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第1章 追放

収納されたもの

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その小さな手でどうやって持っているのだろうと思うほどの、大きな物体。
恐ろしく魅惑的な色の大きな何かを、せっせと私の収納に押し込み続けている大福。

(大福さん。もう怖いものを入れるのは止めてください。本当に怖いので止めてください。)

『なにが怖いのだ?』

あれ?
えっ?
大福が入れたファンタジーなものの数々って、この世界では一般的なものなの?

(古龍の鱗とか、フェニックスの羽根とか、世界樹の葉とか、エリクサーとか魔道具とか・・・この世界ではありふれたものなの?)

『古龍の鱗もフェニックスの羽も本人たちから貰ったし、世界樹は友であるから、葉でも枝でも実でもくれと言えばくれるな。魔道具は比較的手に入りやすいものから国宝級まで入れた。エリクサーは伝説級で人族が入手するのはやや困難か。他のものも、我にとって入手はさほど難しいことではないが、人族にとっては、命を懸けても得られないものも、まぁ、ある程度は入れたかな。あ、貨幣や調理器具や食料は一般的なものだぞ。』

(もう!手に入りにくいものでも、欲しくなったら自分で集めるからっ。自分で収納するからっ。それがコレクターの楽しみだからっ!私の収納の検証に付き合ってくれてありがとう!私が収納したいものにピンポイントで魔方陣を展開できるようになるまで、これからは大福の風魔法を収納させてくださいっ!今まで入れてくれてものはすべてお返しするので、これから少しずつ排出していくね!)

『魔法を収納だと?』

(え?そうだよ。創造神様にお願いしたの。私戦いたくないから、自分を守るために、武器を使った攻撃や魔法の攻撃、突風、雨、雷も収納したいって。)

(やはり・・・こやつが伝説の「世界の脅威」か。創造神め。)

『いいだろう。空中に魔方陣を展開するがよい。風魔法を打ち込んでやろう。』

(ありがとう、大福!で、今収納に入ってるものなんだけど、床に出せばいい?それとも空中に出す?)

『いや、それは全部其方が持っておれ。いずれ役に立つこともあろう。』

(だ・か・ら!私は自分で集めるのを楽しみにしているの!)

『一生かかっても集められそうにないものは、入れたままでよいのか?』

(大福~!!)

『冗談だ。我の保管場所がいっぱいで困っていたんだ。
新しく保管場所が見つかったら引き取るから、それまで預かっておいてくれ其方の収納という新しい保管場所を見つけたから、よろしく頼むぞ
それにな、それらの中には状態を保存するために、条件付き亜空間部屋が必要なものがあるぞ?いい練習になろう。ほれ、早く時間停止機能のある空間に食料を移さないと、腐るぞ?』

(ひゃあぁぁぁl!!)

大福が食料を入れて、何日経った!?
急がなきゃ!!

不穏な副音声が聞こえた気もするけれど、今は食料を何とかしなきゃ!

時間停止機能付きの亜空間部屋は、思っていた以上に簡単に作ることができた。
強く思い描いて、念じただけだ。
リストに亜空間部屋の名前(?)(時間停止機能付、冷蔵機能付、冷凍機能付とか)とその中に入っているものが表示されるようになった。
食料は保存食みたいなものや根菜、穀物類や豆類ばかりで、腐ってなかった。
脅かさないでよ、大福!
からの亜空間部屋も、夢想していたお部屋のすべてではないけれど、いろいろ作ることができた。
自分で集めて収納するのが楽しみだ!

大福が入れたもの?
「大福専用時間停止機能付亜空間」を作って、その中に全部入れました。
大福に依頼されない限り、触りません!!

大福の風魔法も、問題なく収納することができた。
今のところ、創造神様にお願いした通りの収納になっているようだ。

そう言えば、まだ生き物は収納してないなぁ。

食べて、寝て、排泄して、自分なりに体を動かして身体能力向上を心がける毎日。
大福がいなかったら、不安で、寂しくて、辛い毎日だったかもしれない。
まだ信用はしていないけど、ちょっとだけ、大福の存在がありがたいと思うようになった。
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