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四葉のクローバー

魂の決断

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このような状況下はかえって好都合なのかもしれない。というのも、人間、時間に縛りがあった方が効率よく物事を組み立てやすいと思ってるからだ。しかし、今回はいつ現れるかわからない相手に、人間の心の問題。果たして僕に処理しきれるのだろうか。険しい顔をしているとザシコがこう言った。

「一つの案なのじゃが、聞くか?」

「聞くさ!!」

「今回、なぜお主はこの騒動に巻き込まれたと思う?」

「『運命』としか言いようがないんじゃないかな?」

「そう、『運命』じゃ。だが、『運命』だけで片付けられない事柄もあるじゃろ」

「??」

「『鎖』じゃ!」

「!?」

「高部という奴が現れたタイミングが良すぎる。ワシが思うに『鎖』のお陰というか、せいというか。雪見だけなら『鎖』は『あるだけ』で『発動』はしていなかったはず。そこでお主と出会い『鎖』は『発動』してしまった。そして、その鎖を高部、いや天邪鬼が感知した。そう考えれば辻褄は合わないことでもない。逆に考えれば『鎖』で引っ張り出すこともできるという利点あるというわけじゃ」

確かにそう考えれば合点がいく。

「問題は奴もこの事に気がついてないのではなかろうか」

確かに……挑発に乗って、サシで挑んでくるような奴ではなさそうだった。そうなると雪見を囮にするしかない。気が進まないがそれ以外が方法が見当たらない。でも雪見は雪見でこの件に関して無関心でいるわけがないし、何より解決したがっている本人でもある。だからこそ無茶をさせたく無い。

「何やら色々考え込んでいるようじゃな。そんな時は一度簡素化すると良いぞ。何をすべきかが重要じゃからな」

本当にザシコの言葉には助けられてばかりだ。まるで僕の心を見透かされている感じだ。

「お母さんがこうなっている以上、一発で決めたい!」

「ほほう、男っぽい顔つきになってきたじゃないか」

「ちゃかすなよ(笑)」

問題は雪見だ。どこまで計画を話せば良いのか。そして話したとしても、話さなかったとしても、その通り事が進むのか、こればかりは運だ。無い頭を絞り出せ。人生を賭けろ。一人の男として女の子を守り通せ!

すると「あの経験」を思い出した。そしてそのままその「経験」を話し、作戦を告げてみた。するとザシコは

「貴様にしては考えたじゃないか」

と不敵な笑みを浮かべた。チャンスは一度きり。失敗したとしても一人の女の子の人生が狂うだけ。でも、護りたい女の子を護る。そこだけは譲れない。
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