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フクジュソウ
負の連鎖
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『弘康君は菜緒ちゃんが好き』
それは小学生の頃から分かっていた。そんな菜央ちゃんが私を庇って虐められている。庇っちゃうよね。好きなんだもん。弘康君はサッカー部内でも上手かったみたいで、それを妬んでいる人が部員でいた。その部員と私達のクラスメイトに彼女さんが居たらしくて。弁当に毛虫を大量に入れられたり、二人組の時に組ませないようにしたり、スパイクとか切り刻まれたり。挙げ句の果てには運動靴と上履きすらも無くなってたらしいの。一方、菜央ちゃんはと言うと、私にずっと黙ってたみたいだけど、靴がなくなるとかはもちろん、体操服がズタズタにされてたり、ネットに「いろいろ」書き込まれてたり。あの頃はいじめられっ子同士三人で支え合ってた感じかな……というより私が疎すぎたね……支えられてたんだよね……。全て私がいけないの。私があの時、優美ちゃんに声をかけていなければ。先生にイジメを告げなければって。でも二人とも一回も私を責めなかった……責めてくれなかった。
冬休みが終わって直ぐ、クラスでどよめきが起こった。イジメられていた「優美ちゃん」が登校してきたのだ。私達は声をかけにいった。
「あけましておめでとう!そしてお久しぶり!」
「ウィス!あけおめ!しっかし久しぶりだねぇ」
「あけおめ、い、いいのか……こんな…….その」
弘康君は言い辛そうだったが優美ちゃんは
「ううん、大丈夫!私ね、三人に『少しの間でも仲良くしてくれてありがとう』って言いたかったの!」
クラスメイトはもちろん、私も含めてビックリしたわ。とても明るい口調になってたし、いきなり『ありがとう』なんて……。
次の日、学校は休みになった。原因は女子生徒の投身自殺。その女子生徒というのは「優美ちゃん」だった。
それは小学生の頃から分かっていた。そんな菜央ちゃんが私を庇って虐められている。庇っちゃうよね。好きなんだもん。弘康君はサッカー部内でも上手かったみたいで、それを妬んでいる人が部員でいた。その部員と私達のクラスメイトに彼女さんが居たらしくて。弁当に毛虫を大量に入れられたり、二人組の時に組ませないようにしたり、スパイクとか切り刻まれたり。挙げ句の果てには運動靴と上履きすらも無くなってたらしいの。一方、菜央ちゃんはと言うと、私にずっと黙ってたみたいだけど、靴がなくなるとかはもちろん、体操服がズタズタにされてたり、ネットに「いろいろ」書き込まれてたり。あの頃はいじめられっ子同士三人で支え合ってた感じかな……というより私が疎すぎたね……支えられてたんだよね……。全て私がいけないの。私があの時、優美ちゃんに声をかけていなければ。先生にイジメを告げなければって。でも二人とも一回も私を責めなかった……責めてくれなかった。
冬休みが終わって直ぐ、クラスでどよめきが起こった。イジメられていた「優美ちゃん」が登校してきたのだ。私達は声をかけにいった。
「あけましておめでとう!そしてお久しぶり!」
「ウィス!あけおめ!しっかし久しぶりだねぇ」
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「ううん、大丈夫!私ね、三人に『少しの間でも仲良くしてくれてありがとう』って言いたかったの!」
クラスメイトはもちろん、私も含めてビックリしたわ。とても明るい口調になってたし、いきなり『ありがとう』なんて……。
次の日、学校は休みになった。原因は女子生徒の投身自殺。その女子生徒というのは「優美ちゃん」だった。
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