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最果ての森編
15. 魔法の種類
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ジルに完全敗北を喫した後、ライにアドバイスをもらいながら魔力操作と魔力感知の練習を粛々と行った。
しばらくすると、ファムと遊んでいたテムが近くにやって来た。
「なあ、そろそろ腹空かないか?」
あ、また集中してた。練習すればするほどスキルの精度が上がるのが嬉しくて、つい熱中して時間を忘れてしまう。
「おや、もうそんな時間か。それじゃあ今日の練習はここまでにしよう。ジル、夕食を頼めるかい?」
「分かった」
頭を一撫でされ、僕は再びライの膝に移される。
「ふふ、ウィル君、今日はお疲れ様。初めての練習だったけど、よく頑張ったね。どんどん上達してるから、きっとすぐに色んな魔法が使えるようになるよ」
嬉しい。ライが褒めてくれる。
魔法、早く使えるようになりたい。
「ジルが夕食を準備してくれてる間に、魔法について話そうか」
「あう!」
是非!お願いします!
「ふふ、魔法はね、現在の学問では、その性質や効果から、大きく六つに分類されているんだ。生活魔法、攻撃魔法、防御魔法、回復魔法、補助魔法、召喚魔法だよ。それに区分されない魔法として、空間魔法、重力魔法、それから精霊魔法があるんだ」
「うおっほん」
ほうほう。
「精霊魔法はエルフが使う種族特有の魔法でね、魔力を対価に精霊が力を貸してくれるんだ。自分だけで行使する魔法よりも強力なものになりやすいという特徴があるよ。ただ、自然を大きく破壊するような場合はその限りではないんだ。そういう魔法は、精霊が嫌がるからね。それに、精霊は自然を好むから、都会にはあまりいないんだ。精霊が少ない場所では、エルフも普通の魔法を使うよ」
自然に寄り添った魔法なのか。エルフらしい魔法だ。
「それから空間魔法と重力魔法が別枠なのは、使える人がほとんどいないからなんだ。だから研究があまり進んでいなくて、学問としてはまだ体系化されていない魔法なんだよ」
「うううおっほん」
「今分かってるのは、どちらの魔法も適性が必要で、とてつもなく精密に魔力を制御する必要があるということかな」
「ううううおっほ、んげほっ、げほっ」
さっきから気になっていたが、テムの咳が止まらない。
「ふふ、なんとテムはこの二つの魔法のスペシャリストなんだよ」
「げほっ、そ、そうなんだぜ!」
咳き込んでいたテムが、ガバッと顔を上げる。
テムがいれば、研究が進むのでは?
「オレは生まれたときから自然に使ってるから、学問とか難しいことは分かんないぜ!」
進まないのでは。
「ふふふ、自然に出来るなんて、羨ましいよね、ウィル君」
「オレからしたら、何で出来ないのか不思議だぜ!」
「ふふふ、そうだね、不思議だね」
「おう!呼吸と同じだぜ!自然に出来て当たり前なんだぜ!」
「ふふふ、そうだね、当たり前だね」
テムさん、そろそろやめてあげて。
ライが血の涙を流しそうだ。
「ウィルがもっと魔力の操作を上手くできるようになったら、オレが魔法を教えてやるよ!」
テム先生、お願いします。
「簡単だぜ!グルグル、ギューン、バーンってやればいいだけだからな!」
テムくん、そうだね。
僕、頑張るよ。
スキル『遠い目』を覚えそうだと思っていると、同じような顔をしたライと目が合った。
友情が深まった。
「ふふふ、私達には、私達なりの学び方があるからね。頑張ろうね、ウィル君」
そうだ、僕達は理論派なんだ。
きちんと理解しながら習得していくんだ。頑張ろう。
···ライがいてくれて良かった。
「出来たぞ」
ライと視線で慰め合っていると、ジルがお皿を持ってやって来た。
夜ご飯だ!
しばらくすると、ファムと遊んでいたテムが近くにやって来た。
「なあ、そろそろ腹空かないか?」
あ、また集中してた。練習すればするほどスキルの精度が上がるのが嬉しくて、つい熱中して時間を忘れてしまう。
「おや、もうそんな時間か。それじゃあ今日の練習はここまでにしよう。ジル、夕食を頼めるかい?」
「分かった」
頭を一撫でされ、僕は再びライの膝に移される。
「ふふ、ウィル君、今日はお疲れ様。初めての練習だったけど、よく頑張ったね。どんどん上達してるから、きっとすぐに色んな魔法が使えるようになるよ」
嬉しい。ライが褒めてくれる。
魔法、早く使えるようになりたい。
「ジルが夕食を準備してくれてる間に、魔法について話そうか」
「あう!」
是非!お願いします!
「ふふ、魔法はね、現在の学問では、その性質や効果から、大きく六つに分類されているんだ。生活魔法、攻撃魔法、防御魔法、回復魔法、補助魔法、召喚魔法だよ。それに区分されない魔法として、空間魔法、重力魔法、それから精霊魔法があるんだ」
「うおっほん」
ほうほう。
「精霊魔法はエルフが使う種族特有の魔法でね、魔力を対価に精霊が力を貸してくれるんだ。自分だけで行使する魔法よりも強力なものになりやすいという特徴があるよ。ただ、自然を大きく破壊するような場合はその限りではないんだ。そういう魔法は、精霊が嫌がるからね。それに、精霊は自然を好むから、都会にはあまりいないんだ。精霊が少ない場所では、エルフも普通の魔法を使うよ」
自然に寄り添った魔法なのか。エルフらしい魔法だ。
「それから空間魔法と重力魔法が別枠なのは、使える人がほとんどいないからなんだ。だから研究があまり進んでいなくて、学問としてはまだ体系化されていない魔法なんだよ」
「うううおっほん」
「今分かってるのは、どちらの魔法も適性が必要で、とてつもなく精密に魔力を制御する必要があるということかな」
「ううううおっほ、んげほっ、げほっ」
さっきから気になっていたが、テムの咳が止まらない。
「ふふ、なんとテムはこの二つの魔法のスペシャリストなんだよ」
「げほっ、そ、そうなんだぜ!」
咳き込んでいたテムが、ガバッと顔を上げる。
テムがいれば、研究が進むのでは?
「オレは生まれたときから自然に使ってるから、学問とか難しいことは分かんないぜ!」
進まないのでは。
「ふふふ、自然に出来るなんて、羨ましいよね、ウィル君」
「オレからしたら、何で出来ないのか不思議だぜ!」
「ふふふ、そうだね、不思議だね」
「おう!呼吸と同じだぜ!自然に出来て当たり前なんだぜ!」
「ふふふ、そうだね、当たり前だね」
テムさん、そろそろやめてあげて。
ライが血の涙を流しそうだ。
「ウィルがもっと魔力の操作を上手くできるようになったら、オレが魔法を教えてやるよ!」
テム先生、お願いします。
「簡単だぜ!グルグル、ギューン、バーンってやればいいだけだからな!」
テムくん、そうだね。
僕、頑張るよ。
スキル『遠い目』を覚えそうだと思っていると、同じような顔をしたライと目が合った。
友情が深まった。
「ふふふ、私達には、私達なりの学び方があるからね。頑張ろうね、ウィル君」
そうだ、僕達は理論派なんだ。
きちんと理解しながら習得していくんだ。頑張ろう。
···ライがいてくれて良かった。
「出来たぞ」
ライと視線で慰め合っていると、ジルがお皿を持ってやって来た。
夜ご飯だ!
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