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1章 −夢が現実か−
私という人間
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私…前原あずさはただの女子高生だった
そう、ただの女子高生
オタクと言われる部類ではあったけれどそれでもただの一般市民
アニメとか漫画ならモブキャラと言われるのだろう
見た目もよく言って中の中
もう一度言う
【よく言って】中の中なのだ
長く伸びた黒髪はくせ毛じゃなかったらサラリといい効果音をつけれたかもしれないけども現実は無慈悲。
そんな髪をおろしておくにも恥ずかしくて三つ編みにしている
もちろん、人によってはおろせばいいじゃんと言うだろう
けれど私はオタクの一人としてサラリとなびく髪でなければおろしたくないのだ
他の人がおろしている分には可愛いとか綺麗とか思うが、自分のことになるとどうしてもだめだった
そしてメガネ。それはアニメを暗いところで見たからなのか、漫画を暗いところで読んだからなのか、それともスマホか?
目が悪いことには変わりがなく、目立たないメガネをかけている
そんな私には昔からお気に入りのアニメがある
【スラッシュストーリー】
略して【スラスト】だ。
スラストはRPGモチーフの世界で異世界【オーダーナイトメア】が舞台だ
そしてそのオーダーナイトメアに転移させられた数百人の人たちが地球に帰る方法を探すべくダンジョンを攻略するという内容になっている
その主人公はその事を知っていたりする素振りもあるが、根本的なことを読者にはわからないようにストーリーが進んでいく
その、先を知ってる主人公と後から出てくる真実、さらに主人公達の恋模様もとても素晴らしい
主人公は【イツキ】と言うゲーマー青年。18くらいだったはず
彼の優しさや知識の量、そして何よりチート級の強さが沢山のファンを集めている
それは作品の中でもそうだ
イツキには【アズサ】つまり、私と同じ名前の彼女がいる
【アズサ】彼女もオーダーナイトメアに引き込まれた人物の一人だった
そんなアズサは一人、孤独にダンジョンで戦っていた
強さに固執していた
その理由は色々あるんだけど
その心の氷を溶かして恋人になったイツキ。
気づけば私もイツキに恋するようになっていた
原作小説はもちろん、アニメでは声がついて…その声で私の…ううん、アズサの名前を呼ぶ
それだけでも恋に落ちるには私には十分すぎた
アニメキャラにガチ恋なんて気持ち悪いと言われるかもしれないけれど、私は本気で好きだった
その日も私はいつも通り布団に入って目を閉じた
「イツキに夢の中で会えますように」
そう、いつものようにつぶやいた
何も変わらない。
そのはずだった……
誰かの声が聞こえる
お母さん?……眠ってからそんなに時間は経ってないはず
「ちょっと、あずさ。早く起きなさいよ」
「ん~……」
何かいつもとお母さんの声も違うし、私の声も違うように聞こえる
ついに私も声変りが……
なんて馬鹿なことを考えていると、布団を引っぺがされてしまう
「あぁ…私の布団……」
「本当に寝ぼけてるの?」
その声は明らかに母親の声ではなかった
でも聞こえるはずのない声に私は眠い目をこすり、その声の主を見る
「え……」
私の口からはその言葉しか出なかった
目の前にいたのは
「アズサ、今日はダンジョンに潜るんだから、早くしなさいよ」
スラストの…【リーナ】だった
そう、ただの女子高生
オタクと言われる部類ではあったけれどそれでもただの一般市民
アニメとか漫画ならモブキャラと言われるのだろう
見た目もよく言って中の中
もう一度言う
【よく言って】中の中なのだ
長く伸びた黒髪はくせ毛じゃなかったらサラリといい効果音をつけれたかもしれないけども現実は無慈悲。
そんな髪をおろしておくにも恥ずかしくて三つ編みにしている
もちろん、人によってはおろせばいいじゃんと言うだろう
けれど私はオタクの一人としてサラリとなびく髪でなければおろしたくないのだ
他の人がおろしている分には可愛いとか綺麗とか思うが、自分のことになるとどうしてもだめだった
そしてメガネ。それはアニメを暗いところで見たからなのか、漫画を暗いところで読んだからなのか、それともスマホか?
目が悪いことには変わりがなく、目立たないメガネをかけている
そんな私には昔からお気に入りのアニメがある
【スラッシュストーリー】
略して【スラスト】だ。
スラストはRPGモチーフの世界で異世界【オーダーナイトメア】が舞台だ
そしてそのオーダーナイトメアに転移させられた数百人の人たちが地球に帰る方法を探すべくダンジョンを攻略するという内容になっている
その主人公はその事を知っていたりする素振りもあるが、根本的なことを読者にはわからないようにストーリーが進んでいく
その、先を知ってる主人公と後から出てくる真実、さらに主人公達の恋模様もとても素晴らしい
主人公は【イツキ】と言うゲーマー青年。18くらいだったはず
彼の優しさや知識の量、そして何よりチート級の強さが沢山のファンを集めている
それは作品の中でもそうだ
イツキには【アズサ】つまり、私と同じ名前の彼女がいる
【アズサ】彼女もオーダーナイトメアに引き込まれた人物の一人だった
そんなアズサは一人、孤独にダンジョンで戦っていた
強さに固執していた
その理由は色々あるんだけど
その心の氷を溶かして恋人になったイツキ。
気づけば私もイツキに恋するようになっていた
原作小説はもちろん、アニメでは声がついて…その声で私の…ううん、アズサの名前を呼ぶ
それだけでも恋に落ちるには私には十分すぎた
アニメキャラにガチ恋なんて気持ち悪いと言われるかもしれないけれど、私は本気で好きだった
その日も私はいつも通り布団に入って目を閉じた
「イツキに夢の中で会えますように」
そう、いつものようにつぶやいた
何も変わらない。
そのはずだった……
誰かの声が聞こえる
お母さん?……眠ってからそんなに時間は経ってないはず
「ちょっと、あずさ。早く起きなさいよ」
「ん~……」
何かいつもとお母さんの声も違うし、私の声も違うように聞こえる
ついに私も声変りが……
なんて馬鹿なことを考えていると、布団を引っぺがされてしまう
「あぁ…私の布団……」
「本当に寝ぼけてるの?」
その声は明らかに母親の声ではなかった
でも聞こえるはずのない声に私は眠い目をこすり、その声の主を見る
「え……」
私の口からはその言葉しか出なかった
目の前にいたのは
「アズサ、今日はダンジョンに潜るんだから、早くしなさいよ」
スラストの…【リーナ】だった
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