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四葉のクローバー
拳と拳とキッス
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「いきなり会って人でなしの人殺しヤローとは随分だな、おい」
僕は怒りに任せて奴の顔面をぶん殴ってやろうかと思った。雪見は絶望感に溢れて今にも泣きそうな顔で震えていた。
「菜緒に男を見せつけるなんてやっぱお前、アバズレだわ、あっはははははは」
我慢の限界に来た僕は殴りかかろうと足と拳にに力を入れた。その時、耳元でザシコが呟いた。
「奴の心の中にいる妖怪に上手く操られておる」
「どういう事?」
「雪見から聞いてたじゃろ。自殺した子を好きな奴がおろうて。多分こやつじゃ。で、心の隙間に入り込んだ妖怪が今目の前にある」
そうこうしているうちに『高部』という男は地蔵の前に花束を置いて手を合わせ祈った。僕にはどうも、亡くなった『菜緒さん』へというより、僕たちに見せつけるために祈ってるようにしか感じなかった。
「お前らも来たんだから祈っておけよ」
元々そのつもりなのに、あいつが言ったからやったみたいなのが気に食わなかったが、そこはぐっと我慢した。
「高部くん……あのね」
「うるせぇな、クソビッチが!男とやりまくってさぞ楽しかろうなぁ。俺はこんなに苦しんでるというのに!」
雪見の肩に手をポンと置いて、そのあと高部の顔面を殴った。
「!?ってぇなちくしょう!」
僕と高部は揉み合いになり、殴り殴られ顔も腫れてきた。
「てめぇ、何なんだよ。彼氏だからカッコつけたいのか?反吐が出るぜ!あの女は親友が死んでもテメーみてーな男とイチャコラするクズ女なんだよ!」
「良い加減にしろよ!貴様の妄想を現実に履き替えてんじゃねぇ!」
僕はクソ男の額に頭突きした。そして胸ぐらを掴み
「それぞれの立場からから、亡くなった子への想いや後悔はあるだろう。雪見までそうだ。『最後まで生きてほしい。話なら聞くから。少し待ってて』。雪見なりにその場でできる最大限の事をしたんだよ。その結果がこれなんだよ!お前は雪見の気持ちを考えたことがあるのかぁぁぁ!」
数秒の沈黙の後、高部は
「雪見、お前が菜緒を殺した事実を変えるつもりはねぇ」
そう言って去って言った。
鼻血ダラダラで顔もボコボコでカッコ悪いなぁと思ってたら雪見が後ろから抱きしめた。
「無茶……ぐすっ……じないでよ」
そんな雪見の頭をポンポンと優しく叩いて
「雪見だから無茶するんだ」
と言った。
散らばった花々をかき集め、お地蔵さんの前に飾った。
「お地蔵様、こんな花の寄せ集めで……申し訳ありません!」
僕はザシコにお地蔵様の後ろに隠れて、あたかもお地蔵様が告げている様に頼んだ。
『誠に感謝致す』
雪見はびっくりして僕の顔を見た。僕は知らんぷりを決め込んだ。
『お祈りに必要なものは沢山あるが、重要なのは祈る心!あなたにはそれがある。それで十分じゃ』
雪見は泣き崩れてしまった。無理もなかろう。親友の死を引きずり、親友を好きだった男から罵倒され、心中計り知れない。僕も隣で手を合わせお祈りをした。
暫くして今日は早く帰る事にした。
「ごめんね。トラウマを呼び起こすようなことしてしまって」
「ううん、気にしないで。それより真人君カッコよかったよ!」
「いや、あれは本来してはいけないことで」
僕がモジモジしていると雪見が頬にキスをした。
一瞬何が起こったのか分からなかったが、頬に暖かい跡と雪見の恥ずかしそうな顔を見て確信した。
「私は不器用だからこれくらいしか出来んのよ。嫌だった?」
「ととととととんでもございません!あと五百はいけます!」
雪見はプッと笑っていた。僕はこの笑顔を守り通さなければと心に誓った。
僕は怒りに任せて奴の顔面をぶん殴ってやろうかと思った。雪見は絶望感に溢れて今にも泣きそうな顔で震えていた。
「菜緒に男を見せつけるなんてやっぱお前、アバズレだわ、あっはははははは」
我慢の限界に来た僕は殴りかかろうと足と拳にに力を入れた。その時、耳元でザシコが呟いた。
「奴の心の中にいる妖怪に上手く操られておる」
「どういう事?」
「雪見から聞いてたじゃろ。自殺した子を好きな奴がおろうて。多分こやつじゃ。で、心の隙間に入り込んだ妖怪が今目の前にある」
そうこうしているうちに『高部』という男は地蔵の前に花束を置いて手を合わせ祈った。僕にはどうも、亡くなった『菜緒さん』へというより、僕たちに見せつけるために祈ってるようにしか感じなかった。
「お前らも来たんだから祈っておけよ」
元々そのつもりなのに、あいつが言ったからやったみたいなのが気に食わなかったが、そこはぐっと我慢した。
「高部くん……あのね」
「うるせぇな、クソビッチが!男とやりまくってさぞ楽しかろうなぁ。俺はこんなに苦しんでるというのに!」
雪見の肩に手をポンと置いて、そのあと高部の顔面を殴った。
「!?ってぇなちくしょう!」
僕と高部は揉み合いになり、殴り殴られ顔も腫れてきた。
「てめぇ、何なんだよ。彼氏だからカッコつけたいのか?反吐が出るぜ!あの女は親友が死んでもテメーみてーな男とイチャコラするクズ女なんだよ!」
「良い加減にしろよ!貴様の妄想を現実に履き替えてんじゃねぇ!」
僕はクソ男の額に頭突きした。そして胸ぐらを掴み
「それぞれの立場からから、亡くなった子への想いや後悔はあるだろう。雪見までそうだ。『最後まで生きてほしい。話なら聞くから。少し待ってて』。雪見なりにその場でできる最大限の事をしたんだよ。その結果がこれなんだよ!お前は雪見の気持ちを考えたことがあるのかぁぁぁ!」
数秒の沈黙の後、高部は
「雪見、お前が菜緒を殺した事実を変えるつもりはねぇ」
そう言って去って言った。
鼻血ダラダラで顔もボコボコでカッコ悪いなぁと思ってたら雪見が後ろから抱きしめた。
「無茶……ぐすっ……じないでよ」
そんな雪見の頭をポンポンと優しく叩いて
「雪見だから無茶するんだ」
と言った。
散らばった花々をかき集め、お地蔵さんの前に飾った。
「お地蔵様、こんな花の寄せ集めで……申し訳ありません!」
僕はザシコにお地蔵様の後ろに隠れて、あたかもお地蔵様が告げている様に頼んだ。
『誠に感謝致す』
雪見はびっくりして僕の顔を見た。僕は知らんぷりを決め込んだ。
『お祈りに必要なものは沢山あるが、重要なのは祈る心!あなたにはそれがある。それで十分じゃ』
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