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双葉のクローバー
一歩目の重み
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まず、朝一に始まるカーテンのコーディネートから埃確認。そして冷蔵庫の中身確認は、僕が写真を撮った物を見せる。
「馬鹿タレガァ!!」
声には出さないが確かに言っている。野郎3人の生活としては快適なのではあるが、女王様には些かお気に召されない模様。2日同じスウェットを着ようものなら容赦なく雷を落とす。あの病院でのお淑やかな母は何処へ。でもこれが本当の母なのだ。
まず母への介護で緊張したのは「痰取り」だ。電動で動く機械にまず太い管を取り付ける。そしてその先に取り外しできる細い管を取り付け、それで喉から痰を吸い出す。簡単なようで少しでも手元が狂って喉内にひっかかったりしてしまうと非常に苦しい。いかにこびりついている痰をスレスレで取れるか。神経が研ぎ澄まされた。
本来ヘルパーさんにもできる事なのであるが、(今はわかりませんが)数年前は講習や座学をうけて認定書をもらった方しかできなかった。なのでヘルパーさんにも「出来る方」と「出来ない方」がいる。ここでヘルパーさんを責めないであげて頂きたいのはその講習を受けるために3万以上かかる事、そして人手不足ゆえに受けるタイミングがなく、そして儲けがほとんどない分講習料まで出せないと言う悲しい事実があるのである。
ぼく達は病院にいる間に家族だからと言う理由と看護師さんに指導して頂いたお陰でそれをする事ができた。
目の前にできるのに出来ない。ドラマやアニメ、漫画でたまに出てくる描写であったが、ここまで歯痒い物だとは思っていなかった。
さらに、もし痰の吸引(医療行為)が出来たとしても雑な方もいらっしゃるようで、介護の中の一つの行為でさえこの有様だ。
一筋縄ではいかない、そう僕は思った。
「馬鹿タレガァ!!」
声には出さないが確かに言っている。野郎3人の生活としては快適なのではあるが、女王様には些かお気に召されない模様。2日同じスウェットを着ようものなら容赦なく雷を落とす。あの病院でのお淑やかな母は何処へ。でもこれが本当の母なのだ。
まず母への介護で緊張したのは「痰取り」だ。電動で動く機械にまず太い管を取り付ける。そしてその先に取り外しできる細い管を取り付け、それで喉から痰を吸い出す。簡単なようで少しでも手元が狂って喉内にひっかかったりしてしまうと非常に苦しい。いかにこびりついている痰をスレスレで取れるか。神経が研ぎ澄まされた。
本来ヘルパーさんにもできる事なのであるが、(今はわかりませんが)数年前は講習や座学をうけて認定書をもらった方しかできなかった。なのでヘルパーさんにも「出来る方」と「出来ない方」がいる。ここでヘルパーさんを責めないであげて頂きたいのはその講習を受けるために3万以上かかる事、そして人手不足ゆえに受けるタイミングがなく、そして儲けがほとんどない分講習料まで出せないと言う悲しい事実があるのである。
ぼく達は病院にいる間に家族だからと言う理由と看護師さんに指導して頂いたお陰でそれをする事ができた。
目の前にできるのに出来ない。ドラマやアニメ、漫画でたまに出てくる描写であったが、ここまで歯痒い物だとは思っていなかった。
さらに、もし痰の吸引(医療行為)が出来たとしても雑な方もいらっしゃるようで、介護の中の一つの行為でさえこの有様だ。
一筋縄ではいかない、そう僕は思った。
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