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最果ての森・成長編
107. 原因と結果
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「あ、そういえば!みんなに聞きたいことがあったんだ!」
しばらくわいわいとみんなで会話を楽しんでいると、ライがふと思い出したようにそう言った。
「実は今朝早く、城に呼び出されてね。なんでも、昨日の夜、森の外や浅い場所に現れる魔物がいつもより多かったんだって。それも普段は出てこないような割と強い魔物の目撃情報もあるらしくてね。それで、この森で何か異変が起きたんじゃないかって騒ぎになっていて、ブラムス王国からその調査を頼まれたんだ」
そんなことが起きていたのか。ずっとこの森にいるけど、全然気づかなかった。
「だから、調査に出る前にみんなに聞いておこうと思ってここに来たんだ。昨日、何か変わったことはなかったかい?」
変わったこと···?
「んん?なんかあったか?オレは昨日街に遊びに行ってたからなあ。よく分かんねーぜ」
「うーん、ぼくもテムと一緒だったから分かんないなー」
「そっか···それなら仕方ないね。ジルたちはどうかな?ウィル君とティアも、森にいたよね?」
うーん、変わったこと···、変わったこと···。
「···あっ」
思わず声が出た。
めちゃくちゃ変わったこと、あったじゃないか!
あんな強烈なことをすぐに思い出さないなんて。いや、むしろ強烈すぎて、現実味がなかったのかもしれない。
「うん?ウィル君、何か心当たりがあるのかい?」
ライにコクリと頷き、報告する。
「あーだんと、せらおねーしゃんがきたよ!」
「···ああ、そうだったな。昨日この奥にある泉へ行ったんだが、そこにあいつらが来た」
「うむ、騒がしい奴らだったのだ」
僕たちの証言に、ライが「なるほどね」と納得の表情を浮かべる。
「アーダンの魔力で、泉の周辺にいた魔物が逃げちゃったのかな?それに、セラさんの威圧もなかなか···あ、いや、えーっと···。うん、なるほどそういうことか」
ライが言葉を濁したけど、僕は誤魔化されないぞ。ライは、セラ姉の威圧も原因の一つだと思っているようだ。そしてどうやらセラ姉の性格までよく分かっているらしい。
ライが言うには、昨日の出来事はおそらくこうだ。
森の奥の魔物がアーダンとセラ姉を避けるように動き、動いた先にいた魔物が追い出されるような形になった。
中には、自分の縄張りから逃げ出さざるを得なかった魔物もいただろう。そんな魔物の動揺が、逃げた先にいた魔物に伝播し···それがどんどん連鎖して、最終的に、もともと森の浅い場所にいた魔物が森の外に追いやられたり、他の魔物の動揺に影響された魔物の動きが活発になってしまった。
「いやあ、謎が解けてよかったよ。朝にはほとんどいつもと変わらない様子に戻っていたらしいし、ブラムス王国に入ってきた情報では、特に大きな被害はなかったみたいだよ。でも、こういうことは滅多にないからね。特にこの森には強い魔物も多いから、不安に感じてしまうのも無理はないんだろうね」
そういう話を聞くと、なんだか不思議な感覚になる。そんな危険な森の奥に住んでいるのに、揺るぎない安心感があるからだ。それだけ、ジルを始めとしてライやテム、ファムの実力がずば抜けているのだろう。
「まあ、いつもと変わらないように見えても、完全に元通りというわけではないだろうね。そこはちゃんと念頭に置きながら、調査してみるよ」
それはそうだ。逃げた先にそのまま留まっている魔物もいるだろう。それに、外からは分からないが、森の中で魔物同士の争いが起こっているかもしれない。
それにしても、アーダンとセラ姉の来訪が森の外にまで影響を及ぼしていたとは。あの二人は、規格外にも程がある。
「···あっ」
「うん?ウィル君、また何か思い出したのかい?」
そうだ、アーダンの話題で思い出した。そういえば、聞きたいことがあったんだ。
ライなら何か知っているかもしれない。
「ぜっせーのびよーじょのうわさ、しってる?」
「···うん??」
ライの頭の上に、ハテナが浮かんでいる。
うーん、確かにこれでは説明不足か。
「アーダンが言っていたのだ。何故かご主人のことを女だと思っていたようだぞ。『絶世の美幼女』の噂がどうとか、言っていたのだ」
どう言おうかと思っていたら、ティアが補足してくれた。ありがとう、ティア!
「噂···?ウィル君に関する噂ってことだよね?そんな情報が出回るとしたら···ああっ!ギルド!」
ライは噂の出処に心当たりがあるようだ。
「以前、冒険者ギルドに行ったときに、私が弟子をとったっていう話をしたことがあったんだ。でも、なんで美幼女···?」
難しい顔をして考えていたライだが、しばらくして理由が分かったのだろう。今はなんだか複雑な表情をしている。
「ウィル君、ごめんね。その噂、私のせいだよ」
ライのせいとは、どういうことだろうか。
「あのときウィル君の詳しい情報を話すのは避けたんだけどね、弟子が可愛いって思わず言っちゃったんだ。それに、あと数年は森から出る予定はないっていう話をしたんだ。私がウィル君の年齢や性別を言わなかったから、色々な憶測を生んで、そんな噂が広がっちゃったんだと思う」
ほおー、そういうことだったのか。
謎が解けてスッキリした。
『絶世の美幼女』が本当に僕のことを指した噂だったことにちょっとびっくりしたけど、それはライが謝ることではない。
噂なんてのは、伝える人や伝わる人によって形を変えるものだ。もとになった情報が少ないほど、憶測で補われる部分が多くなる。そんな曖昧な噂の中で、よりインパクトのあるものが、速く広く伝わりやすいのだと思う。
今回のも、そうやって曖昧な憶測が付け加えられ、形を変えて、噂として広がったのだ。
「らい、だいじょーぶ!びよーじょじゃなくて、わるかったねーって、いってあげる!」
いつか冒険者ギルドに行ったら、そう言うんだ。それで、正真正銘、僕がライの弟子だって、胸を張って言いたい。
「ふふ、ウィル君は頼もしいね。私は本当にいい弟子をもったよ」
申し訳なさそうな顔をしていたライが、少し笑ってくれた。
やっぱりライには、キラキラの笑顔がよく似合う。
「ブハハ!それにしても、ウィルが美幼女か!おもしれー噂だな!」
「ウィルくんはかわいいけど、女の子じゃないもんねー」
きっとアーダンみたいに、絶世の美幼女であるライの弟子に会うのを心待ちにしている人は多いだろう。
数年後にはその人たちの願望というか、妄想というか、そういうものを打ち砕くことになるわけだ。
そのときは、誰からも文句を言われないくらい、そしてライの顔に泥を塗らないくらい、強くなっていたい。
できることなら、噂を『絶世の美男子』に塗り替えたいと、ほんのちょっとだけ、思う。
でも、僕のフツメンを見て首を傾げられたりしたら、今度は僕のガラスのハートが砕け散る。
ここは謙虚に、というか事実だけを広めたらいい。
「ご、ご主人···?ワレにとって、ご主人は一番かっこいいぞ···?」
···おっと。ティアに気遣われてしまった。
「てぃあ、ありがとー」
ティアがそう思ってくれているのなら、それで十分だ。
「ふふふ、今度ギルドに行ったら、変な噂をしっかりはっきりきっちりと否定しておくよ」
ビュウッという音が聞こえそうな笑顔でライが言った。
···僕が砕く前に、跡形もなく粉々になっていそうだ。
ライ、ほどほどにね。
しばらくわいわいとみんなで会話を楽しんでいると、ライがふと思い出したようにそう言った。
「実は今朝早く、城に呼び出されてね。なんでも、昨日の夜、森の外や浅い場所に現れる魔物がいつもより多かったんだって。それも普段は出てこないような割と強い魔物の目撃情報もあるらしくてね。それで、この森で何か異変が起きたんじゃないかって騒ぎになっていて、ブラムス王国からその調査を頼まれたんだ」
そんなことが起きていたのか。ずっとこの森にいるけど、全然気づかなかった。
「だから、調査に出る前にみんなに聞いておこうと思ってここに来たんだ。昨日、何か変わったことはなかったかい?」
変わったこと···?
「んん?なんかあったか?オレは昨日街に遊びに行ってたからなあ。よく分かんねーぜ」
「うーん、ぼくもテムと一緒だったから分かんないなー」
「そっか···それなら仕方ないね。ジルたちはどうかな?ウィル君とティアも、森にいたよね?」
うーん、変わったこと···、変わったこと···。
「···あっ」
思わず声が出た。
めちゃくちゃ変わったこと、あったじゃないか!
あんな強烈なことをすぐに思い出さないなんて。いや、むしろ強烈すぎて、現実味がなかったのかもしれない。
「うん?ウィル君、何か心当たりがあるのかい?」
ライにコクリと頷き、報告する。
「あーだんと、せらおねーしゃんがきたよ!」
「···ああ、そうだったな。昨日この奥にある泉へ行ったんだが、そこにあいつらが来た」
「うむ、騒がしい奴らだったのだ」
僕たちの証言に、ライが「なるほどね」と納得の表情を浮かべる。
「アーダンの魔力で、泉の周辺にいた魔物が逃げちゃったのかな?それに、セラさんの威圧もなかなか···あ、いや、えーっと···。うん、なるほどそういうことか」
ライが言葉を濁したけど、僕は誤魔化されないぞ。ライは、セラ姉の威圧も原因の一つだと思っているようだ。そしてどうやらセラ姉の性格までよく分かっているらしい。
ライが言うには、昨日の出来事はおそらくこうだ。
森の奥の魔物がアーダンとセラ姉を避けるように動き、動いた先にいた魔物が追い出されるような形になった。
中には、自分の縄張りから逃げ出さざるを得なかった魔物もいただろう。そんな魔物の動揺が、逃げた先にいた魔物に伝播し···それがどんどん連鎖して、最終的に、もともと森の浅い場所にいた魔物が森の外に追いやられたり、他の魔物の動揺に影響された魔物の動きが活発になってしまった。
「いやあ、謎が解けてよかったよ。朝にはほとんどいつもと変わらない様子に戻っていたらしいし、ブラムス王国に入ってきた情報では、特に大きな被害はなかったみたいだよ。でも、こういうことは滅多にないからね。特にこの森には強い魔物も多いから、不安に感じてしまうのも無理はないんだろうね」
そういう話を聞くと、なんだか不思議な感覚になる。そんな危険な森の奥に住んでいるのに、揺るぎない安心感があるからだ。それだけ、ジルを始めとしてライやテム、ファムの実力がずば抜けているのだろう。
「まあ、いつもと変わらないように見えても、完全に元通りというわけではないだろうね。そこはちゃんと念頭に置きながら、調査してみるよ」
それはそうだ。逃げた先にそのまま留まっている魔物もいるだろう。それに、外からは分からないが、森の中で魔物同士の争いが起こっているかもしれない。
それにしても、アーダンとセラ姉の来訪が森の外にまで影響を及ぼしていたとは。あの二人は、規格外にも程がある。
「···あっ」
「うん?ウィル君、また何か思い出したのかい?」
そうだ、アーダンの話題で思い出した。そういえば、聞きたいことがあったんだ。
ライなら何か知っているかもしれない。
「ぜっせーのびよーじょのうわさ、しってる?」
「···うん??」
ライの頭の上に、ハテナが浮かんでいる。
うーん、確かにこれでは説明不足か。
「アーダンが言っていたのだ。何故かご主人のことを女だと思っていたようだぞ。『絶世の美幼女』の噂がどうとか、言っていたのだ」
どう言おうかと思っていたら、ティアが補足してくれた。ありがとう、ティア!
「噂···?ウィル君に関する噂ってことだよね?そんな情報が出回るとしたら···ああっ!ギルド!」
ライは噂の出処に心当たりがあるようだ。
「以前、冒険者ギルドに行ったときに、私が弟子をとったっていう話をしたことがあったんだ。でも、なんで美幼女···?」
難しい顔をして考えていたライだが、しばらくして理由が分かったのだろう。今はなんだか複雑な表情をしている。
「ウィル君、ごめんね。その噂、私のせいだよ」
ライのせいとは、どういうことだろうか。
「あのときウィル君の詳しい情報を話すのは避けたんだけどね、弟子が可愛いって思わず言っちゃったんだ。それに、あと数年は森から出る予定はないっていう話をしたんだ。私がウィル君の年齢や性別を言わなかったから、色々な憶測を生んで、そんな噂が広がっちゃったんだと思う」
ほおー、そういうことだったのか。
謎が解けてスッキリした。
『絶世の美幼女』が本当に僕のことを指した噂だったことにちょっとびっくりしたけど、それはライが謝ることではない。
噂なんてのは、伝える人や伝わる人によって形を変えるものだ。もとになった情報が少ないほど、憶測で補われる部分が多くなる。そんな曖昧な噂の中で、よりインパクトのあるものが、速く広く伝わりやすいのだと思う。
今回のも、そうやって曖昧な憶測が付け加えられ、形を変えて、噂として広がったのだ。
「らい、だいじょーぶ!びよーじょじゃなくて、わるかったねーって、いってあげる!」
いつか冒険者ギルドに行ったら、そう言うんだ。それで、正真正銘、僕がライの弟子だって、胸を張って言いたい。
「ふふ、ウィル君は頼もしいね。私は本当にいい弟子をもったよ」
申し訳なさそうな顔をしていたライが、少し笑ってくれた。
やっぱりライには、キラキラの笑顔がよく似合う。
「ブハハ!それにしても、ウィルが美幼女か!おもしれー噂だな!」
「ウィルくんはかわいいけど、女の子じゃないもんねー」
きっとアーダンみたいに、絶世の美幼女であるライの弟子に会うのを心待ちにしている人は多いだろう。
数年後にはその人たちの願望というか、妄想というか、そういうものを打ち砕くことになるわけだ。
そのときは、誰からも文句を言われないくらい、そしてライの顔に泥を塗らないくらい、強くなっていたい。
できることなら、噂を『絶世の美男子』に塗り替えたいと、ほんのちょっとだけ、思う。
でも、僕のフツメンを見て首を傾げられたりしたら、今度は僕のガラスのハートが砕け散る。
ここは謙虚に、というか事実だけを広めたらいい。
「ご、ご主人···?ワレにとって、ご主人は一番かっこいいぞ···?」
···おっと。ティアに気遣われてしまった。
「てぃあ、ありがとー」
ティアがそう思ってくれているのなら、それで十分だ。
「ふふふ、今度ギルドに行ったら、変な噂をしっかりはっきりきっちりと否定しておくよ」
ビュウッという音が聞こえそうな笑顔でライが言った。
···僕が砕く前に、跡形もなく粉々になっていそうだ。
ライ、ほどほどにね。
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