵様の意味をまるで理解してないのう、このバカタレが。『供養』じゃ『供養』。本来はお地蔵様の数があるだけ悲しいことがあったという事じゃて」
見慣れた光景に一々意味を見出さない現代っ子の弊害だろうか、それとも日本人の価値観が変わってしまっているからだろうか。いや、それはない。悲惨な事件があれば、花束や飲み物や駄菓子が供養として供えられているのを見ると、やはり僕の観念が薄れていただけなのだろう。反省すべき点だ。
「じゃあお地蔵様の前に行って『ナニか』をすれば良いのか!!」
「そこは任せておけ。問題は『雪見』と『高部』をその場に連れてくる事じゃ」
「よし!そこを練ろう。その前に今日はお休みしよう」
「そうするのがええの。よし、寝ようぞ!」
「ちょっと先に布団に入らないでよ~」
「減るもんではなかろう」
ザシコはクシャっと笑みを浮かべ僕に寄り添って寝た。
(僕はザシコがいなかったらどうなっていたんだろう……)
そんなことを考えているうちに深い眠りに落ちた。
「以前、恐山に行ったことを覚えてあるかの?」
「あ~、寝てる時だったから夢でなら行ったね。ザシコもいたし。てか何でザシコいたの??」
「そこは追々話す。マコがたどり着いた恐山は正確には『現実』と『夢』の狭間のようなものじゃ」
「???」
「ほうじゃなぁ、三途の川みたいな感じじゃ!」
「ああ、なるほど。で、それが何か?あそこに行くの?」
僕は正直嫌だった。ぶっちゃけていうと空気が重くて怖い。
「ホイホイと簡単に行けるわけではない。先程行ったが、帰れる保証が無い。現実の恐山なら簡単じゃがそうではない」
僕は先程格好をつけたが、少し怖気付いた。「行き方」「そこで解決する意味」「帰り方」。何一つわからない。そのことを告げると
「お地蔵様があるじゃろうが」
ザシコは「それくらい察しろよ」という呆れ顔で言った。
「でもお地蔵様なんてそこら中あるような気がするんだけど……」
「はぁ、お地蔵様の意味をまるで理解してないのう、このバカタレが。『供養』じゃ『供養』。本来はお地蔵様の数があるだけ悲しいことがあったという事じゃて」
見慣れた光景に一々意味を見出さない現代っ子の弊害だろうか、それとも日本人の価値観が変わってしまっているからだろうか。いや、それはない。悲惨な事件があれば、花束や飲み物や駄菓子が供養として供えられているのを見ると、やはり僕の観念が薄れていただけなのだろう。反省すべき点だ。
「じゃあお地蔵様の前に行って『ナニか』をすれば良いのか!!」
「そこは任せておけ。問題は『雪見』と『高部』をその場に連れてくる事じゃ」
「よし!そこを練ろう。その前に今日はお休みしよう」
「そうするのがええの。よし、寝ようぞ!」
「ちょっと先に布団に入らないでよ~」
「減るもんではなかろう」
ザシコはクシャっと笑みを浮かべ僕に寄り添って寝た。
(僕はザシコがいなかったらどうなっていたんだろう……)
そんなことを考えているうちに深い眠りに落ちた。
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